カテゴリー:仕事, 父娘(おやこ)で暮らす大屋根の家

ちょっと前のことですが、「父娘で暮らす大屋根の家」の階段踊り場の板がふたつに割れるということが起こりました。
踊り場の板は、無垢の木を集成した幅広の材です。

僕が独立する前に勤めていた事務所での仕事で、1度同じことがありましたが、ほぼ25年ほど前のことになるので、四半世紀に一度あるかないかというほど、珍しいことということでしょうか。
材木屋さん、大工さんとの相談で、無垢材の一部を削り取って、 新しい材を埋めるという方法で、補修することとなりました。
ルーターを使って、きれいに直線上に削り取るために、ルーターのガイド(定木)を造るところからはじまり、ルーターで削られた粉や木片が飛び散って、お住いを汚さないようにと、しっかりとビニール養生で包まれた中での作業となりました。

下の写真が、ルーターの定木となります。
削り取ってしまう板の上から、この定木をビス留めして固定しています。

ルーターで直線上に削り取った後は、鑿で底を平らに削って、新しい板の接着面を作っていきます。
ルーターでは、壁際まで彫り込めないので、キワは慎重に手作業でした。

新しい板をはめ込むと見事に納まりました。
後は塗装すれば、まわりとの色違いも落ち着いてきます。

ビニール養生の中は暑く、ルーターからの粉、木片が飛び散って、粉まみれになりながら、最後ぴったりと納めてくださいました。さすがでした。
「父娘で暮らす大屋根の家」の現場の様子は、こちらから。

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2015年06月12日

カテゴリー:仕事, 敷地7坪の家

「敷地七坪の家」の解体工事が進んでいます。

3週間ほど前の、役所によるアスベスト有無確認の立会検査の後、足場掛け、近隣養生などを済ませて、内部から解体が始まっています。
お隣3方の建物とは、ほとんど隙間がないように建てられていて、よく工事ができたものだと思うほどです。
隙間がないと解体工事時も大変です。外壁の壊し方によっては、お隣を傷つけてしまいます。
解体に重機は使えず手壊しで、搬出も人手で急な階段を使って運んでいます。


室内側の壁が取られ、外壁の下地が現れてきました。
3階の途中までがブロック積みで、3階途中から波鋼板を使っています。なぜ使い分けているのかが不思議です。
塔屋では、屋根がはずれて青空が気持良いのですが、お隣との離れ具合にあらためてびっくりしてきました。
ほとんどくっついています。
解体工事はかなり慎重に進めないといけないようです。
 

あらためて、周囲の見え具合を確認してきました。
東と南は、ほぼ隣の外壁しか見えません。西側は、隣が2階建てなので、3階途中あたりから少し期待できそうです。
 

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2015年06月10日

カテゴリー:メディア, 仕事, 父娘(おやこ)で暮らす大屋根の家

昨年9月のまだ暑い頃にお引渡しした「父娘で暮らす大屋根の家」を、リビングデザインセンターOZONEのスタッフさんのブログ<OZONE DIARY>で取り上げていただきました。
この住いは、OZONE家designのプロデュースで始まった計画です。
お引越が落ち着き、新しい生活に慣れてきた頃のアフターリサーチで、訪ねてくださったようです。
我々設計者もそうですが、プロデュース側でも、こうやって訪ねていただけることは、クライアントにとって、とても安心できることなのだと思います。
訪ねてくださった様子をぜひ、「OZONE DIARY 」よりご覧下さい。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
「父娘で暮らす大屋根の家」は、高齢のお父様の介護を考えながらも、少しは介護から離れた時間も欲しいという微妙な関係を、考えた高気密高断熱の住宅です。
1階は、お父様が生活しやすいように計画されたフロアで、普段のお二人の生活のベースとなる場所です。
クライアントである娘さんは、プライベートな時間を持つために、寝室を2階としながらも、吹抜けを通して、お父様の気配が感じられるようにと考えた間取りです。
吹抜は、そんな意味合いを持ちながら、この家の個性として、気持のよいおおらかさと美しさを演出してくれるように 考えています。
大きな屋根が、父娘のスペースと吹抜を、包込んでいる住宅です。
竣工写真は近々アップ予定です。少しお待ちください。
工事途中の現場の様子などは、こちらからご覧になれます。 
http://www.guild-design.com/category/仕事/musume_to_chichi-no-ie/ 

