カテゴリー:仕事, 茶の間のある家_リフォーム

「茶の間のある家_リフォーム」では、解体工事によって見つかった構造体の問題への対策工事が進み、内部の仕上げに向けての現場打ち合わせが、再開されています。
どうにかユニットバスの設置も予定通りにおさまりそうです。

これも解体していく中で、見つかったことですが、既存のユニットバスの床下には、排水管となぜかガスの引込み立ち上がり管、そしてとても厄介だったのが、水道の引込み管が隣地からこの床下を通って、また隣地へと繋がってそうだったりと、古い建物にはよくある権利関係が無茶苦茶になってる問題が、ありました。
しかもここだけ土間がコンクリートで、それぞれの配管の様子を探るのに、土間を壊さないといけないのですが、壊す時に古い管を痛めてしまいそうで、手を出しにくい。
水道屋さんやガス屋さんに何度か足を運んでもらって、周辺を掘りながら状況の確認をしていくと、どうも水道局の図面と水道管の様子が違うようで、水道管の引込み位置が変わっていることがわかってきました。
ユニットバスの設置についても、既存のガス管等の影響、既存基礎や断熱材の関係で、設置高さが、なかなか決められなかったのですが、基礎の打ち直しの時に、少し修正することで、納まるようにセットできました。
この日の打ち合わせが、ユニットバス屋さんによる墨だしで、無事納まることが確認できました。

ひと月半ほど、現場が遅れてしまいましたが、大工さんとの内装へ向けての打ち合わせも始まっています。

これまでの現場の様子はこちらからどうぞ
「茶の間のある家_リフォーム」 

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2016年09月9日

カテゴリー:仕事, 茶の間のある家_リフォーム

「茶の間のある家_リフォーム」では、基礎の打ち直しが完了して、木造本体の補強工事に移りました。
腐っていた柱や白アリにやられていた土台などの取り替えを終え、新規土台、新規柱、つないだ部分などの構造的な補強が始まりました。

基本的には、構造用の金物で接合部を補強していきますが、柱や梁に添え木をし、外周部を構造用合板によって、面的に固めることで強度を増していきます。
 
 
 
 
傷んでしまっていた既存構造体の取り替え補強に加えて、改めて構造計算をしなおしたことで、必要とされつ耐震構造のための金物も追加されていきます。
上右の基礎と柱をつなぐホールダウン金物は、地震力を受ける壁から伝わる力を柱と基礎で支えるためのものです。

外壁部分は、構造用合板で包み込んで、耐震補強するのですが、部分的にはこの写真のように、筋違(斜めの木材)も加えて補強しています。
今回のリフォームでは、間取りも変えています。
部分的に、柱を抜いている部分もあり、新たに柱を加えたり、梁という部材を追加して、構造的な強度を増していきます。


既存の構造体に新しい梁(床を支える構造部材)を加えるにも、構造用の金物を利用していきます。

写真は、床を支える梁の上に打ち付ける合板です。
構造用の合板の厚いものを、基準の釘とピッチで打固めることで、床が地震の時にも地震の力を抑え、地震の力が分散するようにします。水平剛性を作るといいます。
2階でも、一部間取りを変えています。
やはり、既存を補強しながら、新しい構造材を追加していきます。

構造体は、随分と固まってきましたが、まだ外周部に構造用合板を打ち付けなければなりません。
構造用合板の止め方について、現場に確認して、新たな指示も出し、構造の確認をしてきました。
これまでの「茶の間のある家_リフォーム」の現場の様子はこちらから
 
 
 
 

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2016年09月5日

カテゴリー:インフォメーション, 仕事, 展示会、セミナー

ギルドデザインが参加してる「建築家31会」では、東急電鉄「住まいと暮らしのコンシェルジュ」さんと協同して、住宅づくりの裾野を広げようとしています。
その先行検証として、二子玉川ライズ S.C.店のお店の一部に、建築家31会の展示スペースをお借りしています。
建築家31会のメンバーのうち都合のつくものが順番に、その展示スペースに模型や作品集、写真パネルを置いています。
この週末からが、ギルド・デザインの当番ということで、模型展示をしてきました。
2週間ほど展示しています。

これまで コンシェルジュさんでは、建築家との家造りという選択肢がありませんでしたので、新たな試みということで期待を持たれている企画です。
小さなスペースですが、お近くにおいででしたら、覗いてみてください。コンシェルジュさんも丁寧に対応してくださいます。
17日、18日には建築家との相談会の予定で、ギルドが担当です。

