09
30
 下地工事が完了

「アトリエのある小さな家」の下地工事がほぼ完了です。
現場では、詳細部分の確認と収まり打合せをしてきました。
外部では、左官屋さんによるモルタル下地が、しっかりと押さえられて仕上げっています。 小さな粒程度の柚肌状の吹付塗装で仕上げるので、左官による平滑な下地造りが大切なポイントとなります。

室内も仕上げのためのプラスターボード張りが完了して、これからが壁天井の仕上げ工事となります。

この吹抜には、まだ鉄骨のストリップ階段がついていませんが、数日後には取り付け予定です。
プラスターボードの止め方も、大工さんは、結構気を使ってとめてくれているようです。ビスピッチなどバラバラな工務店が多い中、適切なピッチを守っていて、これならこのまま仕上げでもっていいかって感じです。
バルコニー壁に開けた窓の収まりも確認してきました。
壁内通気用部材も問題なく収まっていて、笠置部分と壁との取り合い部の雨水進入対策もしっかりできています。

釘からのサビは少し残念です。早めに吹付の仕上げをしてもらいたいところです。

もう少しで、仕上がりです。
 

09
25
 建築家サロン in 自由が丘

明日からとなりますが、建築家31会の一部有志による建築展「建築家サロン in 自由が丘」を開催します。
今回で7回目。建築家9組が、模型やパネル展示、住宅の相談にのっています。
建築家との家づくりとはどんなものなのか、工務店や住宅メーカーの家づくりとは何が違うのか、建築家は何をしてくれるのか、建築家ってどんな人たちなのか。
建築家とは、なかなか縁遠い存在だと思われていますが、決してそんなことはありません。 そんな建築家を知ってもらう機会にしたい展示会です。
お茶をしながら建築談義をしませんか。
今回は知り合いの写真家も展示参加しています。
9月26日(土) 10時〜18時
9月27日(日) 10時〜18時
ギャラリー「カーサタナ」 目黒区自由が丘1−23−15

09
8
 シロアリ

古い木造住宅の場合、心配することの一つがシロアリです。
少し前に、木材腐朽菌によって、痛められた柱や土台の様子をお伝えしましたが、この写真は、シロアリによる被害の様子です。
被害の多いのは、湿気の上がりやすい土台や柱の足元周りです。
法規上で、一般的には、地面より1mの高さまでは防蟻処理をすることが求められているのは、そのためです。
この現場でも、造られた当初は、防蟻処理が施されていたのでしょうが、多くの防蟻剤は、そう長い間効いているものではありません。
かつてのクレオソートなどのかなり有害な薬剤では、まだ長期に効いたのかもしれませんが、最近の防蟻剤は、有効期限は5年程度ともいわれています。
20年、30年という築年数の住宅では、防蟻性能はほとんどなくなっているともいえますから、湿気のつきやすい状態での土台や柱足元は、かなり危険な状態に置かれているということです。
では、足元ばかりを気にしていれば良いのかというと、こんな例もあります。

これは2階の床を支えたり、地震力を受ける梁(はり)とか胴差(どうざし)と言われる木材です。つまり、2階の床下にある材料で、地面からは3m以上高いところにあります。
太い梁なんですが、シロアリによって上半分くらいがスカスカで、指を突っ込むとズボっと入るくらいでした。これでは大切な強度が足りなくなっています。地震や強風の時など、とても心配です。
この現場では、1階部分が少し出っ張っていたので、小さな屋根が付いていたのですが、屋根の作り方が悪かったのでしょう、雨漏りによって木材が湿った状態となり、シロアリの被害を受けたようです。
イエシロアリは水分を運ぶので、上階でも注意が必要と言われていますが、最近では水分を必要としない外来のアメリカカンザイシロアリの生息範囲も広がっているようです。一層の注意が必要なようです。
防蟻剤は、ゆっくりと揮発するものが多いです。
それはいつか再塗布が必要となり、有効期限が設けられています。
隠された壁の中で、効果がなくなるようでは、困ります。
ギルドでは、ヒバオイルなどの自然由来の防蟻剤を使っていましたが、ホウ酸の防蟻剤が認定されたことで、そちらを使うようにしています。
ホウ酸防蟻剤は、人への害はなく、揮発することがない防蟻剤です。
 

09
4
 ホテルオークラ本館

ここのところ東京は、建築の話題で事欠きません。
美術館等でのいくつかの建築展、ギルドでも鑑賞に行った映画、国民的関心である新国立競技場問題などなどですが、 惜しまれて閉館するホテルがありました。
たくさんのニュース番組でも取り上げられましたから、多くの方もご存知だと思いますが、ホテルオークラ本館の閉館、取り壊しです。
谷口吉郎らを中心に、戦後日本モダニズム建築の至宝として、建築技術、工芸技術を駆使して造られたホテルです。これほど品格のあるホテルは、ホテル御三家の中においても飛び抜けていたように思います。海外からの解体中止を求める運動もあるなか、8月31日にその営業を終えました。
最終日に、我々もお別れを兼ねて訪ねてきました。
最終日とあって、カメラが何台も入り、名残を惜しむ人たちでいつもの静けさはなかったものの、静謐な空間の質は、さすがオークラでした。


新しい建物は谷口吉郎さんのご子息、谷口吉生さんの事務所が関わります。
谷口建築設計事務所が、きっと平成の名建築を創ってくれることでしょう。

カテゴリー: 日常

2015年09月4日