 
 

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2015年06月4日

カテゴリー:インフォメーション, 仕事, 建築家31会

恒例となっている6月の赤レンガ倉庫でのイベント案内です。
ギルドデザインが参加している建築家31会主催のよる建築模型展+建築相談会「建築家31人×3works Vol.18 」が、6月6日(土)と7日(日)、横浜の赤レンガ倉庫1号館 2階 スペースA,Bで開催します。

今回の模型展では、リフォーム模型の展示コーナーも用意してます。
ギルドデザインでも、ここのところリフォームのお話が多くなってきていて、現在も2件が設計契約済み、他に3件のお話があるくらいですから、31会メンバーにも、かなり依頼が増えていることと思います。
その動向を受けての展示です。リフォームをご計画の方々にも、参考となるような模型展示やお話ができればいいと、思っています。

また、今回の建築家セミナーは、2人の建築家による対談形式でお話をします。
これまでの1人での話を変わって、聞きやすく、突っ込みが入ることもあるので、気楽にご参加できると思います。
今回は磯村が、セミナーに参加しています。
6日の13時より 「土間をいかす」をテーマに、菰田さんとのトークイベントです。
入場は無料です。
建築に興味のある方、家づくりをお考えの方、たくさんの方のご来場をお待ちしています。

 
 

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2015年05月28日

カテゴリー:仕事

昨年ご縁があって、プラン提案をさせていただいた建替え計画の、既存住宅の解体が始まります。
建物は、築48年になる鉄骨造3階+塔屋というかなり古い建物です。
そんな古い鉄骨造の建物の解体ということで、役所によるアスベスト有無の確認検査が入りました。
古い鉄骨造のビルでは、鉄骨の耐火被覆にアスベストと使っていたので、もしも使われていたなら、解体時に飛散し、近隣に対して健康被害を与えかねないための立ち入り確認です。

この住宅は、鉄骨造3階ですから、建設当時は耐火被覆の必要ない建物だったかもしれませんが、使っていないとは限りません。
アスベスト除去には大変な費用がかかります。
もしあれば、計画全体に大きな影響が出てきますから、当然ですが、我々も事前に、解体屋さんと共に天井板をはがして、耐火被覆がないことは確認していました。
立会検査も終わり、足場、シート掛けと解体準備が始まります。
既に残されていた荷物も処分され、クライアントが幼い頃に過ごしたであろう生活の場が、どことなく寂しげにみえました。

 

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2015年05月27日

カテゴリー:アトリエのある小さな家, 仕事

「アトリエのある小さな家」の現場がスタートします。

間口が狭く奥行の長い、いわゆる狭小敷地に、アーティストであるご夫婦のアトリエと作業場所のあるちいさな2階屋の計画です。
訳あって、この現場では、我々の設計監理はないのですが、先日、地鎮祭を行いました。
初めての経験でしたが、この地鎮祭は、神主さんのいないクライアント自ら取り仕切るセルフ地鎮祭でした。クライアントはその前日、神社に出向きお清めをしてもらってきていて、セルフ地鎮祭キットをいただいてこられました。

初めて見たのですが、お神酒、米、塩、砂に鎮め物のセットがあるんですね。
神主さんから、手順を教えてもらってきたということで、ほぼいつもの地鎮祭と同じように土地の神様に工事の安全を願いし、四方清めの作法をおこないました。


