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 上棟と中間検査前の確認

お手伝いしている老人ホームが上棟して、屋根の野地板が張られ構造金物がつくという予定で、金物取り付け状況と中間検査の予定確認のために、構造設計者、元請設計事務所と共に、現場へ伺ってきました。

規模は大きいですが、木造平屋のこの建物でも、構造で検査することは、住宅と変わりません。
基礎と土台をつなぐアンカー、柱や梁に着いた引き抜き防止の金物、筋違の固定金物、屋根の水平剛性を確保するための火打金物や構造用合板の取り付け状況の確認です。
各部に使われている金物類の強度や取付位置・方法が、構造設計図どおりであるか、合板を止めている釘の仕様やピッチに間違いはないかなどを、細かく確認します。

外壁部の基礎部分と室内の間仕切り壁との取り合い部分で、高さの違いは、室内の基礎は、床仕上がりより低くするために下がっています。
外壁は、地面からの湿気などから土台を守るために高さが必要ですが、室内は、地面レベルからできるだけ床を上げずに、バリアフリーを実現するために下げたものです。
高さの段差とは別に、基礎コンクリートの側面にも段ができています。
これは、断熱材を必要とする外壁基礎と室内基礎の仕上げの厚みを調整するための段差です。

基礎断熱をするこの現場では、床下に気密性を作ることが重要です。
土台と基礎コンクリートの間に隙間ができては、外部との気密性が保てません。写真からは、基礎コンクリートと土台の間に、気密のためのパッキンが入っている様子がわかります。

ホームの個室の窓がこの柱間に開いてきます。
外構工事が進めば、竹林が美しく見えてきそうです。

実は、写真を見てお分かりかと思いますが、金物の取り付け工事が遅れており、この日の検査は、十分にできませんでした。構造設計者には申し訳ないのですが、再検査をしなくてはなりません。

 

 

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24
 基礎のコンクリート打設と現場打合せ

お手伝いしているつくばの特別養護老人ホームの現場打合せに行ってきました。

木造の平屋ですが、建築面積が1200㎡を超えているので、基礎の面積は、なかなかの大きさです。
建設会社は、木造もよくなさっている地元では大手のゼネコンですので、現場打合せの準備も行き届いていて、現場での意匠、設備それぞれの担当者同士の打合せから、施主打合せまで、スムーズに完了しました。

この日の現場は、基礎の立ち上がり天端の均しです。
基礎の天端には、土台をのせて、柱を立てます。
基礎の天端が凸凹していると、水平に敷かれる土台が基礎と密着せず、建物の荷重をしっかりと基礎に伝えにくくなります。
特に、この現場は基礎断熱なので、床下は断熱的には室内側です。
基礎天端と土台にできるだけ隙間がないように、基礎天端は平らに均しておく必要があります。
さらに、土台を敷く前には、気密性を上げるため、パッキンをかまします。

昔は、左官屋さんが、鏝を使って、モルタルの天端均しをしたものですが、いまはレベラーという水のようなモルタルを使って、天端の水平を作ります。
写真は、職人さんがレベラーを流しているところです。

現場打合せの帰りに、少し雨が降ってきました。
せっかくレベラーで均した天端が荒れてしまったのではないかと、少し心配しながらの帰途でした。

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 「蓄熱暖房と地熱利用の家」のメンテナンス

「蓄熱暖房と地熱利用の家(港南台の家)」は、7年ほど前に竣工した住宅です。

クライアントから、外部バルコニーの木部の再塗装のタイミングに合わせて、玄関ドアの不具合、それと昨年の台風による塩害でのステンレス部分のサビの相談などで、ご連絡がありました。

蓄熱暖房と地熱利用の家のクライアントは、メンテナンスのしやすさなど、設計当初から気にかけていた方です。
バルコニーや玄関ドアを木製で作るということは、狂いやすくメンテナンスが必要であることは十分ご理解いただいた上で、自然の素材感を楽しみたいということで採用したこともあり、もう2度目の再塗装になります。

