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 断熱材吹付け完了

新年あけの仕事始めの週に山梨県のリノベーション現場「中庭を造る減築リフォーム」へ、工程確認、施主打合で出かけてきました。
山が大好きだからというわけではないですが、冬の山梨はすばらしい。
甲府市内を走っただけで、冠雪した南アルプスがとっても雄壮です。

現場の予定では、なんとか年末中に断熱工事を終わらせたかったようですが、新年早々の吹付け工事となってしまい、工期は遅れているようです。
工期についてのクライアントへの説明を、工務店よりしてもらいました。
リフォーム工事は、計算通りに進むことの難しい工事ですが、この現場では、少し遅れ方に問題がないわけではありません。ただ工期だけを無理に詰めて、工事の質が雑になってもらっては困ります。
特に最近は職人さんが足りない状況です。現場のわかっていない職人さんを無理に入れてもらっても、うまくいかないことも多いです。そのあたりの読みで、どこまでを工務店さんにお願いできるのかが難しいところです。

この現場は現場発泡の硬質ウレタンフォームB種でお願いしています。
A 種でも、もちろん良かったのですが、既存改修で、外壁を残してのリフォームですから、外壁通気をとることができない今回のリフォームでは、断熱材での内部結露を押えるために、吸湿性の少ない断熱材を選択しています。
中庭のサッシも取り付いていて、ようやく空間ボリュームが見えてきました。
断熱は外壁だけでなく、外壁区画から1m室内側までウレタンフォームを吹いてもらっています 。これは鉄骨が熱橋により、外部の熱環境が室内に入ってくるのを押えるために必要な措置です。
この日は、造園屋さんとの外構打合もお願いしました。
玄関前や、駐車場と南窓との間の既存植込みをどう調整していくのかを、植木屋さんに相談しながら、 残すべき木とあきらめる木を決めながら、クライアントにも植栽のイメージをまとめてもらいました。


初めて聞いたことですが、棕櫚には唐棕櫚と和棕櫚があるのだそうです。
このお宅にある棕櫚は和棕櫚で 、和棕櫚は葉の開き具合、付き具合の姿がよいのだそうです。
意図して植えていないとあるものではないということで、これは残すこととなりました。
最近の植栽の傾向として、松や梅など、和っぽいものを避けることが多く、だんだん使われなくなってきているので、そういう今でこそ、この和棕櫚もうまくいかせないかと思うのです。

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 建築家31人x3works vol.16ありがとうございました。

横浜「マークイズみなとみらい」の東京ガスショールームをお借りしての建築模型展「建築家31人x3works vol.16」が、にぎやかなうちに終了しました。

今回は、珍しく31会メンバーの半数による展示会となりましたが、会場に余裕ができた部分を、セミナーエリアとして活用できました。
土地探しや多世帯のセミナーにはわざわざ足を運んでくださった方もいらっしゃり、意味あるイベントにすることができました。
ありがとうございました。
建築家31会での建築展示会は、多くの方に建築家の仕事を知っていたいただきたい、お住いを造る楽しさや意味深さをお伝えしたいとおもって、開催しています。
今年の3月には、新宿パークタワーで。6月には横浜赤レンガでの展示会を。
また、建築家31会の少数メンバーによる展示会も開催しています。
来週には中央線エリアの建築家の会を、
4月には東急東横線エリアに向けての自由が丘建築家サロンというものも予定しています。
くわしい日程などは31会のHPで随時お知らせしていきますので、ご都合の良いタイミングでお出かけください。
たくさんの方々と建築、住宅のお話ができるのを楽しみにしています。

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 通気垂木

1月9日
監督さん、ユニットバス屋さんと現場打合せ。
現場がはじまるといろいろでてきます。でてこないように、いろいろ考えていたつもりでもやっぱりいろいろでてしまいます。
現場について屋根を見上げると、通気垂木と断熱材取り付けの工程まで進んでいました。部分的に野地板が貼られている面もあります。

軒、けらばの納まりについて監督さんと再度打合せをしました。
そして天窓があけられていました。天窓をあきらめた時もあったのですが、ついてよかったです。
きっとごろごろしながら空をみあげてくれるでしょう。

 

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 大工さんの仕事を見学

新築マンションの入居前に8畳広間の茶室を造るという「マンション茶席」の現場は、正月早々2日から大工さんががんばってくれました。
良い大工さんは引っ張りだこで、次の仕事の予定が詰まっているのだそうです。
先週のこととなりますが、事務所のスタッフさんにも大工さんの仕事の様子がわかる段階でみてもらおうと、現場に行ってきました。

丁寧な仕口の加工が求められるこのような茶室造作では、一気に仕事が進んでいくというようには見えないかもしれませんが、工事は順調です。
手間をかけて造っていただいています。

年末にはまだついていなかった欄間も組まれていました。リビングとつながる茶室です。リビングからの見え方も気になっていましたが、桐菊に源氏香崩しの透かしもきれいに見えています。

