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 基本設計完了

まだ仮の現場名のつもりですが、始まってから随分と時間が経ってしまった「敷地7坪の家」の基本設計がまとまり、クライアントから了解をいただきました。

敷地は、3方が隣地で囲まれ、間口は3mと少し、奥行きは7.5mほどの7坪で、防火地域のため耐火構造で計画します。
両国の敷地間口3.6mの計画でもそうでしたが、防火地域などで、建ぺい率が100%認められる狭小敷地では、工事用の外足場を立てるスペースも、もったいないので、外壁が敷地ギリギリになるように、足場は立てず、室内側から施工できる外壁材を検討しています。
大抵の工事では、建物の外側には足場があって、外から工事できるようになっていますでしょ。中からだけっていうのは、とても大変な事なんです。
窓も室内側から工事できるもの、いざという時のメンテナンスの検討、などなど、クライアントと相談しながらの計画です。

赤い壁が左隣の複合ビルの外壁、右は木造3階建てのお店(面しているのは2階部分)。
模型を作ってみると、ギリギリがよくわかって、設計もドキドキです。
今後の報告をお楽しみに。
これまでの様子は、こちらから
「敷地7坪の家」

 

09
29
 サッシ取付、バルコニー防水、電気配線、設備配管

「茶の間のある家_リフォーム」の現場は、順調に進んでいます。
 週に1回、現場での打ち合わせと工事の確認を行っていますが、工事は順調です。
窓周りのサッシが取り付き、バルコニーのFRP防水が終わり、電気の配管配線も進んでいます。水道ガス関係の配管も終わっていて、そろそろ断熱工事です。

 
 
お隣との境界ギリギリにある既存バルコニーを、防水からデザインし直します。
小さなバルコニーですが、洗濯物を干すにはとても大切なバルコニーです。
 
 
 
 
 
 

スイッチやコンセントは、使い勝手の良いように、そして、デザイン的には目立たぬように、図面上に寸法を入れて位置決めしています。
電気屋さんがその位置にボックスを入れてくれています。
 
 

給排水、ガス設備の配管も断熱工事前にしておかなければならないところは、完了です。
水道、温水の配管はほぼ完了しているので、漏れがないかを水圧をかけて確認しています。
 
 
この現場では、基礎のコンクリート周りは、スタイロフォームという板状の断熱材を接着密着させて、基礎断熱を行います。木造部分は、現場発泡ウレタンを吹き付けることで、隙間なく断熱層を作っていきます。

現場発泡の予定日は決められていて、それまでにやっておかないといけない工事が、順調に進んでいます。
断熱層は、隙間がないように施工することで、有効に効果を発揮します。そういう意味で、現場発泡ウレタンの吹き付けを選択することが多いのですが、吹き付け職人さんの認識が足りないと、吹き付け厚みが不足することがあります。
隙間なく施工することは当然として、そのことに十分気を使ってもらうように、現場にはお願いしてきました。

09
22
 「天ぷら天ふじ_7坪の家」が、fevecasaにピックアップされています。

9年ほど前にお引き渡しした店舗併用住宅「天ぷら天ふじ_7坪の家」が、デザインを選ぶ住宅のWebカタログ「 feve casa 」の特集記事「まとめ」で取り上げられています。

お題は「可能性は無限大!狭小住宅で広々・快適に暮らす4のヒント」です。
この狭小住宅にはぴったりのテーマです。
4つのヒントのうち2つが、「天ぷら天ふじ_7坪の家」からのもので、
ヒント2の、「吹き抜けで、とにかく光を取り入れる」 、
ヒント3の、「お風呂やキッチンにはスペースを割く」、です。
ちょっと、文章に間違いがあって、記事には、敷地7坪と書いてありますが、「天ぷら天ふじ_7坪の家」は敷地は9坪で、建築面積が7坪の家です。
どちらにしても、極小の敷地には違いないですが。
1階に建主ご夫婦が営む揚げたててんぷら販売のお店「天ふじ」があり、1階奥と2、3階が生活スペースです。
下町商店街の密集地、9坪の敷地でも、明るく広さを感じながら住んでいただけるように、建主さんと、住まい方を相談しながら作り上げた木造3階建ての住まいです。
「 feve casa 」の特集記事「まとめ」とともに、ギルドデザイン works で、
「天ぷら天ふじ_7坪の家」の竣工写真をごらんください。
ちなみに、現在、敷地7坪の家を新たに計画中です。
こちらもブログに、不定期ながら計画の様子を、アップしていますので、ごらんください。

