03
27
 ショールーム巡り

昨年から始まった「型式住宅のリフォーム」の計画は、ゆっくりと進んでいます。
今回の計画では、エレベーターの設置と2階部分に一部増築をします。
築30年を超える型式住宅ですので、計画が成立するのかは、元々のハウスメーカーに構造計算をしてもらう必要がありました。
基本的なプランニングを整理するところから、地盤調査と敷地の再測量、構造再計算による安全確認が取れるまでに、随分と時間がかかりましたが、これからは、少しスピードアップです。
その間に、色々とショールームをまわっています。
クライアントは、今の住まいを作った時には、よくわからずに作ってしまったという思いがあるようで、今回のリフォームでは、できるだけ多くのものを見知って、良いもの、好みなものを、我々のアドバイスを受けて、選んでいきたいと考えていらっしゃいます。
オーダーキッチンのショールームや家具屋さんで、お好みのイメージを確認させてもらったりしましたが、ここのところは水回りの器具のショールームを幾つか回ってきました。

浴槽のメーカーも色々ありますが、こちらは、琺瑯浴槽の大和重工さん
ここの琺瑯の良さは、高級感のある表面仕上がりだけでなく、汚れにくさ、掃除のしやすさ、そして、地金が鋳物ベースであることによる遠赤外線効果。遠赤外線によって、体の芯まで温まるそうで、入浴後の暖かさが、ずっと長く続くようです。
下はセラドレーディングさん。
セラさんは、基本的には輸入販売の衛生機器類の会社で、キッチンや浴室、洗面、トイレの陶器や水栓にアクセサリーなどを扱っていて、デザインの良いものが揃っています。
水栓を選ぶにしても、機能性能、素材、デザイン、サイズ、様々であり悩んでしまいがちですが、オススメしたいものは大体決まっています。

洗面器もたくさんあります。これはちょっと気になったとても浅い洗面器。
水は溜められませんが、案外、水跳ねしなくて使いやすいようです。

セラさんには、浴槽もたくさんあるのですが、これは素材が人工大理石で、珍しくセラオリジナル。
奥様がデザインをとても気に入られたのですが、ちょっと大きくて、このデザインを生かすには計画中の浴室では、少し狭そうです。

上の写真から T-formさんの様子。
こちらも輸入機器のショールームです。
クライアントのご要望で、便器は床の掃除がしやすいように、壁から持ち出しの便器を希望されていました。
日本の住宅ではまだ珍しい壁持ち出しですが、ヨーロッパではこちらが標準的なのだそうです。ただ、ウォシュレットとセットになった物となるとヨーロッパには、まだ良い物がないようです。
その中で、TOTOのウォシュレットと相性の良いスタイルのものと、ヨーロッパで開発されたウォシュレットと一体になったデュラビットの便器を見せていただきました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

洗面器も多数あって、お気に入りも見つけられました。


こちらにも琺瑯の浴槽があり、入りやすさ、入浴時の落ち着き具合などを確認させてもらいました。大和重工とセラでも実際に入ってみて、試していただきました。
こちらの浴槽は、同じ琺瑯でも鋼板下地で、大和さんの鋳物下地と違い、軽さによる施工性の良さがメリットですが、遠赤外線は出にくいのかもしれませんね。
忙しくショールームを廻っていただいていますが、クライアントが楽しんでいただいているのが何よりです。

03
25
 施主の現場確認

先日、「アジアンテイストリフォーム」のクライアントが帰国されました。
今回は、解体された室内を見てみたいとのご希望があっての帰国です。
建築家との家づくりを考えられている方にとって、家がどんな風に出来上がっていくのか、とても興味のあることだと思います。
図面だけではわかりにくかった実際の空間の様子を、少しづつでも感じていただくのは、やはり現場が一番です。

今の段階は、新築なら地鎮祭が終わって、地縄を張り、建物の大きさや位置、間取りの様子を確認するところでしょうか。
解体されて現れた構造のコンクリート床に、壁の位置を墨を使って描いた(墨出し)ところで、部屋の広さや使い勝手の様子を確認していただきました。
帰国いただいたタイミングで、ブラインドを選びにショールームにいったり、家具の面材や色の確認をしていただきました。
色々と決めていかなければならないことはたくさんなりますが、そんな手間暇をかけることも、クライアントの皆さんは、とても楽しんでいただいていると思います。


