09
29
 サッシ取付、バルコニー防水、電気配線、設備配管

「茶の間のある家_リフォーム」の現場は、順調に進んでいます。
 週に1回、現場での打ち合わせと工事の確認を行っていますが、工事は順調です。
窓周りのサッシが取り付き、バルコニーのFRP防水が終わり、電気の配管配線も進んでいます。水道ガス関係の配管も終わっていて、そろそろ断熱工事です。

 
 
お隣との境界ギリギリにある既存バルコニーを、防水からデザインし直します。
小さなバルコニーですが、洗濯物を干すにはとても大切なバルコニーです。
 
 
 
 
 
 

スイッチやコンセントは、使い勝手の良いように、そして、デザイン的には目立たぬように、図面上に寸法を入れて位置決めしています。
電気屋さんがその位置にボックスを入れてくれています。
 
 

給排水、ガス設備の配管も断熱工事前にしておかなければならないところは、完了です。
水道、温水の配管はほぼ完了しているので、漏れがないかを水圧をかけて確認しています。
 
 
この現場では、基礎のコンクリート周りは、スタイロフォームという板状の断熱材を接着密着させて、基礎断熱を行います。木造部分は、現場発泡ウレタンを吹き付けることで、隙間なく断熱層を作っていきます。

現場発泡の予定日は決められていて、それまでにやっておかないといけない工事が、順調に進んでいます。
断熱層は、隙間がないように施工することで、有効に効果を発揮します。そういう意味で、現場発泡ウレタンの吹き付けを選択することが多いのですが、吹き付け職人さんの認識が足りないと、吹き付け厚みが不足することがあります。
隙間なく施工することは当然として、そのことに十分気を使ってもらうように、現場にはお願いしてきました。

09
25
 ドイツ本漆喰

ここのところ、壁天井の仕上げ材として、プラネット・ジャパン(株)のドイツ本漆喰「プラネットウォール」というものを使うことが多くなっています。
営業担当の方が変わったというので、挨拶がてら商品説明に来てくださいました。

ペンキ仕上げも好きですが、自然素材としての漆喰や珪藻土は魅力的です。
最近の内装左官材は、どれも薄塗りになっていて、以前のような下塗りのプラスター工程などがなくなり、 工事費用も下がっていましたが、それでも広い面積を塗っていくと工事費全体への影響があり、なかなか使えません。
この「プラネットウォール」には、左官屋さんではなく、ペンキ屋さんが仕上げるローラー塗り工法があり、工事単価はリーズナブルです。
ローラー仕上げでも、フラットに仕上がり、なかなかいい感じなのですが、当然、厚みは薄くなりますから、調湿性能などは、かつての左官仕上げのものと比べれば、低いことと思います。
ただ、出来上がった室内は、少し気持ちが良いように思います。
「プラネットウォール」には、もちろん、左官仕上げの工法もあって、厚く塗れば、素材感も表現できて、別の魅力が出てきます。

営業の方から、木部への自然塗装材の紹介も受けました。
フローリングなどへの自然塗料としては、オスモやリボスなどを使うことが多かったのですが、発色や色ののり方が良さそうな印象です。
今度、使ってみたいと思っています。

 
 
 

09
19
 スイッチ、コンセント、照明、電気の確認


「茶の間のある家_リフォーム」の現場では、外壁下地の構造用合板が貼られて、スペースが確認できるようになりました。
新築でもそうですが、上棟して落ち着いた頃に、現場に建主さんに来てもらって、スイッチやコンセント、照明器具、インターホン、給湯リモコン、テレビや電話などなど、それぞれの位置を確認してもらっています。
玄関入って、照明スイッチがここにあるので、 このスイッチでファミリールームの照明がついて、これで切れます。といった具合に、使い勝手の確認です。
実施図面の時にご説明して、確認、決定しているのですが、図面だけでは、一般の方には、わかりにくいのではと思い、現場での確認です。
外壁が囲まれたこの頃になると、建物の大きさや間取りが、建主さんにもわかりやすくなるので、最後の変更チャンスですよっていって、立ち合ってもらっています。
たいていあまり変更もないのですが、住まいの様子もわかってもらえる時期でもあるので、いろいろ安心してもらえるのではないかと思っています。