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2016年09月2日

カテゴリー:仕事, 勉強会

蓄熱ストーブの勉強会で、遠赤外線についても教えてもらいました。
室内温熱環境を考えるにあたって、 最近話題になっている輻射熱の話でもあります。

蓄熱薪ストーブは、内部に蓄熱材を蓄えているのですが、クラッディング(外装材)も蓄熱材で覆われています。
蓄熱材として使われるのは、天然石やセラミックです。
天然石やセラミックには、その構成物に酸化化合物、 酸化鉱物が多く含まれていて、その酸化物の働きにより、天然石やセラミックは、遠赤外線の良い吸収体であるとともに、良い放射体ともなるのだそうです。
蓄熱ストーブも鋳物ストーブもどちらも遠赤外線は出しています。ただ、燃焼時の表面温度が違うために、放射する遠赤外線の波長が違います。
遠赤外線は、3μm〜1000μmの長さの波長を持つ電磁波で、波長には、幅があります。
このうち、人にとって心地よい温度と感ずる波長というのは、8μm〜14μmで、この波長を出す表面温度というのが、90度以下なのだそうです。
蓄熱ストーブというのは、ガラス表面こそ250度くらいにあがるものの、多量の天然石やセラミックを蓄熱体として使うことで、外装部を90度程度の温度となるように、薪の燃焼から発生する熱量を閉じ込め、ゆっくりと放熱するストーブということです。
その熱は、空気を温めるのではなく、直接人に届くような熱エネルギー(遠赤外線)にもなるということです。
表面が高温となるストーブは、遠赤外線を輻射熱として飛ばしつつも、多くの熱エネルギーは、対流熱として空気を温めるのに使われ、薪が燃焼している間は熱いのですが、燃焼が終わると、急激に冷えていくことになります。
どのストーブが良いかということとなると、使う環境、条件によるのですが、すくなくとも、1回の燃焼で、長く適温を保つことができる蓄熱薪ストーブの省エネルギー性は、かなり高いということです。
下の写真は、勉強会で体験させてもらった遠赤外線の実験の様子です。

ガスコンロと、コンロによって熱せられた天然石が置いてあり、その右にファンがあり、横から風邪が送れるようになっています。
火のついてコンロも熱せられた石も、その上に手をかざすと熱く感じます。
どちらも熱が上昇してきているのですが、横から風を送ると、コンロからの熱は、吹き飛ばされて、かざした手に熱気が感じられなくなります。
それに対して、石の上にかざした手には、熱気が感じられます。
コンロの炎からの熱が、空気の対流熱であり空気が飛ばされれば、熱を感じなくなるのに対して、石からの熱は、遠赤外線の輻射熱(電磁波)で、輻射熱が空気を介在しないで熱を伝えているということないなります。
薪エネルギーの多くを蓄熱して、遠赤外線として利用する蓄熱ストーブは、省エネにおいては、とても有効そうです。
しかし、この勉強会では話が出ませんでしたが、少し勉強してみると、輻射熱、遠赤外線というのは、扱いの難しいエネルギーでもあるようです。
まだまだ、勉強することはたくさんありそうです。

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2016年09月1日

カテゴリー:インフォメーション, 仕事, 展示会、セミナー

今週末となりますが、アーキテクトスタジオジャパンの住宅展「未来をのぞく住宅展」に参加します。
今回は東京北スタジオ主催によるイベントで、4日の15時からはセミナーと担当します。
セミナーテーマは「中庭を造る減築リフォーム」です。
建物の面積を減らしながらも、中庭をつくった戸建住宅のリフォームの話です。
中庭によって生まれた豊かな空間について、計画、工事、竣工の様子を、写真と図面を見ていただきながらお話しする予定です。
会場:北とぴあ B1展示ホール
北区王子 1-11-1
時間:9月3日 10時半〜18時
9月4日 10時半〜17時

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2016年08月30日

カテゴリー:仕事, 勉強会


ギルドデザインでも薪ストーブや暖炉のある家を何軒が造っていますが、環境先進国であるヨーローッパの国々では、薪ストーブについても新たな基準が作られ、よりエナルギー効率が高く省エネで、安全な製品が普及しようとしています。
先日、「薪ストーブライフ」を出版している沐日社さんで、蓄熱薪ストーブの勉強会があったので、参加してきました。
講師は、スイスの薪ストーブ会社「TONWERK LAUSEN社」の日本代理店である「青い空」の小川さんが、愛知県より来てくださっていました。