気にしていたエアコンの確認に、ショールームを訪ねてみると、暖房方式でちょっと省エネな提案を見つけて、現場にも急いで変更のお願い。
ちょっとした変更で、長く生活していただくには、ずっと良くなることもあります。
現場は面倒なことだとは思いますが、頑張っていただきましょう。
もちろん、こちらが頑張らなければ、始まりません。

03
23
 めぐって発見!食べる空間展

2月16日から、新宿パークタワーのリビングデザインセンターOZONEで開催されている展示会「めぐって発見!食べる空間展」では、建築家・工務店など22組が、個性的な食の空間提案をした住宅の模型と写真パネルを、出品展示しています。
ギルド・デザインも「中庭を造る減築リフォーム」の模型と写真を出品しています。

キッチン、ダイニングは、どこの家にもある場所ですが、その家族らしさ、生活スタイルが出る場所でもあります。
「中庭を造る減築リフォーム」は、ご両親から受け継いだ築40年を超える古く、寒く、暗い、鉄骨造住宅を、小さいお子さんのいる若い家族のための生活スタイルにして、明るく、広く、風通しの良く、子育てや生活を楽しむために、リノベーションした住宅計画です。
畳の続き間のあった古い間取りの6畳ほどを中庭に変え、高気密高断熱住宅にして、キッチンを中心とした(=お母さんの居場所を中心とした)大きなワンルームにしています。
吹抜は、子供部屋につながり、ハンモックが張られていますが、大切なのは、2階に上がった暖気を1階に吹き下ろす仕掛けの場所にもなっている点です。
会期は、3月28日(火)までです。
素敵なプレゼントも当たるイベントもあるようです。
どうぞ、ご覧においでください。

03
21
 アクアレイヤー見学

建築家31会でも、お世話になっている(株)イゼナの前田さんに、アクアレイヤーの工事の様子を見せていただきに、現場へ伺ってきました。
アクアレイヤーについては、実はずいぶんと前から知っていて、水を蓄えた特殊の袋を床下一面に敷き込み、その水を温めることで暖房する温水タイプの床暖房だと思っていました。
当時は、袋内の水を、熱源で温めるだけでなく、太陽光からの熱を床で受け止め、水の中に蓄熱することで、陽の落ちた後も暖かい床を維持することができる省エネタイプの床暖房との認識でしたが、もう、ずいぶんと進化していて、いろんな可能性が広がってきているようです。

今回見学させていただいた現場は、2階の床下にアクアレイヤーを敷き詰め、下階の天井との隙間に仕込んだエアコンからの熱を、アクアレイヤー内の水に蓄熱させるというもの。
エアコンから送られる暖気は20度から23度程度の低温のもので、これが2階の床にたまり、2階のリビングに送られるなかで、アクアレイヤー内に蓄熱されていきます。
2階では、一般的な床暖房となるのですが、1階も、天井からの輻射暖房として有効なのだという考え方です。
ヒートポンプを備えたエアコンを使うというのは、暖冷房の機器として、最もエネルギー効率の良い機器を使うということで、イニシャルコスト、ランニングコストともに、とても効率的ということですね。
床暖房としては低温ですが、最近の断熱性気密性の高い住宅では、これくらいの温度でも十分快適な室内環境が作れると思います。
すぐに熱くなってほしいという方には、向いてないのかもしれませんが、自然な温もりという快適さは、とても貴重です。
仕込んであるのがエアコンですから、夏には、冷風を循環させることで、アクアレイヤーの水を涼しい温度に保ち、冷輻射の床、天井として使うこともできるようです。
一度体験してみたくなりました。
夏の冷輻射の話など、もう少しお話を聞きたいと思いますが、今度使ってみたくなるシステムでした。
どなたか、やってみたいというクライアントは、いらっしゃいませんか!
 
