02
13
 住宅省エネルギー技術者講習

ここ数年、住宅の省エネルギー化のための講習会が多くなっています。
今年、2020年は、住宅の省エネルギー化において、ターニングポイントとなるかもしれない年でした。
すべての住宅で、省エネの義務化を課すという年だったからです。
しかし現実は、多くの住宅設計・建設に関わる実務者に、十分な技術力や省エネ意識の普及が行き届いておらず、義務化開始は、業務に混乱を招くばかりだという判断が働いたようで、見送られました。

昨今の異常気象や災害を経験するだけでも、地球温暖化に対しての住宅に於けるエネルギーの削減は、急務だと思います。
住宅の高気密高断熱化、使用するエネルギーをどのように効率化させるかというノウハウは、整理されてきています。
高断熱化するためことは、住宅コストをアップさせることにはなりますが、日々の光熱費をぐっと抑えるができ、アップした費用は回収できます。そしてさらに大切なことは、より快適な室内環境、元気に長生きできる住まいを造ることができるということです。

省エネ住宅のネックは、窓周りからのエネルギーの出入りが大きいということです。最近ようやく窓の性能が上がってきましたが、窓の大きさを抑えることで、断熱気密性は、簡単にあげられます。
しかし、ただ窓を小さくしてしまうのでは、四季があり、風通しや陽射しの素晴らしさ、大切さを知っている我々には、素晴らしい住まいとは考えにくいです。
高気密高断熱でありながらも自然環境とのつながりを大切に、パッシブなエネルギーの利用を考えた、大きな窓のある住まいを提案していきたいと考えています。

省エネの義務化が見送られたものの、来年には、施主に対して省エネ状況の報告義務が求められることとなりました。
省エネ報告について内容の詳細は、半年ほど後に決められてくるようです。

06
16
 ZEH住宅見学

「ZEH」(ゼッチ)は、Zero Enagy Houseからきたことばですが、内容は、Net Zero Enagy House ネットゼロエネルギーハウスといわています。
ZEH住宅とは、エネルギーを使わない家ではなくて、計算上、生活に使うと思われるエネルギーを、太陽光発電などから得られるエネルギー以下にする住宅です。

戸建て住宅で得られる太陽光などのエネルギーには、限りがあるので、実際には、消費するエネルギー量を、どれだけ押さえるかということがとても大切で、建物の外皮性能(外壁・屋根・床の断熱気密性能)を高めることで、冷房や暖房のランニングコストを抑え、さらに、高効率の設備システムや照明計画が必要となります。
消費するエネルギー量を低くするといっても、寒さや暑さを我慢するということではなくて、現代の快適性を改善しながら計画することが大切です。

ギルド・デザインでは、新築だけでなくリフォームにおいても、ほとんどでエコハウス、省エネルギー住宅、さらには健康寿命を伸ばせるようにと、外皮性能を向上させて、エネルギーロスの少ない家を計画しています。

今回、House Baseさんの企画で、ZEH住宅の見学勉強会があるのいうので、大先輩の浦田さんの自邸見学会に参加してきました。


浦田さんがいつも設計されている住宅は、決して大きくないエアコン1台を床下に設置(場合によっては冷房用を天井裏に追加)するだけで、夏も冬も快適で、電気代もかからない住宅です。
ご自邸は、ZEHにしているので、屋根には太陽光パネルを載せています。

実際には見送りとなりましたが、国は、2020年に省エネ住宅の何らかの義務化を予定していました。
義務化については、まだ技術的な普及が足りないということで見送られたのですが、説明報告などが、必要とされそうです。

日本の住宅の性能は、欧米の基準からするとかなり遅れています。
エコハウス、住宅の省エネ化は、これから住まいを考えるみなさんにとって、必要な情報となります。

これまでも、省エネ工法などの話題を取り上げていましたが、これからもわかりやすくお話をしていきたいと思っています。

05
16
 山梨出張 釈迦堂遺跡博物館と勝沼ぶどうの丘

連休明けの日曜日は、山梨へ出張でした。

子育て世帯のご夫婦の住宅設計打合せでした。
お二人とも働いていらっしゃるので、家事効率が良くなるような間取を中心にした打合せでした。
奥様からのご要望で、洗面所やランドリールーム、家事室、パントリー、帰宅後のお子さんのランドセルやらの片付け方などについて、今の住まい方やご要望、こちらからのご提案などのキャッチボールが始まりました。

