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 竣工、施主検査、引き渡し

 

ブログアップが遅れていましたが、昨年末に「茶の間のある家_リフォーム」の現場が竣工し、引き渡しが完了しました。
お引き渡し前には、施主と設計事務所による完了検査をおこないました。気になる部分があったりした場合、引き渡し前までには、手直しをしてもらうためです。
どんなにしっかりした現場でも、何かちょっとした手直しはあるものです。
今回の検査でも、未施工部分と何ヶ所かの手直し部分が見つかりました。
「茶の間のある家_リフォーム」では、リフォーム特有の止むを得ない工事の遅れもあり、お引越しが年末になったため、十分な手直し期間が取れませんでした。
お住まいになってから、少し工事のお時間をいただくこととなりました。

小上がりの茶の間は、座るとキッチンと目線が合うような高さ設定にしています。
その床の段差を使った床下引き出し収納の中まで、ちゃんと確認していただけました。
引き出しは長〜く2mほどで、車のついた連結型の引き出しが入っています。
お客様の座布団や季節物をしまっておく予定です。
まだ畳の入っていませんでしたが、上の写真はその時の様子です。
普通は引き渡しの時に行うのですが、今回は検査のタイミングで、設備機器を中心に使用説明もしてもらいました。
キッチンについては、いつもお願いしてるキッチン倶楽部の高橋さんが、使い勝手やメンテナンスの説明に来てくれました。

 

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 ドイツ漆喰仕上げ

明日、内覧会を予定している「茶の間のある家_リフォーム」の現場は、もうクリーニング屋さんもはいって、一部の塗装やシーリング、畳などを残すのみですが、このブログは、少し前現場の様子、壁と天井の仕上げの様子です。 
最近は、この仕上げが多いのですが、壁と天井ともに、ドイツ漆喰の薄塗り、塗装屋さんがローラーで濡れる漆喰の仕上げです。
プラネットジャパンという会社のフェザーフィールというものを使っています。
特に小さな住宅では、壁と天井が同じ仕上げでつなっげていくのは、境目がわかりにくく、見た目には広がって見えます効果があります。
この住宅もいわゆる狭小住宅という部類です。
建築面積11坪、1階、2階の床面積を合わせても20坪弱。小さなお子さん二人と住まう4人家族の住宅です。
リフォームですから、空間ボリュームを広げるわけにはいきません。でも、視覚的には広がって見える仕掛けをいろいろとしています。この仕上げの考えもその一つです。
上の写真は、1回目を塗ったところです。
下の写真は、塗ったばかりのところで、まだ乾く前の状態。

塗ったばかりだと、結構ムラがあるように見えますが、乾いてくると1回塗りでも、白くマットな感じの漆喰感が出てきます。
塗装屋さんの仕事になるような薄塗りなのですが、 下地に紙クロスを貼った上に塗るので、割れなども抑えられるようになっています。
薄塗りとはいえ、紙貼りの上に塗った漆喰ですから、抗菌性や調湿性などが期待できます。

フェザーフィールは、色粉を入れることで、何種類か色壁も作ることができます。
ここのお宅では、少しだけ壁の色を変えて、ちょっと楽しいところも作っています。
 
 

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 オープンハウスのお知らせ

夏前から工事にかかっていた築46年とる木造2階建のスケルトンリフォームの住宅が竣工を迎えました。
クライアントのご好意により、この度「茶の間のある家_リフォーム」の内覧会を開催する運びとなりました。

解体をする事であらわとなった基礎の問題、土台や柱の痛み、給排水ガスの配管問題などなど幾多の難題は、工務店さんの力添えに感謝です。
手を伸ばすとお隣の壁に手が届きそうな路地奥の狭小敷地環境のなか、
耐震化による構造補強、高気密高断熱化、無垢フローリングや漆喰塗装の自然素材、オーダーによるミニマムキッチン、小さなお子さん二人と住まう小さな住宅は、見えるところ見えないところで、いっぱい手をかけた、家族みんながほっこりできる住まいになったと思います。
内覧会は、
12月18日(日) 13時から17時まで
場所は、東京都文京区です。
ご興味のある方は、ご連絡ください。
メール iso@guild-design.com
お電話 03-3375-3745
詳しい案内をお送りします。
建築概要
設計・監理;ギルドデザイン一級建築士事務所
施工   ;若尾工務店
構造・規模;木造2階建
敷地面積 ;49.69平米(15.0坪)
建築面積 ;36.35平米(11坪)
延床面積 ;65.83平米(19.9坪)
工事の様子などはこちらのブログからご覧になれます。
「茶の間のある家_リフォーム」