09
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 鉄骨階段打合せ


「茶の間のある家_リフォーム」は、コンパクトな住宅です。
ここまでの工事でも、コンパクトだからできたことがいくつもありました。
コンパクト、シンプルっていいですね。
コンパクトでシンプルなのは良いのですが、別な言い方をすれば、小さい、狭小ということです。
そこをなんとか、広々と感じて住んでいただきたいので、建築家側もいろいろ考えます。
室内にあまり重々しいものを作らない、重量感を感じないような造作も、その一つの方法で、「茶の間のある家_リフォーム」では、階段を鉄骨造にして線を細く軽やかに、いわゆるストリップ階段にして抜け・透けを作るなどしています。
この日は、現場の進捗状況の確認と、鉄骨屋さんとの打合せでした。

狭い道路の住まい、小さな住宅のリフォームでは、鉄骨を運ぶのが大変です。
階段全体を組んでからでは、思い鉄骨は、搬入がままなりません。
デザイン主旨を実現するために、鉄骨屋さんとできること、難しいこと、どう搬入するかなどを打合せしました。
実は、まだ後の工事ですが、階段よりは、バルコニーの庇と物干しの加工、取り付けの方が、大変そうでした。こちらは、少し時間があるので、再検討です。
現場は順調です。外壁の構造用合板が付きました。
これで、全体が固まりました。
これまでの現場の様子は、こちらから
「茶の間のある家_リフォーム」

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 「ろじのさき」の写真がHouzz海外サイトにアップされています。

三たびとなりますが、「ろじのさき」が、また、Houzzの海外サイトの特集記事で、ピックアップされています。

「ろじのさき」は敷地面積13.6坪という狭小敷地に建つ住宅です。
建ぺい率60%のため、建築面積は8.1坪という都市に建つ小さな木造3階建ての住宅です。
多分、海外サイトでも、そんな小さな住宅とは、思いもしないで、写真だけがピックアップされているのだと思いますが。
今度は、イタリアです。特集テーマはどうも「夏を過ごす屋外の小さなスペース」とでもいうような感じです。
イタリア語の読める方、どうぞ、サイトを訪ねて内容をおしえてください。
Houzz イタリアの特集記事はこちらです。
Houzzは、インターナショナルな住宅のリモデルやデザイン・設計のためのプラットフォームです。
たくさんの住宅、建築の写真がアップされていて、一般の方が自身の住宅イメージをまとめる上で、参考になるサイトだと思います。
「ろじのさき」の竣工写真はこちら
「ろじのさき」の現場の様子はこちらからどうぞ。
 

07
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 ボーリング調査

随分と時間が空いてしまいましたが、「敷地7坪の家」では、敷地のボーリング調査を行いました。

設計を進める上で心配していたのが、この場所に杭打ち機が入るかということ。
解体後の敷地測量で、少し敷地形状が変わっただけで、計画建物が入るかどうかを心配していましたが、ボーリング調査をしないと、構造が成り立つかどうかがわかりません。
この辺りは、地盤が悪いことはわかっていて、周辺データからも、杭の支持層は30mはあるのではないかと思われていました。
支持層が深すぎる場合は、深くまで杭を打ち込むために、力の大きな杭打ち機が必要で、敷地の狭いこの場所では、大きな機械の搬入・稼働ができません。
つまり、杭が打てない可能性もあり、 そうなると、鉄骨造での計画は難しくなりかねません。
これから出てくるボーリング調査結果をもとに、構造設計者が判断をしてくれます。ここでは、われわれ意匠設計者は、構造の判断待ちです。
下の写真は孔内水平載荷試験の様子です。

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 「ろじのさき」がベスト・オブ・ハウズ 2016 デザイン賞に選ばれました。

Houzz(ハウズ)は、アメリカから広がった世界最大の住宅デザインプラットフォームです。昨年から、日本でもサービスが開始されました。
Houzzでは、Houzzコミュニティーで最も人気を集めた作品に対して、毎年「ベスト・オブ・ハウズ デザイン大賞」が送られるのだそうですが、先月末に選ばれた今年の大賞に、「ろじのさき」が選ばれました。
「ベスト・オブ・ハウズ デザイン大賞」では、カテゴリ分けされて、「ろじのさき」は、デッキ部門で選ばれたようです。

Houzzには、登録はさせていただいていたものの、あまりサイト内での活動はしていなかったので、突然の受賞に驚いたくらいです。
世界中のたくさんの方々に、興味を持っていただき評価頂けたようで、 嬉しい限りです。
Houzzさんからは、こんなバックも頂きました。現場打ち合わせに資料を運ぶのに良さそうなバッグです。
どうもありがとうございます。
ギルドのHPに紹介している「ろじのさき」はこちらから。
「ろじのさき」の現場の様子などはこちらから。

