07
24
 アジアンテイストリフォーム1年検査

昨年お引き渡した「アジアンテイストリフォーム」の1年検査に行ってきました。
1年後に改めて検査をするというのは、設備などの使用も一巡し、仕上げに使う自然素材なども、乾燥や高湿度を経験し、調整が必要な部分が見つけやすくなってくるのです。

我々にご依頼いただく住宅設計でも、既製品利用は多くなってきていますが、基本的には注文住宅は一品生産です。人手作るものですから、不具合が発生は、避けられないのかもしれません。
もちろん、工事だけの問題ではなく、設計上の配慮が足りないということから起こる不具合もあり、我々はそういう経験を積み、対応していくことが重要なことです。

不具合なしということもありますが、今回は、幾つかの修繕ポイントが見つかりました。
といっても、実は6ヶ月検査を今年の1月にしていたので、すでに確認ができていた問題点なのですが、クライアントは、まだ東南アジアでのお仕事が忙しく、日本には帰ってこれない生活をされているので、手直しなどは、1年検査の時にまとめてやりましょうということになっていました。

残念だった点は、壁と天井に塗ってあったドイツ漆喰のひび割れです。
若く熱心な大工さんで、とても良い方だったのですが、下地の作り方にもう少し手をかければよかったのかもしれません。
このドイツ漆喰は、かなり強度のあるコバウという専用の壁紙を下地に、ローラーで塗る工法ですが、専用壁紙を貼っている下地が動いて、そのコバウという紙が切れてしまい、仕上げの漆喰部分にもヒビが入ってしまいました。
下地の補強を打ち合わせしましたが、さらに大工さんとも検討してもらい、専用壁紙からの張り替えた上に、もう一度ドイツ漆喰を塗らないといけません。

 

「アジアンテイストリフォーム」では、無垢のチーク材をたくさん使っています。フローリングから、天井のルーバー、上がり框などです。
そのチークの無垢材に狂いが出ていました。
1月の半年検査では、乾燥によるひずみが気になる感じに出ていたのですが、湿度が上がり、夏のこの時季には、少し治まってきていました。少し戻ってきているようです。
床鳴りなどもそうですが、無垢の材料の難しさ、怖さでもあります。
だんだんと落ち着いてくることもあるので、ある程度は様子見が必要です。

無垢材だから、少しくらいのアバレはしょうがないと、よく言います。
それが、ある程度のものであれば、変化を楽しんだり、気にならなかったりしますが、アバレがないのに越したことはありません。
アバレを見越して、その対策を施せる職人さんは少ないです。
材料の扱い方、材料の質の見分け方などは、大変な技量と経験が必要です。
最近では、木材の質の良し悪しを見分けられる目利きの材料屋さんはいるのでしょうか。

上の写真は、玄関の畳コーナー小上がり部分(飾りの間)です。チークの無垢材を使っているこの住宅ですから、畳への上がり框もチーク材です。
畳も本畳で厚みがあるので、その厚み分のチーク部分にヒネリが出ているようです。
下地の取れる部分は、しっかり固定できるのですが、畳の厚み分は、チーク材がフリーになってしまっています、その部分、畳との間に空きができていました。
これは、1月の写真で、乾燥によるものだと思われます。今回の1年検査との時には、これほどの空きはなくなっていました。
うまく自然に収まってくれると良いのですが、歪んだ木材を戻すのは、とても大変です。

これは原因がわかりにくいのですが、一部ペンキ部分にもヒビが見られました。
寒冷紗処理をしてもらい、塗り直しをお願いしています。

他にもチーク材のドア框に割れが入っていたり、エアコンが効かなくなっていたりで、建設会社の監督さんも一緒にチェックしてもらいまいした。
まだ日本に住んでいらっしゃらない施主です。帰国されたタイミングでの補修工事予定を段取り良くと、お願いしました。

 

検査の後には、クライアント手作りのベトナムランチをいただきました。
ベトナムのつけ麺とサラダ。名前を忘れてしまいました。
下の写真はつけ麺です。
肉団子とお肉にシソやレタス、もやし。
この具材とお米の麺を、唐辛子のちょっと入ったナムプラーベースのつけ汁につけていただきます。


お米の麺といえば、フォーしか知りませんでしたが、フォーは平麺で、これは丸麺(?)。麺にも何種類かあるのだそうです。
今回いただいたのは、ブンでしたでしょうか。

これは、サラダ(ですよね)。パックチーが効いてます。
パックチー好きとしてはたまりません。

ベトナム料理をふるまっていただくのに、東京で買えるベトナム食材屋さんを探してくださったそうです。蒲田の福山商店というのを見つけられて、買ってきてくださいました。

東南アジアの料理が大好きな僕には、ありがたいやら、わざわざ出向かれて申し訳ないやらですが、珍しいベトナム料理を美味しくいただいた上に、楽しそうなアジアの食材屋さんも教えてもらいました。
今度蒲田に行くことがあったら、寄ってみたいです。

「アジアンテイストリフォーム」は、20坪程度のマンションのスケルトンリフォームです。
クライアントが、東南アジアでの今のお仕事を引退された後の住まいとして、キッチンを中心とした間取りで、お客様をお招きしたい。
これまで集めてこられた絵画や小物、家具に囲まれて一人暮らしを楽しみたい。
マンションでもご近所との良好なお付き合いをしていきたい、などの思いを受けて提案した計画です。
「終の住処」ともいえる計画です。
ミャンマーで購入されたチークの透かし彫りをどう見せるかもポイントで、チーク材をキーにして、漆喰などの自然素材を選んで仕上げています。