おかげで、バルコニーでは、木部に痛みが出る前、出る前と、先行するタイミングで塗装をしてくださるので、とても綺麗に維持されています。

問題は玄関ドアの方で、反りが大きく、気密パッキンの間に隙間ができてしまうほどになってしまいました。
玄関ドアは、2階バルコニーが1間(1.82m)ほど出た奥にある南向きで、夏の強い陽射しや西陽が避けられ、雨掛かりも少ないと考えての木製玄関ドアでした。
同じように1間ほどの奥行きの玄関ポーチについた玄関ドアで、10年以上ほとんど狂いがないお宅もあるのですが、今回は、木製の難しさが出てしまいました。
気密性確保のためには、反りが大きく対応は難しそうです。
工務店、建具屋さんと対応を検討しないといけません。

 

02
26
 「茶の間のある家」1年検査

文京区でリノベーションした住宅「茶の間のある家」の1年検査にお邪魔してきました。
「茶の間のある家_リフォーム」は、築40年を超える木造住宅の耐震補強、断熱気密改修を中心に、いまお住いのクライアントのための生活に間取り変更などをしたリノベーション住宅です。

検査にお邪魔すると、片づけをされてはいるんだろうと思いますが、それでも、どこのお宅もきれいに使っていただいています。
それは、十二分な打ち合わせをさせていただいているからこそ、愛着ある住まいであり、使い勝手も良い証であるのだと思います。
「茶の間のある家」も、とてもきれいに使っていただいていました。
遊び盛りのお子さんが二人いるので、散らかりがちだと思いますが、お子さん達も自分達のスペースを上手に使っているようで、楽しそうです。

検査では、漆喰塗装の入り隅に一部ヒビが入っている部分が見つかったり、西日を直接受けるスチール製の玄関ドアに、若干の歪みが出るなどの指摘を受けて、修正・手直し工事の予定を立てました。
全体としては、大きな問題点はなく、検査は無事終了しました。
クライアントからは、暖かくて快適、使いやすいキッチンや洗面所など、嬉しい言葉をもらいました。

「茶の間」は、リビングであり、ダイニング、お客さんをお迎えする場でもある部屋です。小さな住まいならではかもしれませんが、多機能な部屋ながら、気持ちいい使い方をしてくださっています。
茶の間に用意しておいた棚や出窓は、子供達のおもちゃの収納場所というだけではなくて、作品やら小物たちで、可愛らしく飾ってありました。


 
畳とフローリングの取り合いもすっきり納まっています。


お子さん達の部屋は、家具を大工さんに造作してもらっていて、引き出し収納付きのベッドの下には勉強と本棚、洋服掛けのハンガースペースがあります。
お引き渡しの時には、穴だけ開けていたベッドのサイドボードと天井からの幕板には、ロープが張られて、落下防止のロープ柵が出来上がっていました。
2階のファミリールームは、お子さんの鉄棒練習場になっていました。
いまは、こういうものが購入できるんですね。
うちの中にこんな練習場所があれば、ちょっと嬉しくないですか?

 
「茶の間のある家」の現場や最近の様子は、ブログからご覧になれます。
こちらからどうぞ blog>茶の間のある家 
 
 

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27
 「父娘で暮らす大屋根の家」竣工写真をアップしました。


「父娘で暮らす大屋根の家」は、高齢のお父様と娘さんのお宅で、お父様の生活への補助・自律を考えながら、お父様の生活・体の具合の気配が自室にいてもわかるようにと計画した住宅です。
お引き渡し後、少し間が空きましたが、竣工写真をまとめましたので、works にアップしました。ご覧ください。
「父娘で暮らす大屋根の家」

05
11
 「借景のある家」展に参加しています。


今日から始まったリビングデザインセンターOZONEのイベント「借景のある家」展にギルド・デザインも参加しています。
現在、リビングデザインセンターOZONEでは、館内で、生活と植物をテーマに様々なイベント展開中という事で、そのテーマのなかでの建築との関わりで「借景」をキーワードにした建築展を開催するという事になったようです。
ギルド・デザインからは、山の中腹傾斜地に建ち、富士山を遠望し、尾根の緑、盆地の街を見おろしながら、季節の移り変わりを楽しんでいただく住宅「季節を見おろす家」の建築模型と写真パネルと展示しています。
ギルド・デザインは前半の5月11日から30日までの展示です。
 
「借景のある家」展  https://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/286
会期:5月11日(木曜日)〜6月20日(火曜日)  水曜休館
*1期は、5月30日まで。
時間:10時半〜19時
会場:リビングデザインセンターOZONE  3F OZONEウェルカムプラザ
東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー