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23
 落下防止ネット

階段や吹抜け回りには、安全のために手摺をつけますが、手摺のデザインもいろいろあります。低い壁にしたり、その壁の厚みを利用してCD収納の手摺にしてみたり、木製の格子で見え隠れさせたり、すっきりとスチールのフレームだけだったりします。
それらは、その住宅のデザインのなかで、クライアントとの打合せやデザインコンセプトを考えた上で、ベストとなるスタイルを提案しています。

5年ほど前に竣工した「ろじのさき」では、スチールのフレームだけの手摺とすることで、スタイリッシュなデザイン、抜け感や立体的な広がり感を、都市的な狭小住宅への対応として、提案しています。
この手摺は、若いご夫婦だけの時は良かったのですが、昨年、お子さんが誕生したことで、とても危ないデザインになりました。
その対応として、お子さんが小さい間は、手摺やストリップ階段の抜け部分、吹抜けなどに、落下防止ネットを取り付けましょうということにしていました。

先日、ネット取り付け中にお邪魔してきました。
DIYで取り付けることもできますが、「ろじのさき」では、工務店さんにお任せしました。さすがにぴったり、しかも取り外し後もきれいなように考えてくれています。

これで隙間は安全ですが、まだまだ、やっと立ち上がれるようになった理久翔くんには、階段の入り口にもフェンスが必要です。
 

04
27
 お引渡後のご挨拶に伺って来ました。

お引渡ししてまだ一月経たない頃でしたが、手直し工事の確認もあって、「とんがり屋根の家」にお邪魔してきました。
工事コストを押えるため、家具類は必要最小限におさえ、引越の後、施主自身で作り込まないといけないところがたくさんある計画でした。
キッチンはステンレスカウンターのコンロとシンクのみで、食器や調理器具の収納は施主の手作り組立てに残してありました。

工務店さんのキッチン工事はここまででしたが、

壁のタイル張りから、壁付けの棚、カウンター下のワゴン収納、タオル掛けまで、しっかりでき上がっていて、もう生活が地に着いた感じです。
クロゼットの棚とハンガーパイプ、駐車場収納の扉まで、でき上がっていました。

さすがに駐車場の収納扉は、友人の家具屋さんに頼んだのだそうですが、コストを押えながらも、考えた造りになっていました。

 
荷物の多いご家族なので、まだ片付いていないかと思いながらお訪ねしましたが、必要な家具を作り込んで、思いのほか片付けが進んでいらっしゃいました。

ご主人のガンプラも納まっています。
竣工写真は、カメラマンでもあるご主人が、引越前と引越後荷物の片付けが一段落したところで撮影してくださいます。
こちらでもアップしていきますので、お楽しみに。
工事中の「とんがり屋根の家」の現場のようすはこちらから。
竣工時の様子は、こんな感じでした。


 

03
12
 築46年木造リフォームのプロジェクトが始まります。

築46年になる木造住宅リフォームのプロジェクトが始まります。
これまでも何度かのリフォームがされていたようですが、今回は、暖かく、建物の長寿命化を図るための、全面リフォームとなります。
プラン提案を受け入れていただいたところで、まずは、建材のことを知っていただこうと、ショールーム廻りをしてきました。
住いについての情報は、ネットで探そうと思えば簡単に手に入るようになりました。一方で、かなり氾濫している感も否めず、目的を持って探さないとかえって混乱するくらいです。
ショールームで商品、建材を見たいただきながら、説明をさせていただくのですが、実際のものを見て触って、体感していただくことが情報だけに偏らない判断基準になると思います。

最初はわかりやすいところから。YKKapの新宿ショールーム。
ガラスの違いやサッシの違いよる熱の伝わり具合を、窓を触ることで確認できるようになってます。
ガラスとサッシが変わると、これだけ違うってことがわかりやすいです。
さわっていただいたのは、夏の窓。
これをサーモグラフィーで見てみるとこんな具合。

左がシングルガラスのサッシで、右にいくほどサッシの性能もあがっています。青が室内の壁の状態。赤い色ほど外の熱の影響を受けています。
TOTO のショールームでは、浴槽の大きさ、お風呂の広さ、便器のデザインや色の具合、洗面器や水栓のデザイン、シャワーヘッドの具合、キッチンカウンターの高さなどなど、使い勝手や実物のデザインを体験して、今後の検討材料としてもらいました。
シャワーヘッドのコーナーでは、ヘッドの違いによる使用水量の違いを確認できるコーナーがあるのですが、お子さんたちは、水が出るだけで楽しいみたい。