09
14
 鉄骨階段打合せ


「茶の間のある家_リフォーム」は、コンパクトな住宅です。
ここまでの工事でも、コンパクトだからできたことがいくつもありました。
コンパクト、シンプルっていいですね。
コンパクトでシンプルなのは良いのですが、別な言い方をすれば、小さい、狭小ということです。
そこをなんとか、広々と感じて住んでいただきたいので、建築家側もいろいろ考えます。
室内にあまり重々しいものを作らない、重量感を感じないような造作も、その一つの方法で、「茶の間のある家_リフォーム」では、階段を鉄骨造にして線を細く軽やかに、いわゆるストリップ階段にして抜け・透けを作るなどしています。
この日は、現場の進捗状況の確認と、鉄骨屋さんとの打合せでした。

狭い道路の住まい、小さな住宅のリフォームでは、鉄骨を運ぶのが大変です。
階段全体を組んでからでは、思い鉄骨は、搬入がままなりません。
デザイン主旨を実現するために、鉄骨屋さんとできること、難しいこと、どう搬入するかなどを打合せしました。
実は、まだ後の工事ですが、階段よりは、バルコニーの庇と物干しの加工、取り付けの方が、大変そうでした。こちらは、少し時間があるので、再検討です。
現場は順調です。外壁の構造用合板が付きました。
これで、全体が固まりました。
これまでの現場の様子は、こちらから
「茶の間のある家_リフォーム」

09
9
 お風呂場は問題だらけでした。

「茶の間のある家_リフォーム」では、解体工事によって見つかった構造体の問題への対策工事が進み、内部の仕上げに向けての現場打ち合わせが、再開されています。
どうにかユニットバスの設置も予定通りにおさまりそうです。

これも解体していく中で、見つかったことですが、既存のユニットバスの床下には、排水管となぜかガスの引込み立ち上がり管、そしてとても厄介だったのが、水道の引込み管が隣地からこの床下を通って、また隣地へと繋がってそうだったりと、古い建物にはよくある権利関係が無茶苦茶になってる問題が、ありました。
しかもここだけ土間がコンクリートで、それぞれの配管の様子を探るのに、土間を壊さないといけないのですが、壊す時に古い管を痛めてしまいそうで、手を出しにくい。
水道屋さんやガス屋さんに何度か足を運んでもらって、周辺を掘りながら状況の確認をしていくと、どうも水道局の図面と水道管の様子が違うようで、水道管の引込み位置が変わっていることがわかってきました。
ユニットバスの設置についても、既存のガス管等の影響、既存基礎や断熱材の関係で、設置高さが、なかなか決められなかったのですが、基礎の打ち直しの時に、少し修正することで、納まるようにセットできました。
この日の打ち合わせが、ユニットバス屋さんによる墨だしで、無事納まることが確認できました。

ひと月半ほど、現場が遅れてしまいましたが、大工さんとの内装へ向けての打ち合わせも始まっています。

これまでの現場の様子はこちらからどうぞ
「茶の間のある家_リフォーム」 

09
5
 構造補強

「茶の間のある家_リフォーム」では、基礎の打ち直しが完了して、木造本体の補強工事に移りました。
腐っていた柱や白アリにやられていた土台などの取り替えを終え、新規土台、新規柱、つないだ部分などの構造的な補強が始まりました。

基本的には、構造用の金物で接合部を補強していきますが、柱や梁に添え木をし、外周部を構造用合板によって、面的に固めることで強度を増していきます。
 
 
 
 
傷んでしまっていた既存構造体の取り替え補強に加えて、改めて構造計算をしなおしたことで、必要とされつ耐震構造のための金物も追加されていきます。
上右の基礎と柱をつなぐホールダウン金物は、地震力を受ける壁から伝わる力を柱と基礎で支えるためのものです。

外壁部分は、構造用合板で包み込んで、耐震補強するのですが、部分的にはこの写真のように、筋違(斜めの木材)も加えて補強しています。
今回のリフォームでは、間取りも変えています。
部分的に、柱を抜いている部分もあり、新たに柱を加えたり、梁という部材を追加して、構造的な強度を増していきます。