現場で撮らせてもらった写真です。

蓄熱材に水をつかうというのは、特殊なことで、漏水などの心配がつきまといます。
アクアレイヤーでは、何層にもなる特殊な袋が重ねられている上に、電気的に漏水監理できるようにされていました。

1階から2階の床を見上げたところ。
敷き詰められてアクアレイヤーを受けているのは、ガルバリウム鋼板の折板です。
この鉄板の下をエアコンの空気が流れ、鉄板からアクアレイヤーへと熱を伝えます。
 
 

03
18
 セミナーのお知らせ。

3月20日(月・祝)になりますが、横浜市都筑区にある「ハウスクエア 横浜」にて、セミナーをおこないます。

テーマは、
「住み心地と耐久性を高めるリフォーム 〜古い家に快適に暮らす方法〜」です。
まさにお題の通りですが、リフォームだって、耐震性を高めることもできるし、冬、暖かく快適な環境の住まいにすることもできますよということを、基本的な部分、気をつけておかないといけない部分についてお話しする予定です。
11時から12時の予定です。
ご興味がありましたら、おいでください。
 

03
18
 マンションリフォーム_墨出し確認

「アジアンテイストリフォーム」の現場は、解体が終わり、墨出しが始まっています。
墨出しは、新しいプランの工事の位置を墨汁や白墨で、描くことですが、マンションリフォームの場合は、既存の構造躯体の中に、新しく計画したプランの間取りが、収まるかを確認することでもあり、床や天井などのコンクリート部分に、新しい壁の位置や設備の位置を描いていくことです。

このマンションの場合は、古い建物ではないので、基本的に大きな問題はないと思われます。
ただ、詳細な寸法の入った図面が、竣工図としてまとめられていません。とりわけ、構造梁や動かすことのできないパイプショフトの位置が、明記されていない。
墨出しをして間取りの状況を確認をしておかないと、どこかで少しづつズレが生じて、入るものが入らなくなったり、後から余分な手間がかかったり、納まりが綺麗でなくなったりします。
そんなわけで、現場には、いつものことではありますが、まず、詳細な墨出しをお願いしています。
 

高さの確認も必要で、写真は浴室の高さの確認。
今回はユニットバスを使いますが、少し天井高さの高いものを使います。図面上では治まるはずなのですが、発注する前に一応の確認です。問題ありませんでした。

パイプシャフトの位置が、既存図面から測った位置とは少しずれていたようです。
シャフトの壁が、少し配水管に当っているようです。調整が必要なようです。

天井の梁と壁の位置を確認しているところ。
梁の位置と壁の位置を関係つけていたのですが、既存図面から読み出していた梁の位置と実際の梁の位置が数センチずれていました。
その数センチで、ちょっと見た目が良くないし、現場もやりにくくなるということで、計画位置を少し調整することとしました。
全体の墨出しの完了後に、クライアントにも確認をしていただく予定です。

 
 

03
13
 木造・S造・RC造 現場リアルイラスト帖

10年ほど前になるでしょうか、出版社 X-Knowlege さんのお手伝いをして、まだ現場経験の浅い若い建築士さん向けに、建築現場の様子、現場を監理するポイントを、解説する「建築知識」の特集を作っていました。
木造、鉄鋼造、コンクリート造、それぞれの構造について、工事現場、加工所などに取材に行い、記事だけでなくDVDにまとめ映像を通して、現場の生の様子を知ってもらおうという企画でした。
当時は木造、鉄骨造、コンクリート造は、それぞれ別々の月間誌の特集記事でしたが、人気があったようで、DVD付きの一冊の書籍になり、何度か加筆、変更が加えられ、出版されていました。
今回は、装いも新たに新しいメンバーで作り変えたそうですが、鉄骨造だけが、10年前の再録というかたちで出版されたので、そこにだけ、ギルドデザインのクレジットが入っています。
以前ものより、ずっと詳細な解説が増えて、より理解を助けてくれるように出来上がっているので、若い人たちには良い書籍だと思います。
ギルドデザイン磯村が出ているのは、DVDの映像部分ですが、とても恥ずかしくて、最後までみられませんでした。

03
10
 マンションスケルトンリフォーム解体工事

「アジアンテイストリフォーム」の現場が始まりました。
 
 
まずは解体工事からです。
リフォーム現場ではよくあることですが、寸法が詳細に入っている竣工図というものが、この現場にもありませんでした。
壁の位置、梁の位置、設備配管(PS)の位置など、ほとんど図面に寸法記入がないので、天井や床をはがしてからの寸法確認をしなくてはなりません。
ある意味、ナゾを解くように既存図面の中の関係性から解いてきた寸法は、おそらく変更の必要があるでしょうから、解体後に寸法確認(墨出し)が必要です。

断熱材は、外壁面から1mほど部屋内まで吹き付けられていました。ヒートブリッジを抑えるためのもので、厚みはそんなにないですが、有効な断熱仕様になっていて良かったです。