山梨へは、時々仕事で伺っているのですが、困り物は休日の渋滞です。
特急とタクシーという交通手段もありますが、駅から遠い御宅だったり、打合せが遅くなったりすることもあるので、車で向かうことが多いからです。

今回は、大型連休明けの休日で、渋滞情報でも行きはほとんど渋滞が無いようでしたが、それでも一応用心して、少し早めに自宅を出発したら、やはり打合せ時間までに、余裕ができました。
そこで、途中の釈迦堂PAからいける釈迦堂遺跡博物館を覗いてきました。

中央高速道を造るときの発掘された縄文時代のものの博物館ですが、かなり大きな規模で、三内丸山遺跡が見つかるまでは、最大規模だったとか。
土器から土偶、装飾品まで、縄文時代文化の豊かさを感じられる展示でした。
この夏から、1年くらいのリフォーム休館に入るそうです。ご興味のある方は、お早めに。

無数の土偶が発掘されているようです。

 

午前中からの打合せでしたので、午後の時間は、ちょっとのんびりと帰ることにして、20号線を走って、勝沼のぶどうの丘へ。
勝沼は、以前、うちの愛犬ルパンと、ワイナリーに来たことがあったのですが、さすがに犬づれだと、室内には入れず、落ち着いて食事もできなかったのですが、この日はゆっくりと食事をとることができました。

 

ここの地下には、ワインカーヴがあって、甲州市お勧めの200銘柄2万本のワインが置いてあるのだそうです。しかも、なかなか良い雰囲気でした。
タートヴァンという試飲用の容器を買うと、一日中、試飲し放題なのだそうです。いかにも朝からきてそうなおじさんたちがいましたよ。
タートヴァンという専用の容器がフランスにはあるのだそうで、知りませんでした。
買ってみるのも、ちょっと楽しそうです。

ぶどうの丘は、勝沼の小山の上にあって、見晴らしは最高なのですが、まわりにぶどう畑が少ないのに驚きました。
海外のぶどう産地のイメージでは、見渡す限り一面のぶどう畑ですが、勝沼は、日本でも有数と言われる産地なのに、少ないのに驚かされるというか、がっかりさせられたというか。

 

01
21
 「暮らしの中の祈りの道具」展

住宅を設計していている時に、かならず確認しておかないといけないことの一つに仏壇や神棚のことがあります。
仏壇も神棚も、古くからのお住まいの方々や、ご商売をされているお宅に伺うと、生活の中の大切な部分となっていて、しかも、向かう方向が決まっていたり、ボリュームのあるのものなので、間取りを考えていく中で、大切な一つの要素となることが多いからです。

ただ、若い世代の住まいであったり、都市圏での計画では、住宅面積が小さいということもあって、クライアントからの条件設定に出てくることは少ないです。

僕の年齢が上がってきたということもあるかと思いますが、家族をおもったり、先祖を思い祈るものが、生活の中にあったほうが良いと思うようになりました。
伝統的な仏壇や神棚というのも素敵ですが、最近の生活感や住宅事情にあったスタイルのもの、考え方があれば、取り入れやすいのように思います。

最近の二世帯住宅やマンションリフォームの設計でも、考えないといけない事例が出てきていたこともあり、たまたまリビングデザインセンターOZONE「暮らしの中の色いの道具展」が開催されていたので、覗いてきました。

小さな展示会でしたが、可愛らしかったり、アイデアだったり、参考になりそうな祈りの道具展で、基本的には、仏教からの祈りの道具のイメージですが、こだわりなく生活の中に取り込めそうなデザインのもののようです。
製作者の方たちからのお話しが聞けたのですが、宗教と関わりなく使っていただけることを考えていらっしゃいました。

10
5
 「建てまん」満員御礼

初めて舞台出演した演劇「建てまん」が、無事に楽日を迎えました。

楽日最終公演は、JR東日本が首都圏内の電車を計画運行停止するという台風の日で、8割ほどのお客様でしたが、連日、満員御礼の興行となりました。

この人にお願いして家を作ると、どんな困難な状況でも、建て主が喜ぶ家づくりとなるスーパービルディングウーマン「建てまん」こと、たてよう子が造る幸せな家のお話です。
住まいづくりについて、ちょっとしたアイデアと問題を織り込んだ3つのオムニバスになっています。