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 今朝の東京新聞「暮らし」欄に取り上げられています。

昨年暮れにお引き渡しした「茶の間のある家_リフォーム」が、今朝の東京新聞「暮らし」欄の「住まい インテリア 彩り」のコーナーで、取り上げられています。

「茶の間のある家_リフォーム」は、都心住宅密集地の築年数が45年を超える狭小住宅のリフォーム計画です。
新築の検討もしたのですが、建て替えのできない敷地条件でした。
住宅密集地であっても、利便性の高いこの土地で子供達との生活を続けるために、クライアントはリフォームを選択して、耐震性、断熱気密性を高め、室内の温熱通風採光環境をできるだけよくすることとなりました。
その計画の内容を記事にしていただいています。
まさに、今朝の東京新聞20面です。110円です。コンビニでも購入できるので、 よろしければ是非ご購入ください。
「茶の間のある家_リフォーム」の現場の様子、現在の様子は、こちらから

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 ウレタン吹付

「茶の間のある家_リフォーム」の現場では、断熱工事が始まりました。
この現場では、現場発泡ウレタンフォームの吹付による充填断熱工事です。
断熱工事には、大きく充填工法と外張工法の二つがあります。
外張り工法は、構造体である柱の外側に断熱層を作る工法で、充填工法は、柱と柱の間の壁の中の空洞部分に断熱材を充填することで、断熱層を作る工法です。
それぞれに長所短所はありますが、どちらも大切なことは、隙間なく断熱層で建物を包み込むことです。

充填工法には、使う断熱材の種類が多く、コストの違いもあります。
現場発泡ウレタンは、現場で壁面や屋根裏に、水発泡のウレタンを吹き付けることで、ウレタンが発泡して隙間がなく膨らみながら断熱層を作っていく工法です。

この現場では、窓枠周りの細い隙間は、発泡ウレタン屋さんではなくて、工務店さん工事です。小型缶タイプの吹付材を使って、後日この隙間を埋めていきます。

ここは、1階のお風呂。
寒いお風呂にならないように、基礎から外壁までしっかり断熱します。
お風呂の天井部分の上は、2階のバルコニーで、2階が室内となる部分では、天井の断熱はしませんが、ここの上は外部。
しっかり吹付をしています。

09
29
 サッシ取付、バルコニー防水、電気配線、設備配管

「茶の間のある家_リフォーム」の現場は、順調に進んでいます。
 週に1回、現場での打ち合わせと工事の確認を行っていますが、工事は順調です。
窓周りのサッシが取り付き、バルコニーのFRP防水が終わり、電気の配管配線も進んでいます。水道ガス関係の配管も終わっていて、そろそろ断熱工事です。

 
 
お隣との境界ギリギリにある既存バルコニーを、防水からデザインし直します。
小さなバルコニーですが、洗濯物を干すにはとても大切なバルコニーです。
 
 
 
 
 
 

スイッチやコンセントは、使い勝手の良いように、そして、デザイン的には目立たぬように、図面上に寸法を入れて位置決めしています。
電気屋さんがその位置にボックスを入れてくれています。
 
 

給排水、ガス設備の配管も断熱工事前にしておかなければならないところは、完了です。
水道、温水の配管はほぼ完了しているので、漏れがないかを水圧をかけて確認しています。
 
 
この現場では、基礎のコンクリート周りは、スタイロフォームという板状の断熱材を接着密着させて、基礎断熱を行います。木造部分は、現場発泡ウレタンを吹き付けることで、隙間なく断熱層を作っていきます。

現場発泡の予定日は決められていて、それまでにやっておかないといけない工事が、順調に進んでいます。
断熱層は、隙間がないように施工することで、有効に効果を発揮します。そういう意味で、現場発泡ウレタンの吹き付けを選択することが多いのですが、吹き付け職人さんの認識が足りないと、吹き付け厚みが不足することがあります。
隙間なく施工することは当然として、そのことに十分気を使ってもらうように、現場にはお願いしてきました。

