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 崖地に建つ住宅の増改築

崖地に建つ地下駐車場のある既存住宅を、二世帯住宅に増改築する計画が進んでいます。

先日、既存RC地下室部分の現状確認、構造確認の検査を行いました。

 

既存住宅は、崖地の低い部分に地下室として駐車場があり、地上に木造2階の建つ住宅です。
今回の計画は、地下室のRC部分を駐車場としてそのまま使い、地上の木造部分を解体して、2世帯住宅に造り変えるというもので、地上部分は新築となるのですが、既存地階部分はそのまま残すので、建築基準法上では、「増改築」ということになります。

このような地下室を残す増改築で大切なことは、地下のRC造が、増築(新築)される木造住宅をのせても構造的に問題ないことです。
そのために、既存住宅ができたときの確認申請及び完了検査時の構造図面と、構造に違いがないこと、コンクリートや鉄筋に、問題となる劣化がみられないことなどを調査をして、新しい木造住宅をその上にのせても、構造計算上、地下室の構造が問題ないことを示します。
当然、増改築の確認申請でもそれを審査されることとなります。

上の写真はその調査で、既存の地下室のRC造部分の鉄筋の状態を確認しているところです。

コンクリートの中に隠れた鉄筋は、こんなレーザー探査機を使います。
鉄筋の太さまでは正確にわかりませんが、コンクリート内部での位置を知ることができるので、既存竣工時の構造図と照らし合わせることで、現状と竣工時の整合性を確認します。

コンクリートの内部にある、鉄筋の位置やピッチを、こんな具合に書き記して、既存図面と照合します。

既存コンクリートの強度確認は、シュミットハンマーという器具を使うことでの推定値を示すことで、役所からの了解を得ています。
場合によっては、コンクリートを抜き取っての破壊検査が必要とされることもあります。

他には、確認できる範囲で、現状の柱や梁の寸法、スパンなどを実測して、既存図面との照合をし、コンクリートの劣化具合を目視確認しています。

今回の検査では、ほとんど申請時の図面とのズレや劣化もみられなかったので、概ね問題なく既存部分の申請ができそうです。