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マンションのスケルトンリフォームの事例「アジアンテイストリフォーム」の玄関写真が、住宅やインテリアの情報サイトHouzzの特集記事に取り上げられていました。
特集は、「2020年のトレンド色『クラシック・ブルー』をインテリアに取り入れるなら?」というタイトルで、パントーン社が選んだ2020年の色「クラシックブルー」をインテリアに効果的に取り入れるための方法を、事例写真とともに紹介しています。
その事例写真の一つに、「アジアンテイストリフォーム」の玄関の写真が使われています。
ギルド・デザインの室内の色は、漆喰や珪藻土などが多いこともあり、白系の色が基調となりますが、室内にアクセントを設ける時に、木やタイルや着色壁をかんがえることがります。
この住宅でも、クライアントからのご希望を踏まえて、玄関の壁を色付けています。
Houzzの特集記事の中に、このジャパンブルーとの色合わせでは、グレーなどの落ち着いた色合わせとは別に、少しアクティブに合わせるには、補色であるオレンジやイエローを使うと良いという記述があります。
実は、この玄関にもイエローが使われていて、ジャパンブルーと対峙しています。
「アジアンテイストリフォーム」の玄関は、ご近所さんがいらした時に、ちょっと腰を下ろしていただけるような畳床があり、お雛様が飾れるような飾りの間と名付けている場所です。青と黄色の組み合わせによる少し高揚感のある玄関になっているということですね。
「アジアンテイストリフォーム」は、ずっと東南アジアで仕事をされてきたクライアントが、リタイヤして東京に戻られた時の住まいとして、下町のマンションをリノベーションしたお住まいです。
クライアントが、東南アジアで購入された透かし彫りや小物たちを、活かせるような間取りの工夫に加え、アジアの素材としてのチーク、漆喰などの自然素材をつかっています。
「アジアンテイストリリフォーム」の工事の様子などはこちらからご覧になれます。
blog>アジアンテイストリフォーム
横浜市は、崖が多いとよく言われます。
東京だって自転車で走っていると、結構アップダウンはあるのですが、横浜で仕事をしてみると、山を削って宅地に広げていった歴史を感じてしまうほど、アップダウンや崖にたくさん出会います。
この崖地の既存住宅を二世帯住宅に増改築する計画の敷地も、数十年前に造られた擁壁の上に建っています。
数十年前となると、時代的な雰囲気もあってのことと思いますが、擁壁の完了検査は受けていないようです。そうなると、擁壁上での増改築ついては、安全性のために、いろいろと検査・調査が必要で、結果によっては、制限もかかってきています。
擁壁上に建てる建築については、基礎の作り方や杭などの地盤対策により、擁壁に負担をかけずに建てることが可能ですが、つい先日も葉山で、崖が崩れて死亡事故となったように、擁壁自体の安全性への検証も必要です。
既存擁壁の高さは5m弱となるのですが、横浜市には、高さ5mまでであれば、擁壁上にある敷地の建築計画に対して、擁壁の安全性を確認するための調査指針がつくられています。
擁壁の内部構造の確認となると、大変な調査となりますが、基本的に外観調査による確認で、一定の結果が出るようにまとめられているので、とても役に立ちます。
その調査票に基づいて、擁壁の外観の異常、擁壁の角度、水抜き穴のサイズや数、裏込め石の状況、擁壁上の排水状況などの調査をおこないました。
水抜き穴のサイズは75Φ程度で、擁壁面積に対してどのくらいの数があるかを確認しています。水抜き穴からは、間知石の裏込めの様子をカメラで確認しています。
この写真は、間知石の角度の確認。間知石積みの擁壁の場合、高さにもよりますが、65度以下であれば、一般的で安定していると考えて良いようです。
この現場の角度は、70〜74度程度の角度で、やや急な角度ではありましたが、問題となる程ではありませんでした。
目視での擁壁状態の調査としては、不同沈下や表面の膨らみ、横割れや縦割れの有無、擁壁上端部分での排水の状況などにいての評点をしています。
いずれも大きなマイナス点にはならず、横浜市の調査指針に基づけば、「外観上の異常等がすくない」という判定となりました。
調査結果は、報告書にまとめ、増改築の確認申請のための添付書類の一つとして、建築指導課へ提出しています。
お手伝いしている老人ホームが上棟して、屋根の野地板が張られ構造金物がつくという予定で、金物取り付け状況と中間検査の予定確認のために、構造設計者、元請設計事務所と共に、現場へ伺ってきました。