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 仕上げ工事

「茶の間のある家」のそろそろ竣工です。
引き渡しに向けて仕上げ工事が順調に進んでいます。

写真は、少し前の工事となりますが、床の仕上げ、フローリング張りです。
無垢フローリングを使うと、気にかけなければならないことがいくつかあります。
写真のように紙一枚ですが、少しだけフローリング1枚づつに隙間を作りながら貼らなければなりません。
無垢の木は、空気中水分の吸放湿をおこないます。その時の伸び縮みを考えておかないと、激しい場合は、床全体がむくりあがったりします。ノリがよくなったから大丈夫などと侮ってはいけません。木の力はとても強いです。その力を逃す紙1枚です。
壁際にも細工がしてあります。少し壁の中にフローリングが伸びてもいいように、少しだけ隙間を作っています。

今回の工事では、大工さんに、とてもお世話になっています。
キッチンの吊り戸棚や釣り棚板もとても大変でしたが、子供室の机と収納がセットされた2段ベッドも大工さんの手作りです。
しかもクライアントからは、子供が大きくなったらバラせるようにしたいという要望も叶えてくれました。
この写真を取った後、塗装屋さんが仕事をしやすいようにと、2段ベッドをバラしいました。
小さなお家ですが、家族が楽しく住めるようにと、クライアントと綿密な打合せをしながら進めてきたリフォームです。
12月18日には、オープンハウスも予定しています。
実物を是非ご覧ください。
これまでの「茶の間のある家」の現場の様子はこちらから。
「茶の間のある家_リフォーム」

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 内装下地工事すすむ

「茶の間のある家_リフォーム」の現場の報告が遅れました。
現在は仕上げ工事に入っていますが、大工さん工事になった少し前のご報告です。
小上がりの茶の間とキッチンを、床にレベル差を作ってつなぐキッチンカウンター部分は、キッチン倶楽部さんによるオーダー製作品で、先日の鉄骨階段に続き、このキッチンが取り付くことで、 他業種さんとの取り合い部分が収まって、大工さんがトントンと作業を進められるようになりました。

天井の野縁が組まれ、間仕切り壁や大工さん手作り家具や、家具と絡んだ建具溝なども掘られています。


大工さん造作家具の良いところは、下地と一体になる造り方によって、家具が建物と一体のように見える点。家具工事の家具だと、置き家具とは違っても、建物に埋まるようには作れません。

上の写真はキッチン倶楽部の作ったキッチンカウンター上に、大工さん造作の吊り戸棚を吊ってもらっているところ。単純な吊り戸棚だけど、棚板を4段ほど入れ違いに吊ってもらいます。一段づつボルトでレベル調整しながらの作業は、面倒見の良い大工さんならではのこと。感謝です。
照明器具のためのライティングダクトは、本来電気工事ですが、壁から出っ張るのは嫌だから、壁に埋めてもらいます。
これも大工さんが、下地を作る時に一緒に入れてくれます。

いろいろと、大工さんに面倒見ていただいています。

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 基本設計の確認

「アジアンテイストリフォーム」の計画が、基本設計を終えました。

いわゆる基本設計レベルの設計段階は、少し前に完了していたとも言えるのですが、リフォームの計画の一つの特徴でもあるのかもしれませんが、断面図や立面図がない代わりに、少しづつでも展開図(室内の壁の様子を描く図面)を描き進めていました。
「アジアンテイストリフォーム」のクライアントは、現在、海外にお住いのため、スカイプでの打合せで内容の確認もしてきましたが、やはり細かいこと、手触り感や素材のテクスチャーは実感できないものです。
そこで、帰国されるタイミングを待って、フローリングや壁の漆喰サンプルなど、実際に仕上げ材料をみていただき、基本設計の内容を確認していただきました。

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 家具の確認 クライアントのイメージとは

「型式住宅のリフォーム」のクライアントは、今でもとても綺麗なお住まいで、水回り設備の老朽化による更新やEV設置の必要性がなければ、リフォームしなくてもいいのではと思えるほどです。
家具類や小物、食器に至るまで、質の良いものをお持ちで、リフォームされても、やはりそれらの家具は、お使いになりたいとのことでしたので、それらの印象から、少しクラシカルなお好みが強いかと思って打合せを始めていました。

そんなクライアントとのデザイン打ち合わせの中で、家具と出会うことで、デザインの検討方向が修正されるということがありました。
気に入った家具があるので、見て欲しいと言われ、アルフレックスの河口湖ショールーム「カーサミア河口湖」へ行ってきました。

