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 木造住宅のリフォーム。間取り変更、構造補強

スケルトンリフォームという大掛かりなリフォームの場合、住まいの間取りの変更もよく行われます。
コンクリート造のマンションなどでは、各部屋の壁は、本体構造ではないことがほとんどなので、仕上げや設備を剥ぎ取ったコンクリート状態にして、新たな間仕切りや仕上げをするスケルトンリフォームはとてもしやすいことが多いです。
木造住宅の場合のスケルトンリフォームでも、生活スタイルの変更に伴って間取りの変更が求められることがよくあります。
木造住宅では、間仕切り壁の中にある柱が、本体構造の一部であることが多く、 マンションリフォームのようには、壁を簡単には壊せません。
しかし、コンクリートの建物では、間仕切り壁を壊すのは簡単でも、本体構造をいじることが、とても大変なのに対して、木造では、構造の組み換えや補強がしやすく、ある程度は構造体を動かしながらの間取り変更が可能です。

写真は2階の床を支える構造の様子です。
1階の間取り変更のために、柱を抜いたり、位置を変えたりする場合など、太い梁(床を支える木材で柱の上を繋ぐ材)を元々の細い梁の下から支えるように入れて、補強しながら、2階の床を支えるようにしていきます。
古い梁を取り去って、新しい梁に取り替えることもあります。

梁材は、既存や新規の柱を少し欠き込みながら、楔を使ってレベル調整をしつつ柱に差し込んでいきます。
さらに金物で、梁が柱から抜けないように補強します。
地震の時、構造は揺れ動かされ、柱と梁の接合部に力が加わるので、この補強がとても大切になります。
新築でも、最近はほとんどが金物による接合部分の補強がポイントとなり、良い金物が多く出ています。リフォームでもこの金物を使っています。