規模は大きいですが、木造平屋のこの建物でも、構造で検査することは、住宅と変わりません。
基礎と土台をつなぐアンカー、柱や梁に着いた引き抜き防止の金物、筋違の固定金物、屋根の水平剛性を確保するための火打金物や構造用合板の取り付け状況の確認です。
各部に使われている金物類の強度や取付位置・方法が、構造設計図どおりであるか、合板を止めている釘の仕様やピッチに間違いはないかなどを、細かく確認します。
外壁部の基礎部分と室内の間仕切り壁との取り合い部分で、高さの違いは、室内の基礎は、床仕上がりより低くするために下がっています。
外壁は、地面からの湿気などから土台を守るために高さが必要ですが、室内は、地面レベルからできるだけ床を上げずに、バリアフリーを実現するために下げたものです。
高さの段差とは別に、基礎コンクリートの側面にも段ができています。
これは、断熱材を必要とする外壁基礎と室内基礎の仕上げの厚みを調整するための段差です。
基礎断熱をするこの現場では、床下に気密性を作ることが重要です。
土台と基礎コンクリートの間に隙間ができては、外部との気密性が保てません。写真からは、基礎コンクリートと土台の間に、気密のためのパッキンが入っている様子がわかります。
ホームの個室の窓がこの柱間に開いてきます。
外構工事が進めば、竹林が美しく見えてきそうです。
実は、写真を見てお分かりかと思いますが、金物の取り付け工事が遅れており、この日の検査は、十分にできませんでした。構造設計者には申し訳ないのですが、再検査をしなくてはなりません。
うっかりしていたというわけでもないのですが、ご報告です。
一昨年に続いて、今年も「Best of House デザイン賞」をいただいていました。
賞をいただいていたのは、デッキ部門で、一昨年と同じく、都内の狭小住宅に作ったプライベートなデッキバルコニーで、「ろじのさき」という住宅のものです。
「ろじのさき」は、建築面積が、8.2坪程度しかとれない敷地条件の中、プライバシーを守りながら、リビングダイニングとバルコニーの水平方向のつながりや、吹抜による垂直方向への広がりをつくり、住宅密集地でありながらも、敷地周辺の状況を考えることで、陽射しや風通しを確保した住まいです。
つい先日、この「ろじのさき」は、Houzzのデンマークのサイトでも特集記事に取り上げてもらっています。
「リラックスとインスピレーションを与えてくれるテラス」というような事例で、「ろじのさき」は、日本の禅のイメージを与えてくれる空間として選ばれたようです。
そのデンマークのサイトはこちら。
Billedskønt: 15 terrasser får os til at drømme om sol og sommer
「ろじのさき」の竣工写真はこちらからご覧になれます。
works>ろじのさき
「ろじのさき」の最近様子や工事の時の様子は、こちらからご覧になれます。
blog>ろじのさき
ブロック壁の安全性については、以前から問題にされていたことではありますが、2018年の大阪北部地震の事故以来、既存のブロックについてもきびしく安全性の確認が求められるようになっています。
以前は、2段ほどのブロックによる土留めについては、暗黙的に認められていたものですが、ブロックによる土留めの基準がない以上、1、2段の低いものでも土留めとして使うことは、許されなくなっています。(特定行政庁による違いはあるかもしれません)
この増改築現場には、既存の外構部分に、土留めのブロック積みやフェンスの基礎部部にブロックが使われています。その既存フェンスやブロック積み部分の現状報告が、役所より求められました。
既存竣工時の確認申請図書には、ブロック積みの状況は、何も記されていませんので、ブロックの非破壊調査によって、鉄筋の有無と位置を確認できる範囲で調査し、土を被っていたブロックについては、土地を撤去するなどの対応策を記した報告書を提出しています。
「大きな吹抜と木のぬくもりに集う家」は、床下エアコンと蓄熱と輻射熱を有効利用するアクアレイヤーを取り入れた住宅です。
床下を廻る暖気を、スムーズに床下全体に行き渡らせるために、基礎の作り方にも工夫を加えていますが、アクアレイヤーが蓄熱し熱伝導をスムーズにおこなうことで、1階はどこに行っても床暖房が効いているようで、浴室やトイレで寒いと感じることのない住宅です。
2階へは、リビングの吹抜けと階段室の吹抜けを通して暖気は上がりますが、奥の部屋へは、循環ファンによるダクトが暖気の周りを助けます。
延床面積が50坪を超える比較的大きな住宅ですが、床下エアコン2台で、建物全体のどこに行っても暖かい家にしようとしています。
そのためには、断熱性・機密性の高い住宅に仕上げ、小さなエネルギーで実現することが肝要です。