そこで見せてもらった気に入った家具というのは、ジオ・ポンティの家具でした。

設計をさせていただく時には、お住まいにお邪魔したり、趣味や好きなデザインの写真を見せていただくことが多いです。その上で、我々のデザイン提案をさせていただいています。
空間構成はともかくとして、インテリアデザインの方向性を考える時、現在のお住まいとお使いの家具を見て、お話を伺っていただけでは、間違ったまとめ方をしてしまったかもしれません。
人の好みは変わるものですね。言葉で嗜好を伝えることの難しさを感じました。
 

カーサミアで展示されていたマレンコ。憧れのソファーですが、かなり違う印象になりますね。

カーサミアでは、ゆったりと家具を楽しんで選んでこれます。
一度お訪ねてみると良いところです。

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 鉄骨階段

「茶の間のある家_リフォーム」の現場報告です。
少し前になりますが、鉄骨階段の取付が完了しています。
鉄骨屋さんとバルコニー廻りの庇や手すり、布団干しの金物の打ち合わせもあったので、階段の取付日に合わせて現場に行ってきました。
「茶の間のある家_リフォーム」は、いわゆる狭小住宅です。
細かくスペースを仕切らず、階段を室内に取り込み、段板だけの透けた階段にすることで、ボリューム感を抑え、部屋の抜け感をつくり、広がり感を演出しています。
できるだけ軽やかにと考えたデザインで、ちょっとしたところにもこだわりを持ってデザインしています。
鉄骨屋さんとの事前打合せのおかげで、全体としては、部材寸法や加工の仕方で、良い感じになっていましたが、その軽やかさのためのこだわり部分のポイントに、間違いを見つけました。
この段階ではわかりませんが、床や階段が仕上がってきたときに、ワンポイント大切な部分です。早速その部分の修正をお願いしました。
写真は直した後です。
 
現場での溶接は、火花が飛ぶリスクがあるので、好ましいものではないと思っていたのですが、鉄骨屋さんの持ってきているのは、「TIG溶接」。
これはいいですね。ステンレスやアルミの応接もできるようですし、火花が飛びません。これなら、少し安全に現場溶接がお願いでいます。
この「TIG溶接」であっという間に、階段の修正完了です。

これまでの現場の様子はこちらから
「茶の間のある家_リフォーム」
 

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 外壁工事進む

「茶の間のある家_リフォーム」は、外壁の仕上げ工事が進んでいます。

建物同士の間が狭く、お隣の外壁に手が届きそうです。
 
この現場では、ギルドデザインでは使うことの少ない金属製のサイディングで仕上げます。
普段は、モルタル下地に吹付塗装だったり、板金屋さんに金属板を折り曲げて仕上げてもらう金属板葺き。この現場では、狭い場所での作業性や仕上げ材料の重量を考える必要がありました。
隣家の外壁が近く、人が入るものやっとの作業環境であったり、構造の耐震補強はするものの、柱や梁の既存部材が細いこの住宅の軽量化への配慮です。

外壁に取り付くものは、サイディングを貼る前に下地となる材料を取り付けておきます。
上の写真の外壁から突き出たボルトは、エアコンの室外機を固定するためのもの。
お隣との間に塀のある高さまでは、室外機を置くことができないために、少し高いところに取り付けます。

新設した出窓の庇は、屋根屋さんに葺いてもらっていますが、外壁との取り合い部分には、見切り部材が入ります。
金属サイディングの端部収まりでは、部材を追加して雨仕舞いをよくします。
下は、外壁の出隅部分と窓周り。
部材を追加することで端部収まりを作るので、少し煩雑な感じにはなります。
 
外壁には、通気層を作ります。
断熱材の吸った湿気を逃がすために、<水は通さないが湿気は通す>というシートを貼って、仕上がりの外壁サイディングの裏側に空気の流れる層を作ります。
この層に、内部の湿気は、壁の中から抜けてくるが、外から侵入した水は、中には入らないというものです。
この層の空気は壁の下から入り、屋根のキワで外に抜けるようにしています。
下の写真がその層です。胴縁という細い木の厚み分が、空気の流れる層になります。

外壁サイディングの残されている部分は、金物屋さんが作ってきたプレートを、これから取り付けるために貼り残されています。
取り付けるプレートは、後から布団干しのフレームやバルコニーの庇、物干し金物などを取り付けるためのものです。デザインされたそれらのフレームの姿は、もう少し後のご紹介になります。

