お父様の介護のこと、お父様自身に出来ることをしてもらいやすい動線計画、
お勤めの娘さんとの生活時間のズレ、介護から離れて一人になれる場所づくり、自室にいてもお父様の気配を感じられる仕掛けなどが求められていました。
お父様の介護とクライアントご自身の生活を楽しむために、お二人のエリアを大屋根と吹抜けがつないでいます。
壁:ドイツ本漆喰
天井:ドイツ本漆喰
外壁:ジュリパットゆず肌
屋根:ガルバリウム鋼板 立平葺
玄関は低く広い庇の下。格子引き戸の奥に玄関の木製引き戸があります。
2階の出窓とバルコニーの木製格子の手すりがアクセントです。
玄関ドアは木製の引き戸です。
玄関に入ると中庭の緑が少しだけ覗ける。
玄関には、お父さんが玄関で上がりやすくするための手すりと、土間との段差を縮めるために上がり段を用意しています。
2階へ上がる階段。2階は娘さんのスペース。
右がLDKへの入り口。
LDK 奥にお父様の寝室やトイレ、納戸などがあります。
1階は、お父様の生活を主体に考えたフロアです。
キッチンはアイランドタイプで、背面収納も用意したオーダーキッチンです。
ステンレスカウンターにシナの染色塗装のキャピネット。
リビングダイニングは、大屋根の下、大きな吹抜のあるスペースです。
この吹抜は、2階の娘さんの部屋とつながっていて、1階のお父さんの気配を2階へ伝えます。
キッチン奥は、パントリーから勝手口へとつながっています。
奥に長く、空間ボリュームが大きいLDKなので、小さめのトップライトを二つ用意しました。
北向きのトップライトですが、直射光が差す時には、2本の光の帯が部屋を演出してくれます。
右奥がお父様の寝室で、中央奥がトイレ。小上がりの2畳+板の間は、仏壇の間であり、お父様の具合が悪いことがあれば、寝室近くで休むための場所です。
天井にカーテンレールを仕込んであります。
中庭は、南東側で日当たりの良い向きです。
木製デッキを室内床より少し低いくらいのレベルで貼っています。窓はキマドの木製サッシ。
デッキテラスの中庭。正面は玄関の窓。その上は2階の物干しバルコニーで、洗濯物が隠れる高さまで木製の格子で目隠しをしています。
トイレ前からダイニングを見たところ。左壁のコルクタイル張り部分は、お父さんの飲み薬を管理するための掲示板
トイレは2方向入り口。
片側はお父様が寝室から直接入れるようにしてあります。
2階は娘さんのフロア。
寝室、ウォークインクロゼット、フリースペース、洗面化粧、トイレなどが設置されています。
現場での工事の様子はブログでご覧になれます。
ブログ;「父娘で暮らす大屋根の家」