天井板も貼り始められているところで、空調屋さんが入って、空調の吹き出し、リターンのチャンバーボックスが取付けられたら一気に貼り納められる予定です。
天井板は、杉中杢の板を羽重ねで貼ってもらいます。
羽重ねによるリズムが、モダン一辺倒でない落ち着いた席を造ってくれることと思っています。

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 とんがり屋根の家 2015現場スタート

本年もよろしく御願いします。
とんがり屋根の家は1月5日より大工さんが入り現場が再開しました。
今日現場につくと…
シートが貼られていました。
屋根には24ミリの野地合板が貼られ、3階もくっきり空間がみえてきました。

150角の柱に向かって登り梁7本があつまっています。
金物、筋交いの位置の確認をしました。
3階の金物はこれからつけるというところが数カ所ありましたが、1階、2階はばっちり。

棟梁は通気垂木の1本1本を角度をあわせてカットしながら野地に留める作業中。

今日は棟梁とたくさんお話ができてよかったです。

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 欄間、給仕口、軸釘、花蛭釘

「マンションの茶席」の造作工事は、年末までに天井が張られるところまでは進めませんでしたが、造作材は組み上げられ、畳屋さんに寸法取りをしてもらいましたので、炉畳、蛭釘の位置がはっきりしました。

畳屋さんには炉畳の位置を荒床の上に墨出ししてもらいました。
床の間の天井板は目透かしに貼ってもらい、こちらは、軸釘、花蛭釘を取付済みです。
軸釘は、1間床ではありますが、三幅掛けることも想定して、中央は固定ですが左右は自在に動く可動の軸釘を、廻り縁を加工して仕組んでもらいました。

大工さんには、給仕口の火灯の型板を取付けてもらい、イメージはだんだんと姿をみせてきました。
8畳の広間ですから、給仕口を火灯とすることもないのかもしれませんが、欄間板に彫った桐菊と源氏香アレンジの図柄と相まって、女性亭主の席らしい柔らかな雰囲気になりそうです。


給仕口の高さが、クライアントの要望で少し高くなったのは、使い勝手のことからですが、プロポーション的には少し心配しています。
席の照明は天井に埋めるLEDですが、障子からの面の明かりとなります。
広間の照明としては、すっきりとしたものになると思いますが、小間であれば、突き上げ窓の体ということになるのでしょうか。
天井が貼られる前には照明ボックスも取付けられます。ちゃんと熱を逃がす換気口もつけてもらっています。

天井内には空調ダクトも配管済みです。

エアコンが席内に見えてしまっては興ざめというものです。空調ダクトからの気流は、天井内のチャンバーボックスで拡散されて、天井板と壁との間の空調スリットから室内へと落とされてくる穏やかな空気の流れとなります。

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 上棟式

12月25日
クリスマスの上棟式です。
いろいろあって、陽がくれてからのスタート。集まってくださった各業者の職人の方々。
基礎工事で御世話になった職人さんから、棟梁、鳶職人さん、足場屋さん。そして何度か現場で作業をしてくださっている設備屋さん。あと2ヶ月ほどの工事となります。よろしく御願いいたします。

やっと、本当にやっと形が見えてきました。お施主様、あと2ヶ月です。
昼の写真は、カメラマンのお施主さんとアシスタントさんが撮影してくれました。

監督と棟梁。屋根合板を登り梁に留めては、その屋根に足場をつくり、次の合板へ。

でもこの屋根面が、一番緩やかな勾配なのです…。

模型でも難しかった屋根が、出来てゆく…。
ちょっと火打梁が合わず最後までは決めきれなかったものの、皆さん怪我なく安全に今日の作業をおえることができました。
ありがとうございました。

小さなお施主さん、そこは洗面所になります。

 

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 建方 開始

12月24日
作業スタートから4時間ほど経過したお昼休みの現場。
2階の柱、3階の床梁までが立ち上がっていました。

午後からの作業は3階の床を固めるところから。

2方向からの道路斜線、北側からの高度斜線で、天空率計算で緩和をうけているものの、3階は垂直な外壁が1面しかないのです。もうこんな感じで桁が加工されて、登り梁がつくのです。
3階の柱がたちはじめたところ。

登り梁があつまる大黒柱っぽい柱が今まさに。
あえて大黒柱と言い切れないところが構造の不思議で複雑なところ。

明日の上棟、楽しみです。棟梁をはじめ、とび職人の方々、工務店の監督さん、プレカット工場の方、クレーン操縦の方。皆様おつかれさまです。

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 そろそろ断熱工事です。

「中庭を造る減築リフォーム」の現場の工程確認と工事の状況確認とともに、現場打合せに行ってきました。

お隣との隙間がないために起こった問題、補修工事も終わり、こちら側のALC外壁工事の準備もととのって、あと少し、下地金物の先行取付と中庭のサッシが取付けられれば、ウレタン吹付断熱工事にはいれます。
中庭サッシ枠も既に現場には搬入済みで、取付を待っています。

中庭取付けサッシは、天井までの大開口サッシです。
窓の上に壁がないことで、中庭を囲むような間取りのリビングダイニングキッチンは中庭とひとつながりのような場所となることと思います。
2階はカバー構法によりサッシの断熱仕様への変更が完了しています。