内部では、前回残っていた窓周りのウレタン吹き付けも完了しています。
狭い隙間に吹き込んでもらっています。

トップライトもつきました。

ユニットバスも付いています。
最近のものは、浴槽部分はしっかり断熱されています。
これまでの現場の様子はこちらからどうぞ。
「茶の間のある家_リフォーム」

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 サッシ取付、バルコニー防水、電気配線、設備配管

「茶の間のある家_リフォーム」の現場は、順調に進んでいます。
 週に1回、現場での打ち合わせと工事の確認を行っていますが、工事は順調です。
窓周りのサッシが取り付き、バルコニーのFRP防水が終わり、電気の配管配線も進んでいます。水道ガス関係の配管も終わっていて、そろそろ断熱工事です。

 
 
お隣との境界ギリギリにある既存バルコニーを、防水からデザインし直します。
小さなバルコニーですが、洗濯物を干すにはとても大切なバルコニーです。
 
 
 
 
 
 

スイッチやコンセントは、使い勝手の良いように、そして、デザイン的には目立たぬように、図面上に寸法を入れて位置決めしています。
電気屋さんがその位置にボックスを入れてくれています。
 
 

給排水、ガス設備の配管も断熱工事前にしておかなければならないところは、完了です。
水道、温水の配管はほぼ完了しているので、漏れがないかを水圧をかけて確認しています。
 
 
この現場では、基礎のコンクリート周りは、スタイロフォームという板状の断熱材を接着密着させて、基礎断熱を行います。木造部分は、現場発泡ウレタンを吹き付けることで、隙間なく断熱層を作っていきます。

現場発泡の予定日は決められていて、それまでにやっておかないといけない工事が、順調に進んでいます。
断熱層は、隙間がないように施工することで、有効に効果を発揮します。そういう意味で、現場発泡ウレタンの吹き付けを選択することが多いのですが、吹き付け職人さんの認識が足りないと、吹き付け厚みが不足することがあります。
隙間なく施工することは当然として、そのことに十分気を使ってもらうように、現場にはお願いしてきました。

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 スイッチ、コンセント、照明、電気の確認


「茶の間のある家_リフォーム」の現場では、外壁下地の構造用合板が貼られて、スペースが確認できるようになりました。
新築でもそうですが、上棟して落ち着いた頃に、現場に建主さんに来てもらって、スイッチやコンセント、照明器具、インターホン、給湯リモコン、テレビや電話などなど、それぞれの位置を確認してもらっています。
玄関入って、照明スイッチがここにあるので、 このスイッチでファミリールームの照明がついて、これで切れます。といった具合に、使い勝手の確認です。
実施図面の時にご説明して、確認、決定しているのですが、図面だけでは、一般の方には、わかりにくいのではと思い、現場での確認です。
外壁が囲まれたこの頃になると、建物の大きさや間取りが、建主さんにもわかりやすくなるので、最後の変更チャンスですよっていって、立ち合ってもらっています。
たいていあまり変更もないのですが、住まいの様子もわかってもらえる時期でもあるので、いろいろ安心してもらえるのではないかと思っています。

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 鉄骨階段打合せ


「茶の間のある家_リフォーム」は、コンパクトな住宅です。
ここまでの工事でも、コンパクトだからできたことがいくつもありました。
コンパクト、シンプルっていいですね。
コンパクトでシンプルなのは良いのですが、別な言い方をすれば、小さい、狭小ということです。
そこをなんとか、広々と感じて住んでいただきたいので、建築家側もいろいろ考えます。
室内にあまり重々しいものを作らない、重量感を感じないような造作も、その一つの方法で、「茶の間のある家_リフォーム」では、階段を鉄骨造にして線を細く軽やかに、いわゆるストリップ階段にして抜け・透けを作るなどしています。
この日は、現場の進捗状況の確認と、鉄骨屋さんとの打合せでした。

狭い道路の住まい、小さな住宅のリフォームでは、鉄骨を運ぶのが大変です。
階段全体を組んでからでは、思い鉄骨は、搬入がままなりません。
デザイン主旨を実現するために、鉄骨屋さんとできること、難しいこと、どう搬入するかなどを打合せしました。
実は、まだ後の工事ですが、階段よりは、バルコニーの庇と物干しの加工、取り付けの方が、大変そうでした。こちらは、少し時間があるので、再検討です。
現場は順調です。外壁の構造用合板が付きました。
これで、全体が固まりました。
これまでの現場の様子は、こちらから
「茶の間のある家_リフォーム」