05
25
 木造住宅のリフォーム 既存部分の構造補強

木造住宅の場合は、間取りの変更のために柱の位置を変えたりすることは、案外出来るもので、その分、構造補強をするという話を前回(木造住宅のリフォーム。間仕切り変更、構造補強)しました。
最近の木造住宅のリフォームで、耐震補強を主目的とするリフォームが多くなったように、スケルトンリフォーム(内部だけでも構造体だけのような状態にして行うリフォーム)をする場合などは、まず耐震のお話が出てきます。
2000年の法改正(建設省告示第1460号)で、木造の耐震基準はかなり変わりました。そのため、それ以前のものは、現在の基準からすれば、問題を抱えています。
我々の経験では、2000年以後のものでも、経験不足からか、施工方法の間違いなどで、耐震性能が不足する住宅が、リフォームのときに見付られました。安心できそうなのは、工務店さんの経験値が上がった、ここ数年に建てられたものくらいかもしれません。
さらに、今回の熊本地震からは、新しく建てられた住宅ですら、倒壊の問題が指摘されています。

今回のスケルトンリフォームでは、外壁もほとんど撤去していますので、耐震壁の補強は十分にできています。
外壁面では、構造用合板と筋交いの両方を使っています。
既存にも筋交いは、少ないとはいえ入っていましたが、 現在の構造の基準からすると固定の仕方も脆弱なもので、ほとんどで取替え、補強のし直しとなりました。

 
これは、2階の床下を見上げている写真で、柱と筋交いは専用金物で止めないといけません。
2階の床には、24ミリの厚い構造用合板を使い、耐震性を高めています。
グレーに見えるのは床暖房のために入れた断熱材です。
 

 
この写真は、柱の足元の様子で、同じく専用金物で筋交いが止められています。
 
 
 
 
 

 
耐力壁となる外壁に使う構造用合板は、止め方も決まりがあります。
使う釘や、釘のピッチが強度を決めるので、基準を守らないといけません。

 
 
 
阪神大震災では、柱が基礎から引き抜かれたことが、倒壊の大きな原因になっていたので、2000年の改正では、地震の力を強く受ける柱は、基礎とボルト(ホールダウン金物)で緊結することが必要となりました。
この建物では、後付けとはなりますが、ホールダウン金物を追加することで、地震時に浮き上がりそうな柱を、基礎に固定しています。
 
 
 
 
 
 
 
古い基礎の場合、コンクリートに鉄筋が入ってないものがあったり、ブロックや石に土台を乗せているものがあります。
基礎の強度が足りない場合、建物全体をジャッキで持ち上げて基礎を作り変える(かなり大掛かりとなります)ことをしたり、既存の基礎の横に沿わせるように新しい基礎を造ることをしたりします。
何れにしても、相当な費用がかかる工事になります。
今回のこの現場では、ブロック基礎の部分は作り変えていますが、コンクリート部分は、そのまま使っています。 

05
17
 「建築家と建てる!展」に参加しています。


新宿パークタワー、リビングデザインセンターOZONEでは、住まいやインテリアに関する様々なイベントを、定期的に開催していますが、5月12日〜31日まで、6階のパークサイドスクエアーにて、「建築家と建てる!展」を開催中です。
ギルド・デザインでは、この「建築家と建てる!展」に、築年数の古い重量鉄骨住宅のリフォーム事例となる、「中庭を造る減築リフォーム」を展示しています。
さらに、28日(土)29日(日)には、
「OZONE新築&リフォーム相談会2016」 を同時開催していて、29日には、磯村が、会場に伺う予定です。
この時期、リビングデザインセンターOZONEでは、「ペットと暮らす快適な住まい」展など、建材、家具の特別展も開催中ですので、住まいをお考えの皆さんには、良いタイミングかと思います。
ギルドデザインの 展示する「中庭を造る減築リフォーム」は、昨年お引渡しをした築40年以上の重量鉄骨の戸建住宅の全面リフォーム計画で、
写真のハンモックの床が印象的ですが、生活のためのたくさんのことを考えて造った住宅です。
・屋根の一部を壊して、1階の部屋をなくすこと(減築)で、中庭を造り、
広く暗かった1階の奥まで陽射しを届けるように、風が抜けるように、
・断熱性気密性を高めて、寒かったトイレやお風呂、キッチンが、快適な場所となるように、
・吹き抜けとシーリングファンで、暖かい空気の循環ができるように、
・生活動線に無駄がないよう、収納を無駄なく適材適所に、
・お子さん達の様子がキッチンに居ても伝わるように、
・一番家にいる時間の長いお母さんの居場所が、一番良くなるように、
・環境にやさしい暖房エネルギーのために、薪ストーブを、
などなど、いろんなアイディアを、リノベーションという制限のある中で、クライアントと一緒になって作っていった住宅です。
たくさんの方と住まい造りについて、楽しいお話ができれば嬉しいです。
ご来場をお待ちしています。

05
12
 建築展「建築家サロン in 自由が丘」のおしらせ

5月は、イベントが多くて、少し忙しい月となります。
つい先日、横浜赤レンガ倉庫での建築模型展を終えたところですが、
来週21日(土)、22日(日)の二日間、自由が丘での建築模型展に参加します。
今月は、もう一つ。新宿パークタワーでリビングデザインセンターOZONEが、現在開催中のイベントにも参加しています。
自由が丘でのイベントは、これまでも年に2回くらい開催していた「建築家サロン」という建築模型+写真展+無料相談会です。
今回は会場を移して、家具屋さん「ノックオンウッド 自由が丘店」での展示会です。
会場の都合で、メンバーが前後半の入れ替えで行います。
ギルドデザインは前半参加の21日、22日です。後半は28日、29日です。
お近くにおいででしたら、ぜひお立ち寄りください。

05
6
 横浜赤レンガで建築模型展を開催します。

5月6日(金、正午)から8日(日)まで、横浜の赤レンガ倉庫で建築模型展を開催します。

「建築家31人 x 3 works 」展は、ギルドデザインもメンバーとして活動している建築家によるグループ建築家31会による模型展+建築相談会です。
建築模型に写真パネルなど、一般の方にも建築を親しんでいただけるような展示に心がけ、できるだけ多くの方に、建築家の仕事を知ってもらえるように、どんな相談にも応じています。
住宅模型を3つのテーマに分けて展示しています。
今回は、そのうち一つのテーマ「外とのつながり」について、磯村が、メンバーの菰田さんとトークショーをおこないます。
建物の一部を解体して中庭をつくり、陽射しや風通しの良い室内を造った「中庭を造る減築リフォーム」や狭小住宅での光井戸、視線を伸ばすことで空間を広げてみせている「ろじのさき」などについて、外とのつながりをお話する予定です。
トークショーは7日(土)13時半〜です。
たくさんの方と建築談義ができるのを楽しみにしています。