日本は、「暖房」という考え方において、かなり後進国のようです。
いまだに室内で暖房機器を燃焼させて、ポイントで温めるような採暖という考え方が、大半です。
室内で燃焼させれば、空気が汚れ、新鮮空気の取り込みが必要になります。それは、外気=冷気を室内に入れなければならないということです。
韓国では、オンドルという床暖房がありますが、これは室外で燃焼させた暖気が床を巡るものです。暖房による室内換気の必要性はないことになります。
薪ストーブ同じようなもので、室内燃焼型で、日本では、鋳物製の薪ストーブが大半です。
鋳物製の薪ストーブといっても、ヨーロッパや北アメリカからの輸入品で、燃焼効率や操作のしやすさなどは、かなり良いものだと思っていました。(確かに、古いものとは比べられないほどの高性能でしたから。)
これからの新しい基準のなかでは、単なる鋳物性は時代遅れになりそうです。
住宅の高気密高断熱化、エネルギー利用効率強化が進むなか、薪ストーブも開放型から気密性を高めて、給気をどれだけコントロールするかへ移り、さらなる省エネ化が求められているようです。
そのなかで注目されているのが、蓄熱薪ストーブということです。

これまでの薪ストーブは、外装の表面温度が上がり、対流熱によって室温を上げるような作りになっていました。
表面温度は、燃えている間、必要以上に熱くなるのですが、消えてしまうと暖かさもなくなっていくので、薪を連続的に焼べる必要がありました。
対して、蓄熱型は燃焼による熱を、ストーブ内部の蓄熱材の蓄え、ゆっくりと放熱する仕組みを持っています。1回の薪の燃焼で、短いもので4時間、長いもので24時間も放熱するのだそうです。
ストーブ表面温度は、燃やしたときには上がるものの、90度前後に抑えることで、人体にとって快適となる遠赤外線を放出するということです。
 

 
蓄熱型と限ったわけではないと思いますが、薪ストーブの扉周りの機密性を高めるためのパッキン部分の詳細です。
専用ダクトから給気をおこない、空気のコントロールをしないと燃焼効率に問題が出てしまいます。
小川さんは10年も使っていても、このパッキンは痛んでいないとのことです。
 
 
 

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2016年08月29日

カテゴリー:インフォメーション, 仕事, 建築家31会

建築家31会では、ブログの更新をメンバーの持ち回りでしています。
「ばとろぐ」というなまえで、バトンを受けながらメンバーにつなぐブログとして、その時々の話題をお話ししています。
今週は、ギルドデザインの担当で書いてきました。
ギルドデザインではここのところリフォームのお話しが多く、とくに戸建住宅でのスケルトンリフォームが続いています。
最近続いている戸建住宅のスケルトンリフォームは、
「中庭を造る減築リフォーム」「耐震+省エネリフォームの家」「型式住宅のリフォーム」「茶のある家_リフォーム」などがそうです。
なかには、建替をあえてしないのではなく、「建替のできない家」のあります。
建替ができないから古いままでいるのではなく、建替ができなくとも、現在の家族のための現在の住まい方の間取り、現在の住まい方に求められす性能の住宅に造り替えることは可能です。
古い建物では、構造も断熱性能もかなり弱いものですが、スケルトンリフォームをしながら、性能アップが図れます。
古いだけに、思わぬ難題も発生しますが、なんとかなっていくものです。
そんな話しをしています。
よろしかったら、31会のブログ「ぱどろぐ」もごらんください。
僕の書いているのは「建替できない家のリフォーム」です。

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2016年08月27日

カテゴリー:仕事, 茶の間のある家_リフォーム

「茶の間のある家」の既存基礎は、無筋で、クラックも大きく入っていたこともあり、この機会に新しく打ち直すことになりました。
事前調査で、基礎の立ち上がりが低くく、地面からの湿気の影響を受けやすいことはわかっていたのですが、解体し今まで見えなかったところが見えてくると、基礎の高さと地面の高さが、ほとんど変わらないところが見つかりました。
それくらい既存基礎の高さが低くく、同じ高さで作っては、また湿気による悪い影響を受けてしまいます。
どうせ基礎を打ち直すのなら、基礎の立ち上がりを高くし、床下は、全面コンクリートで造り(ベタ基礎)、基礎の強度を高めつつ床下の湿気を押さえるようにすることとなりました。
そこで、全面的な基礎の打ち直しとなり、先日配筋検査に行ってきました。

上の写真は、基礎配筋前の根伐り状態の確認です。
基礎の立ち上がり高さが変わるので、全体高さを変えないために、既存の土台は撤去し、柱も詰めることとなりました。


配筋検査での主なチェックポイントは、鉄筋の太さ、鉄筋の並ぶピッチ、鉄筋はどこかでつながないといけないのでそのつなぎ方、それに、コンクリートのかぶり厚さ(鉄筋の周りにコンクリートがどんな厚さでついているか)などです。
上の写真は、床部分の鉄筋配筋の様子です。d13の異形鉄筋を200mmのピッチで組んでいます。
下の写真は、基礎梁部分の配筋の様子です。
鉄筋の太さ、ピッチ、つなぎ方には問題はありませんでしたが、かぶり厚さの不足している部分が見つかり、そこは修正をお願いしてきました。

