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 左官下塗り完了

「マンションの茶席」現場、8帖広間の茶室の壁が下地づくり(中塗り)まで、完了しました。
壁と柱などの木部とが取合うところは、チリの納まりといって、壁材の収縮乾燥によって、柱と壁に隙間ができたりするものです。
左官屋さんは、その隙間ができることをとても心配して、ヒゲコという麻の糸を埋めることで、隙間ができるのを押えるような下地造りをしていましたが、最近の室内用の左官材料はとても良くできていて、乾燥とともに若干膨張するのだそうです。
本物の土壁で仕上げることでもない限り、室内では工法もからって来ているのですね。
火灯口もきれいに中塗りがあがっています。

この「マンションの茶席」の現場では、火灯口廻りを和紙張りするつもりがありません。そういうわけでもないですが、火灯口廻りはしっかりをコテで押さえ込み、ヤスリ掛けをして曲面を造ってくれました。
今回は全てプラスターですが、火灯口木口廻りの中塗りには、漆喰を使うこともあるのだそうです。

床の間、室床の塗り回しと、柳釘の中塗りの状態はこんな感じで納まっています。

大工さんが引き上げていくなかで、炉壇もしっかり納まりました。
畳がしかれるのを待つばかりです。

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 天井板貼り、炉壇固定

マンションリフォームではたいていの場合、マンション規約などで残業工事ができません。お隣のことを考えれば、とても迷惑です。
「マンションの茶席」の現場も、6時には掃除を終わらせることになっているので、そのちょっと前に現場の確認にいってきました。
さすが高層マンションです。夜は夜で、すばらしい眺めです。

造作工事は、空調のダクト工事が終わったのを受けて、天井板が貼られました。
天井が貼られるとぐっと落ち着いてきます。
今回は、既製品の電気炉用の炉壇の高さや既存床暖房などの対応から、和室床がFLより150mmあがったために、結果的に天井が少し低めに押えられています。
8帖の部屋としたは、気になるだろうかと少し悩ましかったのですが、それほど問題はないようです。


きれいな中杢の羽重ね天井ができ上がりました。右の金物は吊り釜用の蛭釘。
吊り釜は、3月になって、春を感じてもらうようにと、揺らぎを演出するために天井から釜を吊る点前です。 その鎖を吊るために必要なのが蛭釘です。

これは水屋の天井写真ですが、網代としました。
マンションリビングや書斎の一部をリフォームして造る茶室なので、火の使用が制限されてしまいます。今回の炉には、電気炉を用意してもらいました。
既製品の電気炉に炉壇と炉壇を受ける金物がセットになったものです。
前述した通り、和室の荒床は既存レベルから少し上げられて、炉壇受けを固定するための下地が組まれました。

炉壇受けを取付けた後、炉壇がはめ込まれます。
写真は不燃板が貼られた炉壇受けの外側の様子です。