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 オープンハウスのおしらせ

「父娘で暮らす大屋根の家」の現場がそろそろ竣工を迎えます。
クライアントのご好意によりオープンハウスを開催することとなりました。
おからだを悪くされたお父様と生計を支える娘さんの生活を、介護の仕方、生活時間のずれの問題などを打合を通して検証しながらまとめていった住宅です。
吹抜、トップライト、中庭、デッキテラス、木製サッシ、アイランドキッチン、
パントリー、畳スペース、ドイツ漆喰、無垢フローリング、防火地域、自立介護、
高気密高断熱、障子、ロングカウンターなどがキーワードとなる住宅です。
8月30日(土) 13時から17時まで
文京区の椿山荘の近くです。
ご興味のある方は、ぜひご一報ください。詳しい案内をお送りします。
これまでの「父娘で暮らす大屋根の家」の現場の様子はこちらからご覧ください。
http://www.guild-design.com/category/仕事/musume_to_chichi-no-ie/
 

07
13
 「What's 家―教えてください 理想の住まい―」展

現在、新宿パークタワーのリビングデザインセンターOZONEでは、
「What’s 家―教えてください 理想の住まい―」展を開催中です。
現在の家づくりでは、とても多くのことが求められるようになってきました。
耐震性や断熱性、省エネ、耐久性、もちろんデザイン、そして、生活の仕方については、多様性が求められています。
このイベントの一つの展示に、「カタチになった理想の家ー建築家60選」という会場が用意されていて、ギルドデザインは、模型とパネル展示で参加しています。
展示しているのは、昨年竣工した「猫と暮らす小さな家」です。
会場では、
1、ペットと楽しく暮らす家
2、子供の成長を考えた家
3、趣味やこだわりを楽しむ家
4、自然(緑や花)を感じる家
5、人が集まる家
の5つのカテゴリーにわけられて、それぞれのクライアントにとっての理想の家が、パネルと模型でわかりやすく解説されています。
家づくりを考えていらっしゃるみなさんにとって、とても参考になる展示会だと思います。ぜひおいでください。
会期は8月5日までです。
展示会の詳細はこちら
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/1679.html 
ギルドデザインからの展示は、下の写真のような感じです。
模型を覗いてもらうと、猫タワーや猫の階段がご覧になれます。
パネルでは、 夏期は地階の涼しい空気を2階の上げ、冬期は2階の吹抜けにあがった暖かい空気を地階にまわす空気の循環システムや、安価な夜間電力を使った蓄熱暖房機の説明がしてあります。
会場にお出での節は、ぜひギルドのパネルもご覧下さい。
「猫と暮らす小さな家」の現場の様子はこちらからご覧下さい。
 http://www.guild-design.com/category/仕事/猫と暮らす小さな家/

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 屋根葺き、断熱、配管工事の確認

「父娘で暮らす大屋根の家」の現場定例会議に行ってきました。
この日は、防水屋さん屋根屋さんも入ってきていましたが、先週から、衛生設備工事、電気工事が加わってきていて、配管配線工事が進み、現場では大工さんとの躯体工事の打合にくわえて、設備配管、器具の取付けに向けた打合をしてきました。
大屋根のガルバリウム鋼板立て平葺きは、ほぼ完了。製作によるトップライト廻りを残すのみとなっています。

室内では、ウレタン現場発泡工事の第一段階が完了しています。外壁部分を残して、床下と屋根裏部分の吹付けは完了していました。
床下は、基礎の気密化をしており、外周部分の立上がりとベタ基礎部の1M分を吹付けてもらっています。
基礎の外周部を断熱することで、外気からの影響をなくし、ベタ基礎の中心部分は、うまく地熱利用をするために、吹付けずに躯体をあらわしで、残してあります。
ウレタン吹付けで、断熱性のは、省エネ等級4を目指しています 。


このタイミングでは、雨じまいについての確認項目が多くなっています。
バルコニーの防水下地の確認、軒のフーフィングの立上がり、サッシの取付けと防水テープの使い方、防水防風透湿シートの取付け具合、外壁の防水層を貫通してしまう配管類の防水への処理などと、多くの部分の確認が必要です。
写真からは、配管の外壁貫通部での、防水防風透湿シートと配管を防水テープで密着させることで、水の侵入を防いでいる様子が確認できます。


これまでの現場の様子は、こちらから
「父娘で暮らす大屋根の家」