赤坂チャンスシアターという小さな劇場での公演ですが、場所は赤坂!一流です。
緊張しました。
お見苦しい私の演技であったかと思いますが、小劇場での若い俳優さんたちとの舞台を楽しんでいただけたことと思います。
ご来場くださった皆様には、感謝いたします。

僕としては、とてもとても貴重な経験をさせていただきました。

半年ほど前に、出演してみないって声をかけていただいた川島さんに感謝。
常に寄り添うように励ましてくれた主演女優のこばやかわチエさんに感謝。
褒めて持ち上げて、うまく演出指導してくださった小松さんに感謝。
セリフの掛け合いで、カバーしてくれた宮川さんと渡辺さんに感謝。
笑顔で迎えてくれた俳優さんや裏方さんに感謝。
です。

稽古に何回か参加させていただき、一つの舞台を作り上げることの大変さを知りました。
建築も演劇もおなじですね。

普段漫然としか見ていないドラマや演劇が、こんなにも時間をかけて作っていたのかと気付かされ、参加するみんなが、演技アイデアを出して試し、案を潰しては再構成する、開演してからも、日々進化していく舞台、その流れを見せていただけたこと、いや〜、楽しかったです。

みなさまの、またのご来場をお待ちしています。
そういえば、僕は学生の頃、歌って踊れる建築家になろうなんて言ってましたね。

09
4
 金物下見

ちょっと前ですが、現在実施図面をまとめているクライアントに、提案したいと考えている金物があって、堀商店さんを訪ねてきました。

金物というのは、ドアなどの扉に使うハンドルや鍵、蝶番などのことで、堀商店さんは、この分野では信頼性ピカイチの老舗メーカーさんです。
クライアントは、アンティークなものをたくさんお持ちですが、現代的なデザインも大変お好きな方なので、デザイン的に新しいものをお勧めするか、質感を大切に、良質な使い心地のデザインのものをご紹介するかと悩んで、久しぶりに堀商店さんに相談に伺ってきた次第です。

一般の方は、こういうドアハンドルなどを選びに出かけることは、かなり少ないと思います。だいたい、写真などでデザインだけを選ぶのではないでしょうか。
家の顔である玄関ドアにどんなハンドルを選ぶか、毎日何度も開け閉めする室内ドアの使用勝手を確かめてみるのも、楽しいことです。

金属が持っている素材感や仕上げ感、鍵を回す時の小さな金属同士が擦れ合いながら動く軽やかな重さ、ハンドルを回す時の心地よいバネの反動など、実際にショールームで確認してみないとわかりません。

ハンドルのデザインも沢山あります。同じデザインでも、サイズによって握り感は変わります。是非とも、握ってみて、握り具合を試してみてもらいたいと思います。

キーシステムは、当然、防犯性を追求して生まれたもので、堀金物さんくらいの老舗になると、培われた歴史からの安定、安心感を感じさせてもらえます。
鍵自体も、実物を手にしてみれば、写真ではわからない金属の手触りの良さを知ることができます。

繊細な鍵内部の機構を守るため、鍵穴にも、こんなフタ付きのものがあります。
別荘地などで、砂や虫が入るのを防ぐためだそうです。

新橋の堀商店さんショールームの2階には、重厚なドアの向こうに、鍵コレクションの展示ルームがあります。

これも鍵です。鍵のシステムのシンプルな考え方がわかって面白いです。

要予約だそうですが、ショールームを尋ねられたら、是非2階の展示室もご覧になってください。鍵の楽しさも知ることができます。

 

08
21
 マンション茶室見学

マンションリフォームをして作った茶室の時にお世話になった工務店さんが、また、マンションに茶室を造ったというので、見学に伺ってきました。

今回の茶室は、リフォームで作るというのではなく、新築マンションのオーナー階に造ったというものなので、リフォームとは違って、設備や構造の制限がなく、比較的自由にできているそうです。

露地までしっかりと造られていて、先には小さいながらも外庭があって、とてもマンションの最上階とは思えない景色です。
蹲踞、灯篭、飛び石。ここまで作れると、趣味を生かした本格的なお茶事が楽しめそうです。

蹲踞を生かす為に、寄付きも用意されています。

本席は4畳半で、基本的な構えですが、腰張りが、反故張りになっているようです。
よく見ると、反故張りといっても、暦が書いてるもので、有楽の如庵風と言えるのかもしれませんね。

茶室を作るということは、茶道には流派もありますから、守っておかないといけない決まり事がたくさんあります。
あまり茶道のことを知らない建築家が、デザインで遊んでしたったために、必要なことができていなくて、お稽古や茶事に使いづらくて困ったという話をよく聞きがます。

