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 1年検査

「父娘で暮らす大屋根の家」の1年検査に伺ってきました。
季節を一回りすることで、乾燥や湿気、冷暖房などの負荷が建物にかかり、住まいに歪みが出るものです。その一巡の後で不具合が見つかれば、その部分の手直しをするための検査です。

このお宅は、お引き渡しから半年くらいの時に、階段踊り場の板が割れたり、ウッドデッキに染みが付いたりして、一度、メンテナンス工事に入ってもらっています。
その時に、ドア閉まりの不具合などの調整をしてもらっていたので、今回の1年検査では、新たな問題などは見つからず、検査を終えました。

 

ウッドデッキのシミは、デッキ材自体の退色や全体的な汚れなどで、目立たなくなってきていました。
 
 
 
 
半年目の時から、様子を見て1年検査の後に手直しを行うことにしていたドイツ漆喰の入り隅部分のひび割れへの補修工事をさせていただくこととなりました。
もう一つは、重すぎる木製サッシの調整が残りました。窓ガラスが大きいということもありますが、気密パッキンがしっかり効いてるためでもあります。
木製サッシ屋さんの都合が、検査日程に合わせられなかったため、後日伺って確認してもらうこととなりました。
設計者としたは、工事の不具合もさることながら、1年生活をされた上での居心地や住まい方の具合が気になるところです。

「父娘で暮らす大屋根の家」は、高齢のお父様のことを考えた動線や断熱性の高さ、父娘の間での、プライバシーやべったりとならない適度な距離感のある生活空間を考えた家です。
他にも、こんなものがあったほうが便利じゃないですか、という提案をいくつもしています。そんな物事の確認のためにも、1年検査をさせていただいています。
酷暑の日の仕事から戻った時の室内の涼しさ、リビングの開放感、フローリングの木の感覚、個室につけた洗面コーナー、収納の量、キッチンの使い勝手、脱衣室のタオルウォーマー、ルンバくんの様子、室内干し用ワイヤー、来客の反応まで、どれも良い評価をいただけました。

 
クライアントの部屋につけた洗面コーナーは、お友達からも羨ましいと言われているほど、作ってよかったコーナーで、とても便利に使っているそうです。
 
 
 
 
 
 
 
 

 
雨が降りそうな日、仕事に出かける前には、室内干し用のワイヤーを使っているそうです。
なくては困るものになっているとか 。
 

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 木製サッシ、バルコニー防水、外壁通気など

少し前になりますが、木製サッシも既に取付けられて外壁造の準備は完了です。
梅雨入りが例年より早かったためか、「父娘で暮らす大屋根の家」の現場は、外壁工事がなかなか進みませんが、梅雨の晴れ間があるたびに、少しづつですが進んでいます。

このサイズになると、木製サッシもちょっと重く、女性ではたいへんかもしれないという重さに、ちょっと戸惑っていたのですが、天気がよくなると動きが軽くなりました。湿気の多い雨の日は、木部が膨張するからなのでしょうか。
バルコニーの防水も完了しています。
写真は排水溝とオーバーフローの穴です。
バルコニーには、オーバーフローは必需品です。普段はほとんど使われることのない穴ですが、万が一、排水口が葉っぱなどで塞がれて、水が流れなくなった時には、無くてはならないものとなります。

外壁では、壁内にたまって結露するかもしれない湿気と外部からの熱を逃がす外壁通気層のための通気胴縁が取付けられてきました。

下の写真は、外壁と屋根の取合い部、ケラバの屋根垂木に開けられた穴です。
外壁からあがってきた湿気や熱気を屋根内にまわして、屋根の通気層から排出するための穴です。 上の写真にも屋根板金の下端に少しだけ見えています。

軒の板金工事もほぼ完了です。
玄関ポーチの庇には、内樋がつけられています。軒先の薄い庇ですから、内樋も深さはギリギリを樋廻りは、FRP防水で包まれています。

2階寝室の出窓の庇も、もう既に板金が葺き上がっています。
大きな庇ではないので、板金1枚による吹き上げです。なかなか、ハゼが無いのってのは、なかなか小気味いいものですね。

 
 

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 木製サッシの確認

地鎮祭もすみ、そろそろ現場が動き始めますが、リビング窓の別提案を考えています。設計図面上では、アルミサッシになっているのですが、リビングからの見え方が、少しやさしい感じにできないかと思い、木製サッシの提案を考えています。
アルミサッシの防火対応品の仕様が一新して、価格が一気にあがった事で、防火に関わる場所では、木製サッシとの価格差は随分と少なくなりましたが、やはり木製サッシは、高価な窓です。
最近は、木製サッシを提供する会社さんも多く、価格も含めかなり選択肢が増えてきているようにも思います。ただ、木製サッシといっても、どこのものでもいいと考えていると、性能、デザインで、心配になります。
江中建設さんの推薦もあって、キマドさんの営業所を訪ねてきました。
代表の木原さんが対応してくださり、興味深いお話をする事ができました。
どちらも外側からの見え方で、写真を撮っています。左奥がスマートエコのシリーズ断面、手前が価格をおさえたスマートライン。外部に見えてくる木枠部分は、今は素材が違って、パイン材のサーモウッドに変わっているとのこと。

営業所に置いてある窓の種類は少なく、しかも、現行商品とは、金物が違っていたりとかで、検討している窓そのものを確認する事ができなかったのは残念でしたが、どんな風に見えてくるかのイメージをつかむには十分でした。
検討している引違いがなく、それに近い納まりの、一本引きの写真を撮ってくるのを忘れてしまいました。 それも、展示してあるサンプルより、もう既に進化しているとの事です。
今の一押し商品は、外部に遮熱シートを取付けられて、障子が回転するこの窓だそうです。ベルックスの天窓と似た動きです。シートの納まりはベルックスの方がスマートかな。

ちょっと変わった窓としては、こんな開き方のものがありました。
言葉での説明はちょっと難しいですが、障子が二つに割れて、写真のように平面的には三角な形で開く窓です。金物もとてもシンプル。日本ではクレームをつけそうなクライアントもいそうですが、シンプルなのが壊れにくくて一番。壊れても直しやすい。ちょっと楽しい窓です。外国の方に売れているそうです。

ここの窓なら、すっきりと見せられそうです。
使うためには、工務店さんを通してお見積をお願いし、建主さんとの予算調整を検討しなくてはなりません。