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 ウレタン吹付

「茶の間のある家_リフォーム」の現場では、断熱工事が始まりました。
この現場では、現場発泡ウレタンフォームの吹付による充填断熱工事です。
断熱工事には、大きく充填工法と外張工法の二つがあります。
外張り工法は、構造体である柱の外側に断熱層を作る工法で、充填工法は、柱と柱の間の壁の中の空洞部分に断熱材を充填することで、断熱層を作る工法です。
それぞれに長所短所はありますが、どちらも大切なことは、隙間なく断熱層で建物を包み込むことです。

充填工法には、使う断熱材の種類が多く、コストの違いもあります。
現場発泡ウレタンは、現場で壁面や屋根裏に、水発泡のウレタンを吹き付けることで、ウレタンが発泡して隙間がなく膨らみながら断熱層を作っていく工法です。

この現場では、窓枠周りの細い隙間は、発泡ウレタン屋さんではなくて、工務店さん工事です。小型缶タイプの吹付材を使って、後日この隙間を埋めていきます。

ここは、1階のお風呂。
寒いお風呂にならないように、基礎から外壁までしっかり断熱します。
お風呂の天井部分の上は、2階のバルコニーで、2階が室内となる部分では、天井の断熱はしませんが、ここの上は外部。
しっかり吹付をしています。

08
29
 蓄熱薪ストーブの勉強会の1


ギルドデザインでも薪ストーブや暖炉のある家を何軒が造っていますが、環境先進国であるヨーローッパの国々では、薪ストーブについても新たな基準が作られ、よりエナルギー効率が高く省エネで、安全な製品が普及しようとしています。
先日、「薪ストーブライフ」を出版している沐日社さんで、蓄熱薪ストーブの勉強会があったので、参加してきました。
講師は、スイスの薪ストーブ会社「TONWERK LAUSEN社」の日本代理店である「青い空」の小川さんが、愛知県より来てくださっていました。

日本は、「暖房」という考え方において、かなり後進国のようです。
いまだに室内で暖房機器を燃焼させて、ポイントで温めるような採暖という考え方が、大半です。
室内で燃焼させれば、空気が汚れ、新鮮空気の取り込みが必要になります。それは、外気=冷気を室内に入れなければならないということです。
韓国では、オンドルという床暖房がありますが、これは室外で燃焼させた暖気が床を巡るものです。暖房による室内換気の必要性はないことになります。
薪ストーブ同じようなもので、室内燃焼型で、日本では、鋳物製の薪ストーブが大半です。
鋳物製の薪ストーブといっても、ヨーロッパや北アメリカからの輸入品で、燃焼効率や操作のしやすさなどは、かなり良いものだと思っていました。(確かに、古いものとは比べられないほどの高性能でしたから。)
これからの新しい基準のなかでは、単なる鋳物性は時代遅れになりそうです。
住宅の高気密高断熱化、エネルギー利用効率強化が進むなか、薪ストーブも開放型から気密性を高めて、給気をどれだけコントロールするかへ移り、さらなる省エネ化が求められているようです。
そのなかで注目されているのが、蓄熱薪ストーブということです。

これまでの薪ストーブは、外装の表面温度が上がり、対流熱によって室温を上げるような作りになっていました。
表面温度は、燃えている間、必要以上に熱くなるのですが、消えてしまうと暖かさもなくなっていくので、薪を連続的に焼べる必要がありました。
対して、蓄熱型は燃焼による熱を、ストーブ内部の蓄熱材の蓄え、ゆっくりと放熱する仕組みを持っています。1回の薪の燃焼で、短いもので4時間、長いもので24時間も放熱するのだそうです。
ストーブ表面温度は、燃やしたときには上がるものの、90度前後に抑えることで、人体にとって快適となる遠赤外線を放出するということです。
 

 
蓄熱型と限ったわけではないと思いますが、薪ストーブの扉周りの機密性を高めるためのパッキン部分の詳細です。
専用ダクトから給気をおこない、空気のコントロールをしないと燃焼効率に問題が出てしまいます。
小川さんは10年も使っていても、このパッキンは痛んでいないとのことです。
 
 
 

06
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 「父娘で暮らす大屋根の家」が取り上げられました。

昨年9月のまだ暑い頃にお引渡しした「父娘で暮らす大屋根の家」を、リビングデザインセンターOZONEのスタッフさんのブログ<OZONE DIARY>で取り上げていただきました。
この住いは、OZONE家designのプロデュースで始まった計画です。
お引越が落ち着き、新しい生活に慣れてきた頃のアフターリサーチで、訪ねてくださったようです。
我々設計者もそうですが、プロデュース側でも、こうやって訪ねていただけることは、クライアントにとって、とても安心できることなのだと思います。
訪ねてくださった様子をぜひ、「OZONE DIARY 」よりご覧下さい。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
「父娘で暮らす大屋根の家」は、高齢のお父様の介護を考えながらも、少しは介護から離れた時間も欲しいという微妙な関係を、考えた高気密高断熱の住宅です。
1階は、お父様が生活しやすいように計画されたフロアで、普段のお二人の生活のベースとなる場所です。
クライアントである娘さんは、プライベートな時間を持つために、寝室を2階としながらも、吹抜けを通して、お父様の気配が感じられるようにと考えた間取りです。
吹抜は、そんな意味合いを持ちながら、この家の個性として、気持のよいおおらかさと美しさを演出してくれるように 考えています。
大きな屋根が、父娘のスペースと吹抜を、包込んでいる住宅です。
竣工写真は近々アップ予定です。少しお待ちください。
工事途中の現場の様子などは、こちらからご覧になれます。 
http://www.guild-design.com/category/仕事/musume_to_chichi-no-ie/ 