守るべきことさえ守っていれば、本来数寄屋とは自由なものだと思います。
小さな空間を、どう自由にあやつるか、建築家、席主の腕の見せ所です。なかなか楽しいものなのです。

08
11
 演劇「建てまん」に出演します。

仕事とは関係ない話ですが、磯村が人生初めての舞台に立つことになりました。

関係ないといってもお題は「建てまん」。住宅づくりの話です。
主人公「建てよう子」は、建築家にして棟梁、そして不動産屋で、人呼んで「たてまん」。様々な家づくりに悩む人たちの希望を叶える存在です。
オムニバス形式で、3組の悩めるクライアントと対峙します。

磯村は、小学校の学芸会でも、セリフがあったかどうかわからないほどのズブの素人ですが、「空気が合わないカップルの家」に、研究員(理科の先生?)として、少しだけセリフをいただいての出演です。
磯村のことはともかくとして、主演女優の「こばやかわチエ」さんはじめ、素晴らしい俳優さんたちの演劇ですので、住まいのことを考えている皆さん、お時間あれば、ぜひおいでいただきたいです。

日時:9月26日(水)〜30日(日)
昼の部と夜の部で、全8回公演
会場:赤坂チャンスシアター
東京都港区赤坂2-6-22 デュオ・スカーラⅡB1F
料金:自由席 3000円、子供 1000円、特別席 4000円

申し込み:日時、枚数、お名前、住所、電話番号をご連絡ください。
メール rinne@ownstyle.jp  FAX  03-5396-6420
お問合せ:電話03-6914-0609「建てまん」事務局

諸々詳しくは下のチラシをご覧ください。
または、ギルドデザイン磯村までお尋ねください。

07
17
 リフォーム産業フェア 2018

今日と明日、東京ビッグサイトで「リフォーム産業フェア2018」が開催されています。

新築着工数が減る中、リフォーム業界がだんだん賑やかになってきています。
ギルド・デザインでも、戸建て住宅やマンションのスケルトンリフォームの依頼が多くなってきています。

リフォームの為の建材や工法を探すことができるイベントなので、情報を求めて出向くこともありますが、どれも興味深いものではありながら、なかなかドンピチャでこれを使いたいというものとは、出会えないものです。

今回は、少し前から気になっていたサッシ窓の取り替え工法「発砲工法」の会社、BACさんが、樹脂サッシメーカー「栗原」さんと組んで、「RAKUE」というブランドを展示しているというので、覗いてきました。

高気密高断熱の住宅を作ろうすると、問題点は、「窓」の性能だといわれるようになりました。
壁や屋根の断熱性能を高めることは、もう当たり前で、窓が良くなければ、これからの住宅では、断熱性が高い家とはいえないほどになってきました。
ペアガラスだから大丈夫という段階はもう終わりです。

そんな窓のリフォームのブランドが「RAKUE」です。
*まだ出来たてのHPで、書き込みが始まったばかりのようです。

ギルド・デザインでは、これまでプラスチックイメージの樹脂窓を使うことがなく、金属でスッキリ見えるスチールやスレンレス、アルミ製品や、肌ざわり良く優しさのある木製窓を使うことがほとんどでしたが、断熱性やコストを考えれば、樹脂窓もこれからの選択肢の一つになると思っています。
最近のリノベーション依頼の多さを考えると、この窓取り替え工法は、知っておきたい工法です。

これまでも、カバー工法という工法で、外壁を傷めずに性能の高い窓に取り替えることができましたが、この発砲工法では、特別な金物を使うことなく、短時間に取り替えができるそうです。既存との接続には断熱材である発砲ウレタンを使います。
断熱性能をあげて、コストも抑えられる工法になりそうです。

写真は、既存サッシの枠を残して、発砲ウレタンの接着性を使って、樹脂窓を新設してる窓枠部分の断面です。

07
11
 建築家31会役員会

建築家31会のイベント案内など、時々このブログでもご紹介しています。

建築家31会は、建築家31会協同組合という、建築設計事務所だけで組織された法人です。

住宅、建築を計画されている方々にとって、相談に乗ってくれるところから、どこに連絡とったらいいのか、わかりにくいものだと思っていますが、
住宅でしたら、展示場に行ったり、ネットで探して紹介サイトに頼ってみたり、工務店を訪ねてたりと、さまざまなアプローチがありながら、建築設計事務所を訪ねるというのは、かなり敷居が高いとよく言われます。