四方清めがちょっと変わっていて、お神酒とともに撒く塩と米には、あらかじめ砂を加えて混ぜたものを使いました。

四方清めの後、玉串を敷地鬼門の方向に立て(これも見たことのない作法でしたが。)
最後に、ふたたび二例二拍手一例して、神様に感謝をして地鎮祭をまとめました。

地鎮祭の前には、工務店の張った地縄の位置の確認をさせてもらいました。
管理のない現場ですが、うちの事務所から近いので、ときどき寄らせてもらう予定です。

 
 

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2015年05月20日

カテゴリー:インナーバルコニーのある国道沿いの二世帯住宅, 仕事

昨年竣工した「国道沿いの家」は、半年検査が遅れてしまったので、ちょっと早めの1年検査という時期になってしまいましたが、工務店さんと、確認におじゃましてきました。

「国道沿いの家」は、鉄骨造の住宅のリノベーションですが、幹線道路からの騒音は厳しいものがあります。
ご主人は、実家であるこの建物には慣れていらっしゃいましたが、これまで住宅街に住まわれていた奥様は、騒音を心配されていました。
国道側に造った、お子さんたちの遊び場になるようなインナーバルコニーは、騒音対策でもあったのですが、奥様も、どうも音には慣れてこられたようです。

外壁側にサッシを取付けた室内バルコニーですが、防水もしていて、お子さんたちが水遊びを楽しむ場所です。ご主人のウェットスーツの干場でもあります。
少し前からということですが、ここのサッシの横引き網戸の調子が悪くなっていて、 修理をお願いしています。

  
枠のつなぎ部分の割れや、タイルと目地埋め残し、タイル壁際の目地のひび割れなど、気になるところが見つかっていますので、補修改善を工務店さんに確認してもらいました。
住まわれている様子をうかがうと、とても喜んでいただいていて、こちらとしてはうれしい限りです。
 
リビング天井に吹抜を造ることで現れた鉄骨梁には、吊り輪が下げられて、お子さんたちの遊び道具にもなっているとのことです。

  
玄関ホールに開けたガラス窓には、かわいい小物が並んで、階段から下げられたチランジアがアクセントになっています。
米びつも大きなガラス瓶、なかの虫除け唐辛子のケースが目立ってます。
洗面上もきれいに使っていただいています。
手直しの終わった頃に確認にお邪魔して、その頃には、竣工写真の撮影をお願いしてきました。
 「国道沿いの家」の現場の様子は、こちらからどうぞ。
http://www.guild-design.com/category/仕事/big-balcony-house/ 

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2015年05月18日

カテゴリー:中庭を造る減築リフォーム, 仕事


「中庭と造る減築リフォーム」のクライアントから、春らしい中庭のアオダモの写真が届きました。
こんなコメントが添えられていました。

おかげ様で毎日明るい中庭を眺めていい気分です。
雨の日も、晴れの日も、夜も、朝もそれぞれにいいですが、
虫も出ますね。(笑)

手直しの最後の確認がまだだったので、お邪魔しないといけないなと思っていたところでした。
とてもうれしいご連絡です。

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2015年04月28日

カテゴリー:仕事, 鰭ケ崎の家

鰭ケ崎の家が竣工し、25日オープンハウスを開催いたしました。
外構工事がまだ残っていますので全ての完成は5月末、植栽、庭の整備も合わせれば夏頃になるかも知れません。部屋の延長と繋がるウッドデッキ、ハンモック、芝生の庭、立樹の木陰が楽しみです。ハワイアンリゾートをテーマとして計画した住宅ですので、夏姿はきっと似合うと思います。振返って見ると仕上の段階になってクライアントはじめ大工さん、監督さんも楽しんで、ラフでタフな仕上の遊び空間を創り合ってくれた気がします。
照明器具は抑え気味にしていますので、夜景は特に陰影で立体感、奥行感、素材感が引立ちます。特に高かな材料を使っていませんがハワイ杉の柔らかさ、レッドシダーの素朴な味わいと、コンクリート床の対比も違和感無く、落着く部屋になっています。
これから家具や小物が置かれ更に心地良いすまいになってくれると期待しています。