「アジアンテイストリフォーム」の竣工写真アップが遅れています。
もうしばらくお待ち下さい。
扶桑社から昨年発売された「別冊住まいの設計 オトナリノベーションvol.2」に、「キッチンが真ん中の家」として、紹介されています。

工事の様子などはこちらからご覧いただけます。
blog>アジアンテイストリフォーム

06
16
 お引き渡しからオープンハウス


先日のこととなりますが、「アジアンテイストリフォーム」は、クライアントより、オープンハウスを開催する機会をいただきました。
たくさんの方に内覧していただき、多くのご意見、感想をいただくことができました。ありがとうございました。
混み合う時間もありましたので、話足りない方々も多くて、申し訳なく思っています。
今回のオープンハウスは、お引越しの後のお時間をいただいものですから、家具や部屋の飾りも揃っていて、我々が設計を通して検討してきた「生活」を感じていただきやすい内覧会となりました。
皆さんどう感じていただけましたでしょうか。
来ていただいた皆さんそれぞれから、お話が聞けず残念でした。



 
 
オープンハウスの数日前には、クライアントへのお引き渡しが行われました。

引渡しでは、工務店さんから、保証についての説明、メンテナンス等での連絡先などの説明があり、引渡し書にお互い署名捺印して、鍵が渡されて、お引渡しが完了となります。
今回、鍵の作り変えが間に合わず、ちょっと残念でした。すばらく古いものを使っていただくこととなってしまいました。
また、引渡しの時には、使い方説明もおこないます。
説明は、設備機器の使い方が中心で、給湯器や床暖房、エアコン、電気など、業者さんの説明を受けます。
キッチンでは、amstyleさんが来てくださって、ていねいに説明してくださいました。
キッチンもそうですが、機器類はどんどん新しくなってきていて、一度聞いておくと、すぐ使わないとしても、後々役に立ちます。

「アジアンテイストリフォーム」の竣工写真は、次回、クライアントが帰国された時に予定しています。
ギルドデザインの works にも、いずれアップしていきたいと思います。お楽しみに。
これまでの現場の様子は、こちらからご覧になれます。
「アジアンテイストリフォーム」

06
4
 完了検査

 

「アジアンテイストリフォーム」の現場が、先週完了検査を迎えました。
今週は、クライアントが帰国されてのお引き渡しです。
設計事務所検査の前には、建設会社側での検査を済ませていたので、そのリストを見せていただきながら、進めてきました。

これまでの現場打合せで、詳細を詰めてきているので、基本的には、仕上げ状態や建具、家具などの操作感、電気・設備類の稼働状況などの確認が、主な検査項目となります。
細かな傷や仕上げ忘れ、下地が見えてしまっているところなど、まあだいたいどの現場でも結構あるものです。
クライアントへの引き渡しまでに、調整が終われば良いわけですから、それだけであれば、難なく引き渡しできそうです。

今回の検査では、ダウンライト位置の間違いが見つかりました。
器具の取り付け位置については、すでに指示図面を渡してあったのですが、少し分かりにくかったのでしょうか。
天井は漆喰塗りの仕上げなので、開いた穴の塞ぎ、漆喰下地のクロス貼り、漆喰の塗り直しと工程がいくつかあります。しかも漆喰は、その場所だけの補修では済まず、つながる一面は全面塗り直さなければなりません。ちょっと大変そうです。
幸いなことに、電気屋さんは、工事が遅れていたために現場作業中で、早速手直しです。

よく見ないとわからないのですが、この格子戸にもガラスの入っていないところがあります。これは、ガラス屋さんが持ってくるだけですから、造作ない話ですが。
玄関の小上がり「飾りの間」には、畳が敷かれます。
今回の畳は、床を藁で作り、縁は、木綿で巻いています。
最近の新建材の畳床は固いのだそうですが、昔からの藁床は柔らかく沈みやすいのだそうです。
最近の化繊の縁ではなく、木綿の縁は擦れると音が出やすいのだそうです。
そんなことで、畳の擦れ音が気になっていたのですが、早速、畳屋さんが手直しに来てくれました。音の鳴る部分にロウをぬるだけでしたが。

完了検査ですから、すべての工事が終わり、清掃まで終えていないと、細かい傷などみつけられないわけですが、清掃はしたものの、建具屋さん、電気屋さんの工事途中での検査となってしまいました。
一週前の現場確認の時には、無事に検査が迎えられそうでしたが、昨今の状況から、職人さんの細かな手配がつきにくかったのでしょうか。残念です。
「アジアンテイストリフォーム」は、6月10日(土)にオープンハウスを行います。ご興味がある方は、ご連絡ください。案内をお送りします。
詳しくはこちらをごらんください。
「アジアンテイストリフォーム」オープンハウスのお知らせ

01
26
 「ろじのさき」が、アプローチアイデアに取り上げられています

新年になって、「ろじのさき」が続けざまに houzz にピックアップされています。
今回は、日本サイトです。
「くつろぎとセンスをアピールするアプローチのアイデア」という特集記事の中で、「住宅密集地におけるアプローチの工夫」として取り上げらています。

たびたび houzz には取り上げていただいていますが、今回は日本語ですので、我々もホッとして読ませてもらいました。
皆さんにものぞいていただければ嬉しいです。
記事にもありましたが、「ろじのさき」は敷地面積13坪程度で、建ぺい率が60%のため、建築面積8坪程度の小さな3階建て住宅です。
南側にはすでに木造3階建ての住宅が建ち、道路は幅が1.8mほどしかない住宅密集地ですが、このなかで、できるだけ広々と、お子さんとの快適な生活ができるようにと工夫した住宅です。
「ろじのさき」の竣工写真はこちら
工事中や最近の様子ははこちら からどうぞ。