 
 

04
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 雑誌掲載のお知らせ「収納いっぱい子育ての家」

ちょっとした建築の専門誌となりますが、最近出版された「HEAT20 設計ガイドブック」(株式会社建築技術刊)という本に、「収納いっぱい子育ての家」の写真が取り上げられています。
これまで、もっぱら誘導目標として位置づけられてきた省エネ住宅化が、2020年には、適合義務化され、新たな段階に入ってきます。
「HEAT20 設計ガイドブック」は、その2020年に向けて、建築の専門家だけでなく、エンドユーザーにもわかりやすく、建築形態や技術、設備の使い方によって変わる住いの具合を、解説している本です。
「収納いっぱい子育ての家」は、今から十数年前に竣工した住宅ですが、当時、北海道並みの断熱気密性能を求めてつくった、大きな吹抜を中心とした子育て家族の住宅です。
「収納いっぱい子育ての家」が、この本で解説されているわけではありませんが、このような省エネルギー化を目指す本のなかに、写真として取り上げられたのは、とてもうれしく思うのです。
「収納いっぱい子育ての家」の竣工写真はこちらから
http://www.guild-design.com/works_w/kosodatenoie/ 
最近のギルドデザインの住宅は、高気密高断熱です。
木造住宅の新築、リフォーム、マンションリフォーム、鉄骨造やRC造住宅、それぞれにおいて、また建主の生活の仕方に応じての省エネルギー化を、工法を変えて提案しています。
最近少ないのですが、いまもコンクリートの打放しは大好きなので、断熱性の基準を義務づけすることについては、表現上の問題との関わりで、悩ましいのですが、住いが省エネ化に向うことはとても良いことで、この「HEAT20 設計ガイドブック」から学ぶことはたくさんあります。
「HEAT20 設計ガイドブック」および HEAT20 についてはこちらから
http://www.heat20.jp/index.html

12
28
 1年検査

1年とちょっと経ってしまいましたが「猫と暮らす小さな家」の1年検査にお邪魔してきました。

猫のゆうた君は、キャットタワーやキャットウォークの梁をよく使ってくれて、高窓の猫窓からは、外を覗いたりしてのんびりしているのだそうですが、この日は、みんなのいるところでまったりしたい気分だったようです。

 
ロシアンバーチを使ったキャットタワーがこの家の中心です。積層されたベニヤの目がアクセントです。

お邪魔したのは、小雨の降るような冬の寒い日ですが、中はとても暖かい。
空気がどことなく清々しい。
高気密高断熱の仕様と漆喰の壁天井、無垢のフローリングの賜物です。そして、地下室に置いた蓄熱暖房機と外断熱された地下コンクリートの蓄熱性によるものでしょう。
1階の玄関床は、とても暖かい。
洗面所やお風呂の床タイルも冷たくない。2階のフローリング床も、ほんのりしている。住宅内のどこに行っても寒いと思うところがない。
サッシの結露も見たことがないそうです 。
この家の室内温熱環境はとてもうまくいったようです。
喜んでいただいているようで、われわれも大変うれしく思っています。

地下に設置されたこの暖房機1台で、この住宅の暖房はまかなわれています。
夜間電力を使って貯めた熱を、昼の間に少しづつ放出して、1日を暖房するという機器です。
ここから出る熱量が外断熱されたコンクリートの地下壁、1階床スラブによって蓄えられます。輻射熱となる熱量が、うまく熱源となっているように思われます。
「猫と暮らす小さな家」の現場の様子は、こちらから
http://www.guild-design.com/category/仕事/猫と暮らす小さな家/ 
 

06
17
 住まいで減らす病気のリスク

現在、サッシメーカーのYKKapさんは、「ローエネで暮らそう」をテーマにして、窓を通して小エネルギーの生活提案を展開中です。
先月、ギルドデザインも建築家31会のメンバーとともに、YKKap品川ショールームにて、「ローエネで暮らそう」をテーマにセミナーと模型展を開催しましたが、今回は、YKKap全社が挙げてのローエネライフのイベントにご招待いただき、会場である東京ドームシティプリズムホールに、お邪魔してきました。
今回は、4月に発売された世界トップクラスになるAPW430等の発表と、慶応大学の伊香賀俊治教授による「住まいで減らす病気のリスク」というセミナーのあるイベントです。

室内の断熱化を進めることで、高血圧などの循環器系の病気だけでなく、アレルギー性鼻炎や、関節痛、室内熱中症などが改善されてくるそうです。
これまでも、冬場の寒いトイレや熱い風呂への出入りなどの時に、高血圧の方の脳血管疾患の問題は、取り上げられてきていましたが、先進するイギリスの住宅事情の紹介やデータをもとに、 循環器系だけでない健康対策の問題として、紹介いただきました。
建物全体が暖かくなるだけで、高齢者の歩行歩数が2000歩ふえる、外に出ることもいとわなくなるのだそうです。
日本では、まだようやく調査が始まったばかりのようですが、これからデータが蓄積されることで、 長期的な社会保証の問題とも大きく関わってきそうなテーマです。
ギルドデザイン設計の住宅も、最近は、ほとんどが高気密高断熱住宅になっています。
新築を考える年代である40才未満の方にとっては、血圧のことなどは問題とされないことでしょうが、40年、50年、さらには100年と住んでいただきたい住宅です。その大切さを実感させられる講演でした。
建築家31会のメンバーのたくさん参加していました。
休憩の間に、集合写真をとっていただきました。