既存の構造体に新しい梁(床を支える構造部材)を加えるにも、構造用の金物を利用していきます。

写真は、床を支える梁の上に打ち付ける合板です。
構造用の合板の厚いものを、基準の釘とピッチで打固めることで、床が地震の時にも地震の力を抑え、地震の力が分散するようにします。水平剛性を作るといいます。
2階でも、一部間取りを変えています。
やはり、既存を補強しながら、新しい構造材を追加していきます。

構造体は、随分と固まってきましたが、まだ外周部に構造用合板を打ち付けなければなりません。
構造用合板の止め方について、現場に確認して、新たな指示も出し、構造の確認をしてきました。
これまでの「茶の間のある家_リフォーム」の現場の様子はこちらから
 
 
 
 

08
25
 基礎の補強

「茶の間のある家」の既存基礎は、無筋で、クラックも大きく入っていたこともあり、この機会に新しく打ち直すことになりました。
事前調査で、基礎の立ち上がりが低くく、地面からの湿気の影響を受けやすいことはわかっていたのですが、解体し今まで見えなかったところが見えてくると、基礎の高さと地面の高さが、ほとんど変わらないところが見つかりました。
それくらい既存基礎の高さが低くく、同じ高さで作っては、また湿気による悪い影響を受けてしまいます。
どうせ基礎を打ち直すのなら、基礎の立ち上がりを高くし、床下は、全面コンクリートで造り(ベタ基礎)、基礎の強度を高めつつ床下の湿気を押さえるようにすることとなりました。
そこで、全面的な基礎の打ち直しとなり、先日配筋検査に行ってきました。

上の写真は、基礎配筋前の根伐り状態の確認です。
基礎の立ち上がり高さが変わるので、全体高さを変えないために、既存の土台は撤去し、柱も詰めることとなりました。


配筋検査での主なチェックポイントは、鉄筋の太さ、鉄筋の並ぶピッチ、鉄筋はどこかでつながないといけないのでそのつなぎ方、それに、コンクリートのかぶり厚さ(鉄筋の周りにコンクリートがどんな厚さでついているか)などです。
上の写真は、床部分の鉄筋配筋の様子です。d13の異形鉄筋を200mmのピッチで組んでいます。
下の写真は、基礎梁部分の配筋の様子です。
鉄筋の太さ、ピッチ、つなぎ方には問題はありませんでしたが、かぶり厚さの不足している部分が見つかり、そこは修正をお願いしてきました。

鉄筋コンクリートは、鉄とコンクリートの良いところをお互いに利用しながら、強度を作り出す構造です。かぶり厚が不足するとその強度を十分に発揮できなくなるだけでなく、外部からの影響もうけやすく、鉄筋の酸性化などが早く進むこととなります。
酸性化すると鉄筋が錆びやすく、どんどん劣化も進むことになってしまいます。
我々は建主代理として、住宅という建主の資産がより良いもの、間違いのないものとして引き渡されるように、しっかりとした監理をしなければなりません。
 

07
27
 基礎補強

解体によって既存の構造状態がはっきりしてきました。
クライアントにも状況を見ていただき、見た目で問題な部分だけでなく、今後、住み続けていただくため、長期的な視点から検討が必要な点についても説明させていただきました。
前回の解体状況のようすはこちらから
当初より、工事費用については、ある程度の含みをみてもらっていますが、基礎の補強は、対策の仕方によって、かなり費用アップとなります。
対策検討に少し時間をいただき、概算とはいえ見積をとって、工事費用を含めて最良となる方法を検討、相談させていただきました。
今回は、建主に決断いただき、既存基礎を残すのではなく、基礎をやり直すこととなりました。

 
基礎解体のためには、骨組みを持ち上げておかなくてはなりません。
曳家さんに見積をお願いしたのですが、結構高額な金額が提示されました。
工務店さんからの提案で、今回は規模の小さな家ということもあり、短期的に持ち上げておくだけの方法で、構造体を浮かせてもらいました。
さあ、これで基礎の打ち替えです。