長期優良住宅の認定も取る予定です。省エネ性能を計算しました。
住宅の省エネ基準は、それぞれの地域によって決められており、「大きな吹抜と木のぬくもりに集う家」の地域区分は、5地域です。
基準値は、
1、建物の外壁や屋根、床などからどれだけ熱が逃げるかという数値=外皮平均熱貫流率(UA値)
2、冷房期にどれだけの日射が室内に入って来るかを示す数値=冷房期平均日射取得率(ηAC値)、
3、家全体で使われるエネルギー量の基準値との比較値=一次エネルギー消費量、
長期優良では1、2が、基準値をクリアしていることが必要ですが、今回は、3も加えて、ZEH住宅との比較をしてみました。
外皮平均熱貫流率(UA値)は、基準値0.87W/(m2・K)以下に対して、0.50W/(m2・K)
冷房期平均日射取得率(ηAC値)は、3.0以下に対して、1.6
一次エネルギー消費量では、0.78で、削減率は22%でした。
長期優良住宅の基準からすると、かなり良い数値が出ています。ZEH基準もクリアしています。
今回は、いつもおこなっている断熱気密の屋根部分の厚みを少し増して、大きめの窓には樹脂サッシを使っています。
普段の断熱仕様と、それほど大きく変えていないのですが、計算をしてみると、なかなかの数値が出てきました。普段の仕様でも、十分に省エネ住宅を達成できていること、少し手を加えれば、ZEH(ネット ゼロ エネルギー ハウス)レベルになることが確認できました。
お手伝いしているつくばの特別養護老人ホームの現場打合せに行ってきました。
木造の平屋ですが、建築面積が1200㎡を超えているので、基礎の面積は、なかなかの大きさです。
建設会社は、木造もよくなさっている地元では大手のゼネコンですので、現場打合せの準備も行き届いていて、現場での意匠、設備それぞれの担当者同士の打合せから、施主打合せまで、スムーズに完了しました。
この日の現場は、基礎の立ち上がり天端の均しです。
基礎の天端には、土台をのせて、柱を立てます。
基礎の天端が凸凹していると、水平に敷かれる土台が基礎と密着せず、建物の荷重をしっかりと基礎に伝えにくくなります。
特に、この現場は基礎断熱なので、床下は断熱的には室内側です。
基礎天端と土台にできるだけ隙間がないように、基礎天端は平らに均しておく必要があります。
さらに、土台を敷く前には、気密性を上げるため、パッキンをかまします。
昔は、左官屋さんが、鏝を使って、モルタルの天端均しをしたものですが、いまはレベラーという水のようなモルタルを使って、天端の水平を作ります。
写真は、職人さんがレベラーを流しているところです。
現場打合せの帰りに、少し雨が降ってきました。
せっかくレベラーで均した天端が荒れてしまったのではないかと、少し心配しながらの帰途でした。
建築材料に使われる規格としてのJIS(日本工業規格だと思っていたのですが、昨年から日本産業規格に変わったらしい)は、とても多くの建材の基準になっています。
一般の方々は、あまりご存知ないのではないかと思いますが、木の柱や梁材などの構造材や内装などに使う造作材などの木製品にとっては、JAS(日本農林規格)という規格があります。
最近は、電車内の吊広告だけでなく、テレビCMも流れているので、ご存知の方もいるかもしれません。
柱や梁の強度、含水率などを機械的に測定することで、安定した品質の木材を供給するための規格ですが、日本の林業、製材業、材木業など、旧態依然とした慣習がまだまだ残っていて、なかなかJASという制度が使われていないのが現状のようです。
公共建築では、JAS認定品であることを求めることが多いようですが、民間の木造建築、特に木造住宅における構造材では、一般的な木材強度で、十分に足りることがほとんどです。
構造の詳細設計をするギルドデザインの木造住宅でも、特別な部分の木材を除いて、ほとんど強度指定をしなくても、必要な耐震強度を満たすように設計しています。
一般品の木材の方が、価格は安く、普通の工務店さんでも手に入れやすいからです。
JAS認定製材所となるためには、測定機器の購入や定期的な査察・報告など、製材所にとって、経費が高額となるので、どうしてJAS規格品の価格が高くなってしまいます。
価格だけを考えると安価な輸入木材や未認定材を使いがちで、JAS材を敬遠してしまいますが、JAS材には、もう一つ大きな使命もあるようです。
これからの森林管理、森の資源を永続的に良好な状態で、保全していくためには、JAS規格のことを一度考え直すことが、必要なようなのです。
世界的なFSC(森林会議協議会)や、SGEC(国際森林認証制度)など、循環的な環境保全のためのシステムに対しての日本の取り組みは、かなり遅れています。