鉄筋コンクリートは、鉄とコンクリートの良いところをお互いに利用しながら、強度を作り出す構造です。かぶり厚が不足するとその強度を十分に発揮できなくなるだけでなく、外部からの影響もうけやすく、鉄筋の酸性化などが早く進むこととなります。
酸性化すると鉄筋が錆びやすく、どんどん劣化も進むことになってしまいます。
我々は建主代理として、住宅という建主の資産がより良いもの、間違いのないものとして引き渡されるように、しっかりとした監理をしなければなりません。
 

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2016年08月25日

カテゴリー:インフォメーション, 仕事, 建築家31会


ギルドデザインが参加している建築家による組合「建築家31会」では、建築家の仕事(主に住宅)を知っていただく、建築家は敷居が高い存在ではないことを知っていただく、建築家との住まいづくりが楽しく価値のあるものであることを知っていただくために、定期的に展示会などをおこなっています。
いつもは、メンバー全員によるイベントなのですが、今回は半数の建築家による模型展+建築相談会を横浜マークイズの東京ガスショールームをお借りして開催します。
ギルドデザインは、来春1月の同じくマークイズイベントに参加の予定で、今回は展示参加していませんが、お時間がありましたら、ぜひ訪ねてみてください。
建築家によるトークショーもおこなっています。気軽に参加していただけるイベンドです。

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2016年08月24日

カテゴリー:インフォメーション, メディア, ろじのさき, 仕事

三たびとなりますが、「ろじのさき」が、また、Houzzの海外サイトの特集記事で、ピックアップされています。

「ろじのさき」は敷地面積13.6坪という狭小敷地に建つ住宅です。
建ぺい率60%のため、建築面積は8.1坪という都市に建つ小さな木造3階建ての住宅です。
多分、海外サイトでも、そんな小さな住宅とは、思いもしないで、写真だけがピックアップされているのだと思いますが。
今度は、イタリアです。特集テーマはどうも「夏を過ごす屋外の小さなスペース」とでもいうような感じです。
イタリア語の読める方、どうぞ、サイトを訪ねて内容をおしえてください。
Houzz イタリアの特集記事はこちらです。
Houzzは、インターナショナルな住宅のリモデルやデザイン・設計のためのプラットフォームです。
たくさんの住宅、建築の写真がアップされていて、一般の方が自身の住宅イメージをまとめる上で、参考になるサイトだと思います。
「ろじのさき」の竣工写真はこちら
「ろじのさき」の現場の様子はこちらからどうぞ。
 

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2016年08月3日

カテゴリー:インフォメーション, メディア

「猫と暮らす小さな家」、「親娘で暮らす大屋根の家」、「路地が巡る家」の3つがLINKLEのサイトに追加登録されました。
LINKLEのサイトはそれぞれこちらです。
「猫と暮らす小さな家」
 「親娘で暮らす大屋根の家」 
 「路地が巡る家」



LINKLEは、建主とプロフェッショナル達をつなぐ「住まいのライブラリーサイト」で、リビングデザインセンターozoneを運営する東京ガスコミュニケーションが企画運営するサイトです。
ギルドデザインがozoneに登録していることもあり、定期的に住宅作品のアップをしてもらっています。
ここのところ、ギルドデザインのworksでは、新作アップが滞っているのですが、こちらでは新しい作品のいくつかがご覧いただけます。
それぞれの現場の工事の様子などはこちらからどうぞ
「猫と暮らす小さな家」
「親娘で暮らす大屋根の家」
「路地が巡る家」
 

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2016年08月1日

カテゴリー:仕事, 茶の間のある家_リフォーム

解体によって既存の構造状態がはっきりしてきました。
クライアントにも状況を見ていただき、見た目で問題な部分だけでなく、今後、住み続けていただくため、長期的な視点から検討が必要な点についても説明させていただきました。
前回の解体状況のようすはこちらから
当初より、工事費用については、ある程度の含みをみてもらっていますが、基礎の補強は、対策の仕方によって、かなり費用アップとなります。
対策検討に少し時間をいただき、概算とはいえ見積をとって、工事費用を含めて最良となる方法を検討、相談させていただきました。
今回は、建主に決断いただき、既存基礎を残すのではなく、基礎をやり直すこととなりました。

 
基礎解体のためには、骨組みを持ち上げておかなくてはなりません。
曳家さんに見積をお願いしたのですが、結構高額な金額が提示されました。
工務店さんからの提案で、今回は規模の小さな家ということもあり、短期的に持ち上げておくだけの方法で、構造体を浮かせてもらいました。
さあ、これで基礎の打ち替えです。

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2016年07月27日