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 左官上塗り

「マンションの茶席」の現場も大詰めです。

左官屋さんが、中塗りを終えて中二日開けたところで、上塗りに入りました。
僕が大学院を卒業後に勤めていた水沢工務店では、中塗りの段階で聚落土入りの材料をつかっていて、中塗り段階では、仕上がっているように見えたものです。
中塗りで1年ねかしておいて、落ち着いた段階で上塗りをするというようなこともしていました。

上塗りは聚落ですが、天然のものではありません。本格的な土壁でもない限り、本来の聚落土で仕上をすることは、まず少ないでしょう。
天然の聚落ではなくとも、風合いもよろしいし、割れの心配もすくない、何より工期が短くてすむのは、現代の住宅の中に造る和室やリフォームには向いた、すぐれた材料です。

火灯口の曲線もきれいに塗り上げられました。
襖はまだですが、障子は納められ、障子紙は、美濃紙を千鳥(レンガ張り)に貼ってもらいました。
今日では、障子紙は機械で漉くことで、大きなサイズが造れますが、かつてはそういうわけにもいかず、1尺程度の巾のものでした。
この茶室でも、そういう障子紙のつなぎを楽しんでもらいたくて、障子の組子の割付を紙の寸法をもとに組んでいます。
障子紙は障子1本で2枚半を貼り並べるともいわれますが、そこまで厳密ではなく、組子と組子の真ん中に、つなぎ(巾1分弱)が出るようにしてもらっています。

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 塗装の試し塗り

お盆休みの直前、「父娘で暮らす大屋根の家」の現場では、室内のおおよその工事が一段落して、塗装屋さんが入っています。
この日は、クライアントの使い勝手に倣って造ってもらったオーダーキッチンの塗装について、塗装屋さんにサンプルを造ってもらっての色決めです。
アイランドのカウンターキッチンとバックのカウンターと吊り戸棚をシナベニヤで造っています。今回はシナベニヤの生地にムラはないようですから、色違いを押える必要はなさそうです。
ウレタンのクリアで塗装すれば、塗れ色になり少し色味があがります。 ここの出入り口の扉はシナベニヤです。出入り口の扉はクリアで仕上げるつもりなので、キッチンはそことは少しだけ違った印象になるように、白で少し色味を押えるようにしようとかんがえて、どの程度に抑えるかの確認のために、塗装屋さんにサンプルをお願いしました。


建具工事も一段落して、リビング吹抜と2階のフリースペースとを仕切る障子窓にもシートが入りました。

外部では、仮囲いもとれて、いよいよ外構工事が始まります。

 
 

08
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 木建吊り込みと外部足場の解体

「父娘で暮らす大屋根の家」の現場は、8月に入って仕上がどんどん進んでいます。
8月初めには建具が入ってきました。
リビングの吹抜と2階のフリースペーストとはリビングダイニングの巾いっぱいの開口でつながっていますが、ここを仕切るのは障子です。
障子を貼る前の状態もなかなかいいものです。今回は組子を大きく割り付けていますが、もう少し細かく組んだ格子にして、空間の透けた境界の表現に使えないものかと思っています。

障子紙が貼られると、また表情が変わります。
この障子はワーロンシートというものを使って、落とし込みで造っています。
落とし込みとは、障子の骨組みの真ん中に溝を造り、板状のシートやガラスを入れる作り方です。こうすることで、リビングからも2階のフリースペースからも、どちらから見ても障子の桟が見えるような造りになります。
ちょっとわかりにくいでしょうか。ワーロンシートの入った状態をお楽しみに。
玄関引戸も入りました。
ナラ材の羽目板張りの引戸を造ってもらいました。外部ドアになりますから、板が暴れやすく、羽目板には面を取った方が、暴れた時の逃げになるのですが、ここは潔く、ピリッとするように面はとらずにお願いしました。
板と板は接ぎ合わされたように見事な仕上がりです。気持いいです。

もちろん、室内ドアも吊り込まれています。
これは、お便所の扉です。小さな明かり窓がわかりますか?

外部の工事では、吹付けの後、残されていた板金工事や樋の取付が終わり、外部足場がとれました。
ようやく建てもの全体が、姿を現しました。

外部では、外構工事がはじまります。