キッチンや衛生陶器、タイルなどがリーズナブルな価格のサンワカンパニーにもいってみました。
価格的にとても魅力的なお店で、デザインも無駄なくまとめられているので、お勧めすることも多いのですが、まずはこれからいろいろと考えてもらう、とっかかりになればいいと思っています。

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 セルフビルド

「とんがり屋根の家」の現場の足場がはずれ、とんがり屋根の姿が見えて来ました。
室内には、プラスターボードが張られることで、室内ボリュームが見えてきました。


3階へ向う階段からは、とんがり屋根の裏側、上昇する室内空間がわくわくさせてくれます。

ボードは、工務店さんがとてもきれいに張ってくれました。このまま仕上でもいいくらいです。
 
「とんがり屋根の家」は狭小敷地に建つ小さな3階建て住宅です。
小さな敷地でも、世田谷の良好な公園が近くにあって、子育てに良く、忙しく働くクライアントにも、充実した都心での生活を過ごせる絶好の敷地です。
ちょっと土地に予算がかかった分、建築コストを下げるために、この現場ではクライアントのセルフビルドが検討されました。
手作業の好きな方でないと、セルフビルドはつらくなることが多いのですが、今回のクライアントは、ものづくりの経験が豊富な方なので、大丈夫そうです。
室内がある程度進んだところで、工務店さんが一旦抜けて、施主工事の始まりです。


今回は、壁天井の塗装工事が、施主によるセルフビルドでまかなわれます。
プラスターボードのジョイント部分には寒冷紗張りをすることで、塗装の割れを押えます。塗装のセルフビルドは、寒冷紗を張るところから始まりました。
次に、ボードをとめているビスのヘコミをパテで埋めて、ペーパーをあて、平らにならす作業を繰り返した後に、塗装となります。

天井塗装、特に下地づくりからはとても大変なのですが、そこもがんばってくださるということになりました。
工務店は、キッチン廻りの工事が続いて入るということなので、キッチンの壁は先行して仕上げていました。

なかなかきれいに仕上がっています。期待できそうです。
この日で施主工事はおよそ3日目。まだ先は大変です。たのしんでいただけるといいのですが。
これは施主工事ではありませんが、ルーフバルコニーの赤い屋根が、なかなかきれいでした。

 

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28
 とんがり屋根づくり_赤い屋根

無事に検査機関による中間検査を終えた日に、「とんがり屋根の家」のとんがり屋根が葺き終わりました。
その様子をお伝えします。
24ミリという相当厚い構造用合板を使って屋根面の剛性をつくった上に、ポリスチレンフォームによる外断熱と通気層を造っている工事の様子は、「とんがり屋根の家」前々回のブログでお伝えしましたので、そこから先の様子です。
通気層の上に12ミリ厚の野地板を打ち、再び構造用合板を止めたようなマッシヴな姿に。

野地板の上に、まず防水材であるアスファルトルーフィングを敷き詰めていきます。
ルーフィングを葺くところからが、屋根屋さんの仕事となります。
「とんがり屋根の家」のように急勾配な屋根では、屋根作業のためには、まず屋根足場という屋根作業用の足場造りから始めます。
「とんがり屋根の家」の屋根は、彩色セメント板、いわゆるコロニアルです。コロニアルの場合は、ルーフィングの後は、屋根の端部(ケラバ)や、登り棟部分に板金による雨押さえ材を取付けていきます。


軒先に水切り板金を取付けた後、コロニアルを軒先から重ね張りしていきます。基本的にルーフィングから2枚のコロニアルが重なって屋根となります。(一部は3重になります。

屋根葺きは三日くらいで棟まであがりました。
なかなかの急勾配です。「とんがり屋根」の所以です。
 
急勾配で大変ですねと、屋根屋さんに声をかけると、「どこもいっしょだから」という答えが帰ってきました。
確かにそうでした。お隣、先お隣と見渡してみれば、どこも北側斜線がしっかりかかっていて、同じような勾配です。みんな3階建てののっぽ住宅、これが東京の今の街並でしょうか。
とんがり屋根の家となる寄せ棟造りでは、小屋裏換気が棟や軒からは、とても造りづらい屋根です。
外壁足もとにある土台の壁内通気孔から、外気が入り、外壁や屋根からの熱気や湿気を逃がしてくれる大切な逃がし口です。屋根の途中、上の方につけてもらっています。

屋根材としてはガルバリウム鋼板を選ぶ事が、私の場合ほどんどだったのですが、
今回のコロニアル。「おうち」度は断然あがりますね。