トイレやお風呂の換気は、玄関側に抜いています。これは、ほぼ図面通りのようですが、トイレと洗面脱衣室が同じ換気扇になっていて、ちょっと不思議です。

浴室、洗面所周り設備配管の様子です。
トイレと洗面・浴室のコンクリートスラブ(床版)だけが70mm下げられていて、これもほぼ図面どおりで一安心。

もともと温水床暖(TES)を使っていたので、給湯機の付いている壁面は配管だらけです。
リフォーム後もTESによる床暖房と浴室暖房乾燥を使います。

この写真は、レンジフードからのダクトの出し位置と既存キッチンの共用排水管。ダクトは大梁を貫通させて出しています。
「アジアンテイストリフォーム」では、キッチンの位置を動かして、まさに生活の中心に移していきます。この縦排水管は使わなくなります。

既存トイレ周りの解体状況です。
トイレ周りも床スラブが下がっていました。これも概ね図面どおりです。
「アジアンテイストフリフォーム」では、トイレの位置も少し動かすので、図面どおりにコンクリート床が下がってないと、排水管を伸ばすために、大変なことになるところでした。
既存の排水縦菅は、PS壁で覆われていたのですが、コンクリートの床とコンクリートの天井から作られていたのではなく、コンクリートから浮いた置き床と天井の仕上げまでしか覆われておらず、スケルトン解体するとPS壁を解体せざるを得ませんでした。少しいい加減な仕事ですね。図面に寸法もなく、共用部が明確に区画されていない状態でした。
復元をして、お返ししなければなりません。
解体は順調で、管理人さんから、共用部の養生の状態も良く、しっかりしていると声をかけていただきました。
現場の皆さん、ありがとうございます。

03
4
 そろそろ解体工事です。

アジアンテイストリフォームの現場がそろそろ始まります。
クライアントは現在フィリピンにお住いですので、先日帰国いただいて、工事契約をしていただきました。
昨年暮れに工事見積を提出していただき、その金額と内容調整をした上での工事契約です。
工務店さん、キッチン屋さんとの工事契約のための帰国ではありますが、帰国されたタイミングで、材料を見にいったり、打合せもしています。
テレビ台のカウンターを選ぶために新木場の大蔵木材さんへいってきました。

前もって伝えてたったイメージに近いと思われる材をたくさんの在庫の中から出しておいていただきました。
これ、出すだけでも大変作業ですよね。
右がナラ材で左がカリン。
天然乾燥された素晴らしい材です。仕上がっていないので、木目の美しさを見ることはできませんが、長さ3m、幅60センチほどの板材の迫力は感動的なものです。これだけの大きな一枚板、なんと贅沢なことでしょう。
左のカリンといわれていた木は、もしかしたらローズウッドではないかという話が後から伝わってきました。こんなローズウッド、あるところにはあるものなんですね。

こちらは、アフリカンチーク(アフロモシア)
幅はもっと広かったでしょうか。
さらに、米松やタモ材なども見せたいただきました。

新木場には、民具屋さん、古民家再生を考えている方向けの材料屋さんもあり、大蔵さんに案内していただき、帰りに寄ってきました。
今回は使いませんが、使い方によっては、楽しくなつかしい表情の作れる材料が揃っていました。
 
工事契約の後、すこし打合せ。
タイルなど、まだすこし決め残っているところがあるので、工務店さんの会議室をお借りしました。
工事契約の見積上には載せていないのですが、洗面所やトイレの水周りに、タイルのアクセントを加えようということになり、人工大理石のカウンター材との色合わせなどで、方向性の確認です。次回帰国された時には、揃えたサンプルを見ていただき、決めていく予定です。

03
2
 新宿パークタワー模型展 建築家31会

建築家31会のメインイベント、新宿パークタワー1階ギャラリーでの建築展示会+相談会を明日から開催します。
今回で24回目となった展示会です。
建築家という存在が、家造りということになると、まだまだ縁遠い存在のようです。我々建築家31会のメンバーは、日本の住宅デザインや室内環境、街並みを少しでもよくしたいと思い、できるだけたくさんの皆さんに、気軽に建築家の活動、仕事を知っていただきたくて、この会を続けています。
30の建築設計事務所が、参加しています。
どの事務所も個性豊かで、住宅づくりを中心に活動しているメンバーです。
トークショーなども行いますので、たくさんの方においでいただければ嬉しいです。
明日金曜日は13時より18時まで 、
4日(土)と5日(日)は、10日から18時まで開催しています。