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 9年目のメンテナンス

ちょうど9年前にお引き渡しした鉄筋コンクリート造4階建ての住宅「南麻布の二世帯住宅」のクライアントから連絡があり、メンテナンスの相談に伺ってきました。

 
 
 
10年が、ひとつのメンテナンスチェックのタイミングなので、ちょうど良いくらいの時期です。
この住宅は鉄筋コンクリート造で、東日本大震災の時にも揺れが気にならないくらいしっかりしていて、今は外壁が少し汚れているくらい、室内はとてもキレイで、家具や建具にも問題がなく、手を入れるところがないくらいなのですが、こういう建物でも、痛み始めたのはシーリング周りでした。

特にこの御宅は、3方をビルに囲まれた西向きの家で、西向き窓や屋上の防水のためのシーリング材は、強い西日の影響で、ひび割れができ、かなり痛んできていました。今はまだ雨漏りをしていたりはしないのですが、このまま放置するのは心配が残ります。
さらに、バルコニー手すりの笠木といわれる部分もモルタルがひび割れて、コンクリートから浮いていたり表面劣化しています。
シーリング材は、保証期間3〜5年ほどで、耐用年数は一般的には7〜8年程度です。紫外線があまり当たらないようなところでは、10年くらいはしっかりしていますが、やはり西日を強く受けてしまう部分は劣化進行しています。

 
それと、この住宅の竣工時は、お子さんがまだ小さかったので階段手すりにネットを張っていました。
お子さんも大きくなったので、そろそろネットは取りたいということなのですが、これに慣れると、ちょっと透けすぎていて心配だということで、手すり子を追加することになりました。ちょっと少なすぎましたでしょうか。

「南麻布の二世帯住宅」の竣工写真はこちらから

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 木造・S造・RC造 現場リアルイラスト帖

10年ほど前になるでしょうか、出版社 X-Knowlege さんのお手伝いをして、まだ現場経験の浅い若い建築士さん向けに、建築現場の様子、現場を監理するポイントを、解説する「建築知識」の特集を作っていました。
木造、鉄鋼造、コンクリート造、それぞれの構造について、工事現場、加工所などに取材に行い、記事だけでなくDVDにまとめ映像を通して、現場の生の様子を知ってもらおうという企画でした。
当時は木造、鉄骨造、コンクリート造は、それぞれ別々の月間誌の特集記事でしたが、人気があったようで、DVD付きの一冊の書籍になり、何度か加筆、変更が加えられ、出版されていました。
今回は、装いも新たに新しいメンバーで作り変えたそうですが、鉄骨造だけが、10年前の再録というかたちで出版されたので、そこにだけ、ギルドデザインのクレジットが入っています。
以前ものより、ずっと詳細な解説が増えて、より理解を助けてくれるように出来上がっているので、若い人たちには良い書籍だと思います。
ギルドデザイン磯村が出ているのは、DVDの映像部分ですが、とても恥ずかしくて、最後までみられませんでした。