04
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 下地の修正と設備工事/床暖パネル、空調ダクト


仕上がると隠れてしまう下地の工事が、仕上げのためには大切な工事です。
これが間違っていたり精度が悪いと、デザインの意図通りにならなかったり、雑な仕上げになってしまいます。
「アジアンテイストリフォーム」の現場での打合せで、間柱の立っている位置が、数センチずれているのが確認できました。仕上げがどういう形になるのかを説明して、直してもらうことになりました。
マンションリフォームの場合、既存で動かせないものがいくつかあるのですが、仕上がりとしては、それをそのままにしておくと、デザイン的にカッコ悪くなるので、すっきりとまとめ上げるためには、少し複雑な下地作りが必要となることがあります。

それを現場監督さんや大工さんにわかってもらうために、詳細な図面(今回は1/2の図面)を描いたり、スケッチを描いたりしながら、説明しています。今回もポイントを早い段階で説明したのですが、十分に伝わっていなかったようです。
勘違いや思い違いは、どこにでもあるものです。現場での打合せ、確認は大切ですね。
この現場では、フローリングを始めとして、造作材でもチーク材を多く使います。
チーク材は、油分が多く耐水性耐久性の高い良い材料ですが、貴重な材料でもあり、大工さんも加工に慎重で、打合せも密になってきます。

 
大工さんが下地を作っていく各段階に合わせて、設備の工事もそれぞれのタイミングで進んでいます。

 
左は、リビングダイニングに計画している床暖房の温水パネルが敷き終わり、高さを揃えるように、周囲に温水パネルと同じ厚みのベニヤが敷かれたところです。
今回は東京ガスのTESシステムを使います。
 
 
 
 
換気のダクト工事に加え、キッチンのレンジフードからのダクト工事も進んでいます。
キッチンからのダクトは直径150mmと太いので、外壁から出す位置は、もともとコンクリート躯体に開いている既存の位置からとなります。
キッチンを室内の中心に移設した為、配管は、梁をまたいで繋げられていきます。曲げ箇所が多く、排気のロスもあるのですが、工事は面倒です。
デザイン的には、無理なく隠していきたいのですが、どうでしょうか?
完成した姿を見ていただきたいものです。

界壁と呼ばれるお隣との境のコンクリート壁は、コンクリートにクロスが直張りで仕上げられていた壁と、少し空洞があるように仕上げられていた壁がありました。
コンクリート直で仕上げられていると、コツコツとたたけば、どうしても音が伝わりやすいです。
空洞があった壁は、こちらの室内から、コンクリートに音が伝わりにくいようにと、配慮されて仕上げられていたと考え、クッションになるスタイロフォームのついたボードを使いながら下地を作ります。
現場にそのボードも搬入されていました。

来週は、クライアントが帰国して現場にいらっしゃいます。
ある程度まとまった様子を、見ていただきたいと思っているのですが、現場は少し遅れ気味です。
これまでの設計や現場の様子は、こちらからごらんになれます。
「アジアンテイストリフォーム」

04
9
 床下地工事進む

「アジアンテイストリフォーム」の現場報告です。
リフォーム現場でも新築と変わりなく、現場打合せは、曜日を決めて週1回で進めています。
現場は、床の下地工事が進んでいます。
新しいマンションではあたりまえですが、最近はリフォームにおいても、床の遮音性能を求められます。
このマンションでも、管理規約で床の遮音性能が求められていて、L45というレベルを守るようにとされています。
今回は、フクビ化学工業の乾式遮音二重床システムで遮音性能を確保しています。

今回の床暖房は、暖かさが柔らかいといわれる温水式床暖房で、東京ガスのTESシステムを使います。

床下に用意された床暖用の温水管が、床暖房パネルに接続される位置で立ち上がっています。
 
 
 
 

 
この配管の立ち上がりは、アイランドキッチンのためのものです。シンクや食洗機への給排水管に給湯管、コンロのガス管などが、キッチン屋さんの指示図の位置に出ています。
 
 
この日の打合せで事前連絡のあったのは、ダクト経路の確認です。
今回のプランでは、廊下というような場所がありません。ほぼ、大きなワンルームのような計画です。
既存の廊下は、天井高さをあげたキッチンエリアに取り込まれています。
天井の低い廊下の天井内に隠れていたトイレの換気ダクトがキッチンの天井上には収まりません。そこで、ダクト経路の変更です。

玄関周りのルーバー天井の上に露出で通す予定でしたが、現場との相談で、うまく隠せそうです。
ユニットバスの設置について、業者さんが位置の確認に来ています。
計画していた位置には、床梁が邪魔をしていて、5センチほどの調整が必要でした。現場に乗り込んでくる職人さんへの申し送りをお願いしました。

これまでの現場の様子は、こちらからご覧になれます。
「アジアンテイストリフォーム」
 

03
10
 マンションスケルトンリフォーム解体工事

「アジアンテイストリフォーム」の現場が始まりました。
 
 
まずは解体工事からです。
リフォーム現場ではよくあることですが、寸法が詳細に入っている竣工図というものが、この現場にもありませんでした。
壁の位置、梁の位置、設備配管(PS)の位置など、ほとんど図面に寸法記入がないので、天井や床をはがしてからの寸法確認をしなくてはなりません。
ある意味、ナゾを解くように既存図面の中の関係性から解いてきた寸法は、おそらく変更の必要があるでしょうから、解体後に寸法確認(墨出し)が必要です。

断熱材は、外壁面から1mほど部屋内まで吹き付けられていました。ヒートブリッジを抑えるためのもので、厚みはそんなにないですが、有効な断熱仕様になっていて良かったです。

トイレやお風呂の換気は、玄関側に抜いています。これは、ほぼ図面通りのようですが、トイレと洗面脱衣室が同じ換気扇になっていて、ちょっと不思議です。

浴室、洗面所周り設備配管の様子です。
トイレと洗面・浴室のコンクリートスラブ(床版)だけが70mm下げられていて、これもほぼ図面どおりで一安心。

もともと温水床暖(TES)を使っていたので、給湯機の付いている壁面は配管だらけです。
リフォーム後もTESによる床暖房と浴室暖房乾燥を使います。

この写真は、レンジフードからのダクトの出し位置と既存キッチンの共用排水管。ダクトは大梁を貫通させて出しています。
「アジアンテイストリフォーム」では、キッチンの位置を動かして、まさに生活の中心に移していきます。この縦排水管は使わなくなります。

既存トイレ周りの解体状況です。
トイレ周りも床スラブが下がっていました。これも概ね図面どおりです。
「アジアンテイストフリフォーム」では、トイレの位置も少し動かすので、図面どおりにコンクリート床が下がってないと、排水管を伸ばすために、大変なことになるところでした。
既存の排水縦菅は、PS壁で覆われていたのですが、コンクリートの床とコンクリートの天井から作られていたのではなく、コンクリートから浮いた置き床と天井の仕上げまでしか覆われておらず、スケルトン解体するとPS壁を解体せざるを得ませんでした。少しいい加減な仕事ですね。図面に寸法もなく、共用部が明確に区画されていない状態でした。
復元をして、お返ししなければなりません。
解体は順調で、管理人さんから、共用部の養生の状態も良く、しっかりしていると声をかけていただきました。
現場の皆さん、ありがとうございます。