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 JAS材を使うことの勉強会に行ってきました。

建築材料に使われる規格としてのJIS(日本工業規格だと思っていたのですが、昨年から日本産業規格に変わったらしい)は、とても多くの建材の基準になっています。

一般の方々は、あまりご存知ないのではないかと思いますが、木の柱や梁材などの構造材や内装などに使う造作材などの木製品にとっては、JAS(日本農林規格)という規格があります。
最近は、電車内の吊広告だけでなく、テレビCMも流れているので、ご存知の方もいるかもしれません。
柱や梁の強度、含水率などを機械的に測定することで、安定した品質の木材を供給するための規格ですが、日本の林業、製材業、材木業など、旧態依然とした慣習がまだまだ残っていて、なかなかJASという制度が使われていないのが現状のようです。

公共建築では、JAS認定品であることを求めることが多いようですが、民間の木造建築、特に木造住宅における構造材では、一般的な木材強度で、十分に足りることがほとんどです。
構造の詳細設計をするギルドデザインの木造住宅でも、特別な部分の木材を除いて、ほとんど強度指定をしなくても、必要な耐震強度を満たすように設計しています。
一般品の木材の方が、価格は安く、普通の工務店さんでも手に入れやすいからです。

JAS認定製材所となるためには、測定機器の購入や定期的な査察・報告など、製材所にとって、経費が高額となるので、どうしてJAS規格品の価格が高くなってしまいます。

価格だけを考えると安価な輸入木材や未認定材を使いがちで、JAS材を敬遠してしまいますが、JAS材には、もう一つ大きな使命もあるようです。
これからの森林管理、森の資源を永続的に良好な状態で、保全していくためには、JAS規格のことを一度考え直すことが、必要なようなのです。
世界的なFSC(森林会議協議会)や、SGEC(国際森林認証制度)など、循環的な環境保全のためのシステムに対しての日本の取り組みは、かなり遅れています。
JAS材を普及させることが、森林の徹底した管理への期待につながるようです。

世界環境としての森林というと、大きな話になりますが、我々の設計する小さな住宅でも、エネルギー消費を抑え、心地よい室内環境の住まいづくりの考え方は、そことつながっていると思っています。
微力ではありますが、住まいづくりを通しても、次の世代につなげていきたいこの環境を守っていく一助となれば、素晴らしいと思っています。