カバー構法というのは既存の窓を取り外すことなく窓を取り替える工法で、既存サッシ取り外しのために、外壁の解体をしなくていいので、コストを押え、工程をスムーズに進めながら、気密断熱性のある新しい窓に変えられる工法です。
ただ、既存の枠の上から新規の枠をつけるので、開口部が少し小さくなってしまいます。
写真を見ていただくと、枠が厚くなっている分、開口部分が少し小さくなっているのがおわかりになりますか。
室内には内部仕上用の竪胴縁も打たれて、断熱材の吹付けをまっています。

1階の床は、既存の床を下地にして根太を打ち、根太間にネオマフォームの成形板を入れ込むことで断熱層をつくるようにしています。
床に打たれた根太の様子が、新築とは違ってちょっと不思議な景色です。

中庭の壁となる1面には左官下地の耐水合板が貼られ、中庭のベンチ下地となる金物も埋め込まれています。のこり3面のサッシ取付を待つばかりです。

ブロックが積まれてた井戸のような部分は植栽のための土の部分です。
中庭にデッキが貼られれば、開口部は、このサイズより二廻りは小さくなる計画です。
リノベーションではよくあることですが、解体するといろいろと問題が発生するものです。
この現場でも、構造材の傷みや腐食、雨漏りが問題となり、想定外の外壁の解体や補強工事が必要となり、工程も混乱しましたが、断熱工事が終われば、後は一般的な内装工事。
遅れている工事を取り戻すように、急ピッチでしあげられるよう工程の組み直しをお願いしてきました。

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 1年検査

1年とちょっと経ってしまいましたが「猫と暮らす小さな家」の1年検査にお邪魔してきました。

猫のゆうた君は、キャットタワーやキャットウォークの梁をよく使ってくれて、高窓の猫窓からは、外を覗いたりしてのんびりしているのだそうですが、この日は、みんなのいるところでまったりしたい気分だったようです。

 
ロシアンバーチを使ったキャットタワーがこの家の中心です。積層されたベニヤの目がアクセントです。

お邪魔したのは、小雨の降るような冬の寒い日ですが、中はとても暖かい。
空気がどことなく清々しい。
高気密高断熱の仕様と漆喰の壁天井、無垢のフローリングの賜物です。そして、地下室に置いた蓄熱暖房機と外断熱された地下コンクリートの蓄熱性によるものでしょう。
1階の玄関床は、とても暖かい。
洗面所やお風呂の床タイルも冷たくない。2階のフローリング床も、ほんのりしている。住宅内のどこに行っても寒いと思うところがない。
サッシの結露も見たことがないそうです 。
この家の室内温熱環境はとてもうまくいったようです。
喜んでいただいているようで、われわれも大変うれしく思っています。

地下に設置されたこの暖房機1台で、この住宅の暖房はまかなわれています。
夜間電力を使って貯めた熱を、昼の間に少しづつ放出して、1日を暖房するという機器です。
ここから出る熱量が外断熱されたコンクリートの地下壁、1階床スラブによって蓄えられます。輻射熱となる熱量が、うまく熱源となっているように思われます。
「猫と暮らす小さな家」の現場の様子は、こちらから
http://www.guild-design.com/category/仕事/猫と暮らす小さな家/ 
 

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 お子さん誕生

「ろじのさき」のクライアントにお子さんが誕生しました。

この春に、お引っ越し後の撮影をさせていただいたままで、アルバムをお届けしていなかったので、アルバムをお渡しするのとともに、赤ちゃんのお祝いと赤ちゃんのお顔をみせていただきに伺ってきました。
そして、お子さんができたことでの大事な相談です。
お子さんができたとなると、ここのうちの階段はちょっと危ないかも。


「ろじのさき」は狭小住宅です。限られた敷地の中で、空間的な広がりを感じられるようにしていた透けた感じの階段や手摺、吹抜が、お子さんにとっては危ない場所になっています。
ということで、工務店さんにも来ていただき、落下防止ネットをかける打合をしてきました。
これが、一番ちゃんとしなければならないことですね。

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 造作工事始まりました

現場では、大工さんによる造作工事がはじまっています。

現場乗込み前に工務店さんの加工場で、仕口加工などを済ませてきていますので、現場では最終的な調整と組立てです。
エレベーターや階段の寸法の関係で、2間(3.64m)長さの物が運べなかった問題も、大工さんの丁寧な仕事と材の質の良さから、繋ぎ部分にいやな感じは残りませんでした。

8帖の茶室ですから、どうしても2間ものの材が必要です。残念ながら切断して搬入し、現場でのジョイントとなります。鴨居の赤杉は目の通った良い材です。裏側からこのようにボルトで締め込んでいます。

敷居も裏からボルトで締め込み、見えない木口には込栓で狂いを押えるように細工されています。


鴨居と柱の仕口です。木がやせても隙が出るようなことがないよう、柱に差すように彫り込んだ上に、見えない裏側では内法ボルトを使って締め込みます。
柱は天然の面皮です。天然物ですから、一本一本の癖がある面にぴたりと擦り着くように納めるのは、丁寧な技術が必要です。大工さんに感謝です。