06
28
 シロアリ、腐り

「茶の間のある家」の解体工事が始まりました。
設計の初期段階に天井板を外させてもらって、屋根裏を覗き、畳を上げさせてもらって、基礎周りの様子をみせてもらっていましたが、やはり解体してみると、いつものように、問題点が出てきました。
古い住宅です。昭和43年の棟札が出てきました。48年前の建物です。
耐震のことはもちろんですが、いろんなところが今の造り方と違っています。良いところもありますが、耐久性についてはほとんど考えられていないようです。

屋根の野地板というかザラ板は、今では合板ですが、一応無垢板です。整った板ではないですが、まだしっかりしています。
しかし、元々が和室だったのでしょう、使っている柱が細いために、廻縁取り付き部分の柱の欠き込みが、結構大きく、構造的には心配です。

設計段階で、床下を覗かせてもらった時は、思いの他、痛みが少ないように見えたのですが、やはりかなり痛んでいました。
確認できた1階の和室周りでは、見えていた基礎高さは、地面から15〜20センチくらいはあったのですが、敷地が狭く外壁状況の確認できていない部分では、基礎の立ち上がりも低く、ひどい状態で、柱の根元は無くなっていました。
風通しも悪く、湿った土がほとんど土台近くまで上がってきています。これでは、土台も柱も腐ってしまいますね。

お隣がリフォームした時に敷地境界にコンクリート土間を作っていて、そこの高さは、こちらの床下換気口より高く、ほとんど土台の高さ。
土間コンクリートだったので、土と違って、湿気は少なかったのでしょうか、土台の痛みは少ないようですが、この先は、土台や柱の保証ができません。
お風呂周りを増築したらしい部分では、柱にシロアリにやられた痕が見つかり、
内部も水回り室の間仕切りの土台が、ひどく傷んていました。床下は土のままで、基礎はあっても低いのは問題だったようです。どこの現場でもそうですが、水回りは痛みがひどいですね。
   
そして、基礎のコンクリートも無筋のようです。48年も前では、だいたいそんなものかもしれません。
土台アンカーの位置には、クラックが確認されました。

柱の取り替えはもちろんですが、今後、長く住んでいただくには、基礎についても検討が必要です。予算とともに、施主への説明、今後の計画への再検討が必要です。
「茶の間のある家」の事前調査の時の様子はこちらから。
最近の木造スケルトンリフォームの様子はこちら「耐震+省エネリフォームの家」
 

04
15
 既存床下、天井裏の調査

築46年ともなると、耐震対策がどこまでできているか、はなはだ疑問です。
いわゆる新耐震という地震への耐震性能を高めた構造基準は、1981年からのもので、それより前に建てられた建築は、耐震への配慮が足りません。
さらに、現在の構造基準は、その新耐震より厳しいものになっています。
この計画でも、スケルトンリフォームをするので、建物の耐震補強は必ず必要となるので、耐震壁の壁量計算はしておくのですが、計画を立てるにも、予算を考えておくにも、既存構造骨組みの状況だけでも確認したくなります。
古い住宅の良いところは、天井や床下が覗きやすいこと。
2階の押入の天井板は、お約束通りというのか、釘打ちされてなくて、あけることができました。
小屋梁の組み方の確認ができました。小屋裏にあがれるほどの高さがあります。
古い木造らしく、材は細めですが、丸太も使われています。
断熱材は、まったく入っていない。時代としては、そんなものかもしれません。

不思議なことに、船底天井になっている部屋の棟のような材は、まったくのダミーでした。今度は、天井高さがずっと上げられそうです。

床下も覗いてみました。
和室の畳をあげて新聞紙と防水紙(湿気が多くて後から入れてそうです)をめくってみると荒床が現れます。荒床は釘止めされていました。

荒床をあけてみると、こちらは残念ながら想定通りで、床から土間までの高さが低く、基礎の立上がりが法定基準以下でした。
畳が黴びたことがあるということでしたので、土台や大引など状態が心配でしたが、傷んではいないようです。小さいながらも床下換気口がついていたからでしょう。
いずれにしても、床下には、何らかの対策が必要です。