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 和室の襖紙と引手金物

今ある和室は、元々は客間としてお考えだったようですが、もう泊まっていかれるような来客もないようで、もっぱら奥様の衣装部屋となっているようです。

今回のスケルトンリフォームでは、この部屋の使い方の検討を重ねてきました。
着物をはじめとした衣類の収納と、和装のための着替えの部屋が主な用途なのですが、仏壇を置いておく部屋であり、茶道のお稽古もしてみたい、お持ちの捶撥も使ってみたいといくつものご要望が残り、結果として、少し欲張りですが、かなり多用途な炉のある部屋に造り変えることになりました。
でも、和室とは、そもそもそういう使い方をしてきたものですね。
収納がメインな部屋ですから、襖収納が向かい合い、明かり障子の入った一面と仏壇をおく壁が対面する壁の作りをシンプルに、まとめようと考えています。

シンプルな部屋だからこそ、襖紙や引手金物に少しこだわりましょうということで、まずは実物がどういうものなのかを知っていただくために、東京松屋さんにお邪魔してきました。

まずは襖紙選びからで、うっすらと小紋が刷られた唐紙や織目がうっすらと感じられる絹絓もの、さらに、紙質の良い無地のものなどを見ていただき、最終的には、繊維の少し浮き出る無地の実物を襖に当ててもらい、決めていただきました。

引き手選びも、楽しい時間となりました。

基本的には衣裳部屋のような使い方にありそうなので、引き手もシンプルでと思っていましたが、少し遊ぼうということになり、伝統的ではありながら、桂離宮に使われているような意匠性の高いものをいくつか見ていただきました。

無地の襖紙を使った襖と障子で囲まれた部屋ですが、小さな引き手に遊びごごろのある部屋になりそうです。

 

 

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 照明器具選びにショールームに


最近は住宅でも間接照明がよく使われていて、器具を見せない照明計画が多くなってきています。
ダウンライトの穴もないフラットな天井は、とてもすっきりしていて綺麗なものです。
間接照明では、ランプが見えないので、ギラッとした眩しさが目を刺激することもないのですが、ランプが隠れているだけに、取替えやメンテナンスに手間がかかるものでした。
器具がLEDとなり、メンテナンスが楽になったこともありますが、多くの人にとって、「明かり」が、明るさを求めるものから、住まいとの調和を求めるもの、調和を作り出すものへと、イメージが広がってきているのだと思います。

器具を見せない間接照明が使われるようになるとともに、照明器具自体もデザイン的に洗練されたものが欲しくなってきます。
部屋の性格付けには、ぜひこんな器具を使ってみたい、というものがあります。
そういう照明を確認していただきたくて、FLOSとlouis poulsenのショールームにクライアントをお連れしました。
最近は、日本の照明メーカーからも、デザイン的に良いものが出てきていますが、今回は、海外ブランドのお店でした。


 
 

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 カーペット選び

最近、床材を考える時に、フローリングを選ぶのが標準となっています。
適材適所で床材を見直した時に、クライアントによっては、また、部屋に求められる機能によっては、カーペットを選択しても良いはずで、今回のクライアントにカーペットをおすすめして、ショールームにご一緒しました。
そこで、ちょっとカーペットの良さをまとめてみました。

フローリングには、木質感の良さもありますが、掃除がしやすく汚れもつきにくいなど、機能的にもおすすめしやすい床材です。仕上がった時には、少しハードな感じですから、空間の雰囲気もピリッとするのも良いところです。
反面、冷たさや硬さ、滑りやすさは、フローリングの弱点ともいえます。
カーペットは、かつては、安価な化繊の普及とともに、その暖かさもあって、住宅の床材としてかなり使われていましたが、掃除しにくさ、ダニがつきやすいなどといわれ、近年は敬遠されてきました。
しかし、カーペットには、フローリングに無いメリットがあります。
・多彩なデザイン性
色や柄の豊富さ、織り方、サイズまで、バリエーションに富んでいます。
・保温性、断熱性
空気を多く含むカーペットは断熱性が高く、熱の伝導率も低いので、ひやっとすることなく、断熱効果を高めてくれて、省エネにつながります。
・クッション性が高い
普段の歩行についても足腰に優しいですが、転んだ時にも硬い床材と違って安全性が高いです。また、フローリングではごろっと横になっていると硬くてくつろぐことができませんが、カーペットなら眠ってしまうこともできます。
・滑りにくさ
シルクの生地などでは、肌ざわり良くサラッとしていますが、フローリングのような滑り感はありません。安全性が高いといえます。
・防音性・吸音性
内部に空気を含み、層や織りが重なることで、物が落ちたり歩く音を低減して、下階へ音が伝わるのを抑えてくれますし、吸音することで室内での音の響きを抑えます。
・埃の舞い上がりを抑える。
カーペットにはホコリを吸着する性格があります。掃除機で簡単に除去できるそうですが、舞い上がりを抑えて、空気中のホコリ・アレルゲンを低減できます。
・素材の多様性
天然素材のシルク、羊毛、綿、麻、から人工素材まで多様です。カーペットを使う部屋の用途、求められる機能に応じて素材を選び、その肌ざわり感を楽しむことができます。
さらに、天然素材のカーペットでは、化繊とは違って調湿効果があり、静電気もおきないので、ホコリなどの吸着性を低く抑えられます。
まとめてみるとこんな感じですが、今回お邪魔したマナトレーディングさんのショールームで説明いただいた商品の良さを伝えることは難しく、やはり実物を見て触って感じるなかで、選んでいくことが大切ですね。
 