JAS材を普及させることが、森林の徹底した管理への期待につながるようです。
世界環境としての森林というと、大きな話になりますが、我々の設計する小さな住宅でも、エネルギー消費を抑え、心地よい室内環境の住まいづくりの考え方は、そことつながっていると思っています。
微力ではありますが、住まいづくりを通しても、次の世代につなげていきたいこの環境を守っていく一助となれば、素晴らしいと思っています。
昨年から設計をお手伝いしていた特別養護老人ホームの計画が、地鎮祭を迎えました。
特別養護老人ホームという建築は、ギルド・デザインにとっては初めての計画でしたので、先輩建築家のお手伝いをさせていただきながら、随分と勉強させたいただきました。
計画は、木造の平屋です。
郊外の老人ホームとしては、大きな方ではないかもしれませんが、平屋で、1250㎡を超える計画です。さすがに敷地もひろいのですが、建物の地縄が一度には見渡せないほどです。
不整形な敷地に対して、計画建物は、敷地の境界とどこにも平行部分がない配置計画です。
縄張りは、さぞかし大変だったことだと思いますが、大きな建物をやり慣れている業者さんは違いますね。テキパキとトランジットで配置の確認も済ませることができました。
「ZEH」(ゼッチ)は、Zero Enagy Houseからきたことばですが、内容は、Net Zero Enagy House ネットゼロエネルギーハウスといわています。
ZEH住宅とは、エネルギーを使わない家ではなくて、計算上、生活に使うと思われるエネルギーを、太陽光発電などから得られるエネルギー以下にする住宅です。
戸建て住宅で得られる太陽光などのエネルギーには、限りがあるので、実際には、消費するエネルギー量を、どれだけ押さえるかということがとても大切で、建物の外皮性能(外壁・屋根・床の断熱気密性能)を高めることで、冷房や暖房のランニングコストを抑え、さらに、高効率の設備システムや照明計画が必要となります。
消費するエネルギー量を低くするといっても、寒さや暑さを我慢するということではなくて、現代の快適性を改善しながら計画することが大切です。
ギルド・デザインでは、新築だけでなくリフォームにおいても、ほとんどでエコハウス、省エネルギー住宅、さらには健康寿命を伸ばせるようにと、外皮性能を向上させて、エネルギーロスの少ない家を計画しています。
今回、House Baseさんの企画で、ZEH住宅の見学勉強会があるのいうので、大先輩の浦田さんの自邸見学会に参加してきました。
浦田さんがいつも設計されている住宅は、決して大きくないエアコン1台を床下に設置(場合によっては冷房用を天井裏に追加)するだけで、夏も冬も快適で、電気代もかからない住宅です。
ご自邸は、ZEHにしているので、屋根には太陽光パネルを載せています。
実際には見送りとなりましたが、国は、2020年に省エネ住宅の何らかの義務化を予定していました。
義務化については、まだ技術的な普及が足りないということで見送られたのですが、説明報告などが、必要とされそうです。
日本の住宅の性能は、欧米の基準からするとかなり遅れています。
エコハウス、住宅の省エネ化は、これから住まいを考えるみなさんにとって、必要な情報となります。
これまでも、省エネ工法などの話題を取り上げていましたが、これからもわかりやすくお話をしていきたいと思っています。
ここのところ、竣工写真をあげていませんでした。
気がついたら、4年も前のものから溜まっていました。
久しぶりにworksを更新しましたので、ご覧いただければ幸いです。
「とんがり屋根の家」は、施主が、室内の壁天井を塗ったり、棚を作ったりしたセルフビルドのある小さな小さな木造3階建住宅です。
おかげで、とてもローコストな住宅になった、やればできる住宅です。
「とんがり屋根の家」は南東2方向が道路に面する住宅で、狭い道路のために、道路からの厳しい高さ制限(道路斜線)が2方向からかかり、住宅地であることから、北側のお宅への日差しを守るための北側斜線(高度斜線)があるために、敷地のすべての方向からの高さ制限がかかるという住宅でした。
敷地面積も15坪に満たない狭さですが、吹抜やトップライト、ぐるっと回れる動線など、広がりを感じてもらえるようにしています。
まだ小さいお子さんとの3人家族の住まいを、お母さんのお仕事スペースやお父さんの趣味コーナー、たっぷりのウォークインクロゼットなど、この家族ならではの使いさやさや個性に寄り添って、相談しながらまとめています。
竣工写真はこちらから
works>とんがり屋根の家
工事の様子などはこちらから
blog>とんがり屋根の家