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 紀州材見学

建築家31会の秋の遠足、というわけでもないのですが、先日、成田でおこなわれた紀州材の競り場を訪ね、和歌山から来られている材木商の方々にお話を伺い勉強させていただく機会がありました。

国産材木の普及が課題となって随分となるのですが、紀州では、利用可能な人工植林が県土の30%強程にもなり、その利用を待っているような状態のようです。
国産材利用と森の保護については、温暖化の問題、自然災害保護、サステイナブルな循環型エネルギーへの対策など、我々建築家としては、小さいながらも力になれるはずです。
今回の見学では、特別そういった話があったわけではなく、紀州材の美しさや強さをみせていただきました。
和歌山県という気候と土質からということですが、紀州材は構造材としての強度が強く、杉材でヤング率は国基準の2割増、剪断強度では2〜3倍もあるのだそうです。
市場に並ぶ木材の目の美しさも、紀州材ならではということです。温暖なイメージの紀州ですが、木目の巾が詰んでいて美しく、強度も出るということです。

市場の見学の後、2010年の日本建築家協会賞を受賞した新木場の材木会館を訪ねることができました。
館内を案内いただき、すばらしい木材利用の建築を堪能させていただきました。


最後は一日を締めくくる集合写真。

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 解体中

「中庭を造る減築リフォーム」の現場では、雨漏りが激しく傷みのひどい西壁の解体が一段落し、ようやく屋根が解体され中庭になるエリアが見えてきました 。

この住宅は、15年程前に増築改装することで、1階の床面積はとても広がったのですが、建物の中心にあるキッチンやダイニングが暗く、風の流れも良くないようになっていました。
少し広すぎる1階の床面積を見直して、屋根を壊して中庭を造ることで、ダイニングキッチンに自然光やさわやかな通風を届けようという計画です。

この日は、クライアントにも来てもらい遅れている工事に対して、改めて組み直した工程を説明したあと、造園屋さんに現地確認をしてもらい、この中庭に適した樹種や中庭デッキ下の土場についての助言をもらいました。

既存外壁での雨漏り箇所が、外壁のひび割れた部分だけでなく、サッシ廻りの収まりの悪さにもあるということが見つかりました。
雨仕舞が悪く、ほとんど外部にさらされていたような鉄骨柱の足下は、錆のために グズグズになっていました。
外壁解体し復旧したの後、柱の入れ替えをするのですが、外壁ができ上がるまで、垂直荷重を受けるように、かなりな仮止め鋼ですが、とりあえず2階床を支えています。