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2015年04月27日

カテゴリー:とんがり屋根の家, 仕事

お引渡ししてまだ一月経たない頃でしたが、手直し工事の確認もあって、「とんがり屋根の家」にお邪魔してきました。
工事コストを押えるため、家具類は必要最小限におさえ、引越の後、施主自身で作り込まないといけないところがたくさんある計画でした。
キッチンはステンレスカウンターのコンロとシンクのみで、食器や調理器具の収納は施主の手作り組立てに残してありました。

工務店さんのキッチン工事はここまででしたが、

壁のタイル張りから、壁付けの棚、カウンター下のワゴン収納、タオル掛けまで、しっかりでき上がっていて、もう生活が地に着いた感じです。
クロゼットの棚とハンガーパイプ、駐車場収納の扉まで、でき上がっていました。

さすがに駐車場の収納扉は、友人の家具屋さんに頼んだのだそうですが、コストを押えながらも、考えた造りになっていました。

 
荷物の多いご家族なので、まだ片付いていないかと思いながらお訪ねしましたが、必要な家具を作り込んで、思いのほか片付けが進んでいらっしゃいました。

ご主人のガンプラも納まっています。
竣工写真は、カメラマンでもあるご主人が、引越前と引越後荷物の片付けが一段落したところで撮影してくださいます。
こちらでもアップしていきますので、お楽しみに。
工事中の「とんがり屋根の家」の現場のようすはこちらから。
竣工時の様子は、こんな感じでした。


 

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2015年04月27日

カテゴリー:インフォメーション

ハワイアンリゾートをデザインテーマとした住宅、「鰭ケ崎の家」がそろそろ竣工をむかえます。
お引渡しに先立って、クライアントのご好意によってオープンハウスを開催させていただくこととなりました。
4月25日(土) 12時〜17時
千葉県流山市です。
都内からは少し離れますが、ご都合がよろしければぜひおいでください。
ご連絡いただければ、くわしい案内をお送りいたします。
ホームページの contact または下記メールアドレスよりお願いします。
ご連絡先:mail@guild-design.com
鰭ケ崎の家」の現場の様子はこちらから
http://www.guild-design.com/category/仕事/鰭ケ崎の家/ 

 

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2015年04月18日

カテゴリー:仕事, 茶の間のある家_リフォーム

築46年ともなると、耐震対策がどこまでできているか、はなはだ疑問です。
いわゆる新耐震という地震への耐震性能を高めた構造基準は、1981年からのもので、それより前に建てられた建築は、耐震への配慮が足りません。
さらに、現在の構造基準は、その新耐震より厳しいものになっています。
この計画でも、スケルトンリフォームをするので、建物の耐震補強は必ず必要となるので、耐震壁の壁量計算はしておくのですが、計画を立てるにも、予算を考えておくにも、既存構造骨組みの状況だけでも確認したくなります。
古い住宅の良いところは、天井や床下が覗きやすいこと。
2階の押入の天井板は、お約束通りというのか、釘打ちされてなくて、あけることができました。
小屋梁の組み方の確認ができました。小屋裏にあがれるほどの高さがあります。
古い木造らしく、材は細めですが、丸太も使われています。
断熱材は、まったく入っていない。時代としては、そんなものかもしれません。

不思議なことに、船底天井になっている部屋の棟のような材は、まったくのダミーでした。今度は、天井高さがずっと上げられそうです。

床下も覗いてみました。
和室の畳をあげて新聞紙と防水紙(湿気が多くて後から入れてそうです)をめくってみると荒床が現れます。荒床は釘止めされていました。

荒床をあけてみると、こちらは残念ながら想定通りで、床から土間までの高さが低く、基礎の立上がりが法定基準以下でした。
畳が黴びたことがあるということでしたので、土台や大引など状態が心配でしたが、傷んではいないようです。小さいながらも床下換気口がついていたからでしょう。
いずれにしても、床下には、何らかの対策が必要です。

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2015年04月15日