それだけに、直接建築家と出会うことで、建築家の仕事を少しでも多くの人に知ってもらい、敷地の状況を活かして住み手の個性にあった美しい住宅(建築)造りが広がっていくことを願い、活動しています。

建築家31会は、メンバーによる運営を行っているので、定期的に役員による運営会議を行っています。
昨日は、その役員会で、磯村も役員をしてますので、猛暑も始まって、暑い一日でしたが、さらなる31会の発展のために奮闘してきました。

05
22
 CLT実験住宅の見学に行ってきました。

CLTとは、Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略で、板の層を各層で互いに直交するように積層接着した厚型パネルのことを呼びます。
CLTによる大版パネルを構造材として、床や壁(柱や梁)に使って計画する工法をCLT工法と呼び、2016年4月に建築基準法の告示で認められました。
ヨーロッパ、アメリカでは、すでにたくさんの実績を重ねていて、9階建という大規模のものもすでにあり、地震国イタリアでも7階建てを検討しているほどです。
CLTを使うことで、ヨーロッパでは、下の写真のような建築もできてしまうようです。

CLTは木材(木の塊)ということで、省CO2で環境に優しいだけでなく、コンクリートと比べて1/4ほどの重さですむので、地震に対してのメリットも大きい工法です。
CLT工法では、これまでの木造の細い構造材ではなく、CLTパネルという厚く幅の広い木の塊のような大きな板を使うことになります。日本では、森林の有効活用としても大きく注目されて、最近ようやく使われ始めてきました。
意匠的にも、無垢のような木の塊を、壁や床にそのまま仕上げとしても表現すれば、コンクリート打ち放しのような木材の建築ができそうです。
そんな、CLTを使って事務所を造るという計画のお手伝いをすることになり、筑波の建築研究所 の実験棟を見学してきました。

実験棟として4年ほど経っているようですが、建物から様々なデータを取っているようで、内部外部共に、センサーがいろんなところに取り付けられていました。単管パイプもそんな理由のようです。
大きな壁のような板が、壁となり、床となり、建物全体の構造を担っています。
木材による新しい表現ができそうです。

CLTの版は、15cmから25cmほどの厚みがあり、かなりの存在感があり、室内も高い天井、広い空間を作り出すには向いています。
接合部分の金物がかなり目立つこともあり、小さなスペースでは、金物ばかりが目立ってしまい、デザイン的にも合理的ではなく、天井を張るなどして隠さないと気になります。
これは、日本のような地震国での構造計算上の問題として、実証実験と共に、まだまだこれから解決しなければならないことなのだそうです。

壁と床(屋根)との接合部には、かなりごつい金物が入っています。
高さはかなり取れるので、天井を貼って隠してしまうか、講師のルーバーなどで、金物を意識させないようにする工夫が必要です。
下の写真の天井では、格子の奥に金物が見え隠れしています。

とても興味深い工法なのですが、パネル自体のコストや、表現したい空間を作るための構造計算の難しさと設計費用など、実情は、まだ気軽に使える工法ではないようです。
個別な住宅や中小規模の建築では、CLTパネルを建築構造として使って、意匠としても表現するのはまだ難しく、CLTパネルの特性を、木造在来工法の中で表現するということの方が、現実的な印象を持ちました。
 
 

05
15
 ご来場ありがとうございました。

11日(金)から13日(日)までの3日間開催した横浜赤レンガ倉庫でのイベントが、無事終了いたしました。
ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。
興味を持って見ていただけましたでしょうか。
建築家31会には、協賛してくださっている企業さんはいらしゃいますが、31組の建築家自身で開催するイベントということで、 何者にも縛られることなくクライアントと向きあえる会、イベントであると思っています。
今回、ギルド・デザインとしては、会場に詰めている時間が多く取れませんでしたが、イベントとしては、これだけの人たちのご協力で開催できました。

建築家31会では、新宿のパークタワーと横浜赤レンガ倉庫をメイン会場にして、定期的に建築家自身による建築イベントを開催しています。
先日ご紹介したように、住宅模型や写真展示のほかに、 セミナーや無料相談も受け付けています。
次回は11月9日(金)〜11日(日)、新宿パークタワーの1階ギャラリーで、第29回目の開催となります。
近くなりましたら、またご案内をアップしますので、よろしければ足をお運びください。