とんがり屋根の家

世田谷の住宅街。高度斜線と2方向からの道路斜線によって4方向からけずられてしまう狭小地に立つ小さな住宅です。
吹抜けと中央に配置した階段で、3階建ての建物全体が上下につながるワンルームのようなつくりです。
ローコストも大きなテーマであったので、仕上げをしない状態でお引き渡しをし、お施主さんが自ら仕上げていくスタイルをとりました。
タイルを貼る。棚をつくる。ラーチ合板のままの床を、サンディングし蜜蝋ワックスを塗る。プラスターボードのままの壁、天井に、下地処理をして塗装する。カメラマンのご主人、ライター兼バッグ作家の奥様、小さな息子さん、お友達の手によって色鮮やかな空間となりました。
写真はお施主さん撮影です。建築写真とはまた違うアプローチもあり、面白いです。
所在地 :
東京都世田谷区
用途地域:
第1種住居地域
構造規模:
木造3階建
敷地面積:
48.64m²/14.7坪
建築面積:
31.88m²/14.4坪
延床面積:
77.69m²/23.5坪
家族構成:
3人(夫婦+子供)
主な仕様:
床:ラーチ合板サンダー加工の上塗装
壁:塗装(施主施工)
天井:塗装(施主施工)
外壁:サイディング+ガルバリウム鋼板
屋根:コロニアルケイミュー
竣工  :
2015.03
施工  :
印南建設株式会社
 
敷地は角地なので、建ぺい率緩和は得られるものの、それぞれの4m道路からの道路斜線が厳しく高さが制限されています。
3階から上は道路斜線によって、とんがり屋根です。
生活の中心となるLDKは、2階です。
奥の施主施工のブルーの壁のエリアは、奥様の仕事と趣味のエリア。
扉があるのは、トイレだけ。
キッチンの作り込みは必要最小限。
シンクにコンロにカウンターだけを大工さんにセットしてもらい、あとは生活を始めてから、クライアントが、ワゴンや棚を用意する予定。
ちなみに、タイルも施主施工。
2階から3階には吹抜があります。
狭小住宅ですが、吹抜による縦空間のつながりやトップライトからの明かりが、視覚的な広がり感を与えてくれます。
吹抜を見ながら、3階に上がります。
3階は寝室のフロア。
とんがり屋根の一部をカットして作ったバルコニーもあります。
スキールワイヤーによるバッテンは、耐震補強のための構造材です。
できるだけ、存在感のないものを選んでいます。
屋根には十分な断熱工事を施し、とんがり屋根の形状に天井を作っています。
床面積は大きくないですが、天井の高さがあるので、圧迫感はありません。
1階は、玄関に洗面、浴室、衣装室です。
壁と天井の塗装は、すべて施主施工です。
施主施工のタイミングを見て、そのあとの工事予定を立てるなど、工務店さんに工程を組んでもらっています。
衣装室(納戸)の棚作りも施主とお友達によるセルフビルドです。