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 1年検査

1年とちょっと経ってしまいましたが「猫と暮らす小さな家」の1年検査にお邪魔してきました。

猫のゆうた君は、キャットタワーやキャットウォークの梁をよく使ってくれて、高窓の猫窓からは、外を覗いたりしてのんびりしているのだそうですが、この日は、みんなのいるところでまったりしたい気分だったようです。

 
ロシアンバーチを使ったキャットタワーがこの家の中心です。積層されたベニヤの目がアクセントです。

お邪魔したのは、小雨の降るような冬の寒い日ですが、中はとても暖かい。
空気がどことなく清々しい。
高気密高断熱の仕様と漆喰の壁天井、無垢のフローリングの賜物です。そして、地下室に置いた蓄熱暖房機と外断熱された地下コンクリートの蓄熱性によるものでしょう。
1階の玄関床は、とても暖かい。
洗面所やお風呂の床タイルも冷たくない。2階のフローリング床も、ほんのりしている。住宅内のどこに行っても寒いと思うところがない。
サッシの結露も見たことがないそうです 。
この家の室内温熱環境はとてもうまくいったようです。
喜んでいただいているようで、われわれも大変うれしく思っています。

地下に設置されたこの暖房機1台で、この住宅の暖房はまかなわれています。
夜間電力を使って貯めた熱を、昼の間に少しづつ放出して、1日を暖房するという機器です。
ここから出る熱量が外断熱されたコンクリートの地下壁、1階床スラブによって蓄えられます。輻射熱となる熱量が、うまく熱源となっているように思われます。
「猫と暮らす小さな家」の現場の様子は、こちらから
http://www.guild-design.com/category/仕事/猫と暮らす小さな家/ 
 

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 お引渡し

「猫と暮らす小さな家」も10月5日にお引渡となりました。

手直しの必要なところを確認していただき、建築、電気、蓄熱暖房機、ガスなど、それぞれの工事担当者から、使い勝手やメンテナンスの説明の後、玄関キー、機器類の保証書、審査機関による検査済み証などをお渡しして(今回、工務店さんが引渡証を用意しておらず、ちょっと問題なお引渡となりましたが)、お引渡です。
建主さんにはご迷惑をおかけしますが、追加工事や、一部の手直しの未施工部分については、お引っ越しが一段落した頃に、ということになりました。


建築面積9坪の小さなお住いですが、2階のリビングダイニングキッチンは、天井の高く、南のバルコニーは基準いっぱいの2m奥行を確保しているので、長く広く感じていただけます。
キッチン裏には、2帖程のパントリーとその外にはサービスバルコニーもあって、収納も十分にとってあります。
部屋の中央のキャットタワーからは、梁の上や、ハイサイドライトの猫の見晴らし場まで渡っていけるような、猫ちゃんたちの遊び場やくつろぎの場を用意しました。
リビングでくつろぎながら猫ちゃんたちのかわいい姿を眺めていられます。
トイレの横には、ちょっと隠れるような換気扇付きのスペースがあって、そこには猫ちゃんたちのトイレ 置き場です。

 

早速、ゆうたくんとさつきちゃんが遊んでくれました。ふたりをみているひとの方が、もう楽しくて、撮影大会になっちゃいました。
床の無垢フローリングには、とても自然で、木質感の感じらせる塗装ですが、猫などの爪にも強さのある塗装を建主さんが見つけられて、それを塗装してもらっています。

 

お引渡の後、建主さんの工事として、洗面脱衣室や浴室には防カビ性のコーティングをしてもらいました。
 
 

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 オープンハウスへのご来場ありがとうございました

 
先月28日のオープンハウスでは、まだ床の養生もとれていない状態でした。おいでいただいた方々には大変申し訳ないことでした。
昨日は、28日においでいただけなかった方々や事務所のメンバーでの内覧をさせていただきました。

この日は、暗くなるまで、少しゆっくりと現場にお邪魔させていただき、照明の様子なども確認してきました。
計画地は、緑の多い閑静な住宅街ですが、それだけに建蔽率は40%と厳しく、狭小敷地であるこの計画は、地下を入れても、83m2(25.2坪)程度の延床面積を確保するのがやっとです。
2階のリビングダイニングキッチンは、敷地の長さをいかし、南の光をつかまえるように空へつながる天井から、空間の広がりを手に入れています。

家族の一員の猫ちゃんのためのキャットタワー、猫階段です。
リビングにあるキャットタワーからは、梁の上端や、飾り棚を渡って、窓辺へと遊びにいけます。ぽかぽかの暖かいハイサイドライトの窓辺は、外の景色の見おろせる冬場の特等席です。
壁の仕上げは、漆喰を塗装したもので、そのアルカリ性、静電気を帯びないこと、吸放湿せいなどは、臭いを消してくれたり、汚れ付きを防いでくれたらり、多少とはいえ貢献してくれています。


施主といっしょに使い勝手を考えて造ったロシアンバーチのキッチンです。
広いシンク。シンク上には扉をリフトアップさせて使う水切り棚。吊り戸棚はガラスの引戸で、普段使いのお気に入り食器を飾りながら収納できるようにしています。
電子レンジやトースター、炊飯器は、写真からは隠れていますが、同じくロシアンバーチで造作した家具におさまります。

2階へ上がる階段は、狭さを感じさせないための踏み板だけの階段です。光の廻り込みや風の流れをスムーズにさせます。
お父様は足下を悪くされているので、階段の造りについては 心配をしていたのですが、クライアントとの話合いを通して、このような階段にまとまりました。
今手摺のついていない壁面についても、今後手摺が付けられるように下地を埋め込んでいます。

お父さまの足腰のことを考えて、トイレの起ち座りが楽になるように、洗面との境に、収納を兼ねた小さなカウンターを、力のかけやすい高さに造り付けています。この部屋にも、将来の手摺用に、壁の中に下地を隠しています。
洗面脱衣室、トイレは狭いながらも(狭いからこそ)一室です。動作が楽になるように、また、場合によっては介助しやすいようにと考えてのことです。
お風呂にはガラス戸を使うことで、お風呂までつながる一部屋のようにみせて、窮屈感をなくしています。
お風呂にはホーローの浴槽を入れています。ホーローの浴槽は、質感もすばらしいのですが、営業の方によれば、お湯持ちもよく湯質まで違って感じられるそうです。
浴室の壁はFRP防水をそのまま見せています。
本来下地になるべきものですが、ガラス繊維が盛り上がり、少しムラのある表情が、 なかなか素敵です。

地下室は、主に収納ですが、ドライエリアを設けていて、自然光や風も入りますから、ちょっとなにかをする場所としても使えることと思います。
手前右に置いてある箱が、蓄熱暖房機です。夜間電力を使い内部に熱を溜め込み、昼の間はゆっくりとそれを放出するというもので、夜間の安価な電力を使う暖房機です。
冬の間、暖房機からの温風は、外断熱されたコンクリートの壁天井に蓄熱され、安定した熱源の場所となります。
階段スペースと通して、建物中に暖かい空気は廻っていきますが、コンクリートの天井に開いた穴からは直接1階寝室や、洗面脱衣室の床下にはいり、床を暖めてくれるものと思います。
最初の写真の天井際に写っているシルバーのダクトは、この地階とリビング天井の一番高いところとをつないでいて、換気扇(カウンターアローファン)が空気を強制循環させます。
冬に上がった熱気を、再び地下室へ。また、回転を反転させることで、夏の地下室の冷気をリビング天井から吹き下ろすということができます。
これまでの現場の様子などはこちらからご覧ください。
「猫と暮らす小さな家」