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 キッチンショールーム再び


少しづつ、ゆっくりと進んでいる「型式住宅のリフォーム」計画ですが、キッチンの内容を詰めていくということで、上野毛にあるキッチンハウスさんにクライアントとともに打合せに行ってきました。
できるだけたくさんのものを見て知って、確認して選んでいきたいというクライアントですので、まだまだショールーム巡りは続けますが、キッチンはそろそろ決め込みましょうということで、シンクのサイズ、機器類、キッチン家電の収納方法など、具体的に、図面化するための打合せをおこないました。

機能的な部分での整理とともに、素材感の再確認もしています。
最近はカウンター材がどんどんと良くなってきています。
ステンレス、人工大理石、クォーツストーン、セラミックストーン、などなど、キッチンカウンターに求められる性能を突き詰めて、どんどんと進化しているのですが、金額も高額になってきています。はたして、そこまでの性能が本当に必要なのだろうかと考えてしまいます。
これまで作ってきたキッチンを、クライアントは、今でも十分に満足されていますから。
つい数年まで人工大理石なら、水分も吸わず熱にも強い、補修のできて最高ですっていてたのが、セラミックとは比べものにならないような扱いです。
キッチンハウスで面白いのは、カウンター材にもメラミン化粧板があることでしょうか、最近のキッチンメーカーではあまり見なくなってきているのですが、なかなかこれも良い味があるように思います。使い方ですね。

素材の組み合わせもみていただきました。
カウンター材だけでも色々選べるわけですが、扉材も同様に仕上げ素材の種類は豊富です。
しかも色合いも考えると、みなさん悩まれてしまうのではないかと思えるほどです。でもそこは、お好きな色味、素材感を確認していただくにも良いかもしれません。
落ち着いた暗めの色、重厚な素材感がお好きなようでした。
我々としては、室内の作り込みや購入予定の家具などバランスを考えて、提案していくことになります。

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 基本設計の確定

「型式住宅のリフォーム」の計画も、基本設計を確認していただくところまで進んできました。

基本設計段階では、工事金額を見積ることのできる詳細な図面をつくるのではなく、間取りや外観や断面(今回はリフォームなのでありませんが)、仕上げや予算金額など、少し具体的な計画の方針を確認していただき、この方向で進めることを了承していただきます。
基本設計がまとまると、工事をするための詳細な図面を作り始めます。
詳細な図面を描いた後に、間取りなどの大きな変更があると、変更する部分が多く複雑な変更になり、間違いの元になったり、作業量が多くなり、設計料の見直しをお願いすることになりかねません。
そんなことがないように、この段階までに時間をかけて打合せを重ね、ショールームで実物を見たりしながら、方針を固めていきます。
クライアントには、若いころ作った今の住まいでは、何もわからないまま造ってしまったという気持ちがあり、住まいについてのいろんな物や事を教えて欲しいといわれています。
そのなかで、暮らしやすい室内環境をベースに、より良い建材、好きなデザインをアドバイスをもらいながら選びたいとお考えです。
先日、リビングデザインセンターOZONEにいってきました。
一つの建物に、いろんな種類のショールームが入っているのは便利です。
家具屋さんでは、椅子に座ってもらい、座るのに気持ちの良い高さを知ってもらったり、キッチンコーナーでは、多様なキッチンを見てもらって、キッチンでできること、使い勝手を確認してもらうことができます。
他にも、塗装や床材を見てもらいました。
床材はマルホンさんで良いものを選んでいただきました。ここには良いフローリング材が揃っています。スタッフの方の丁寧な対応もありがたいです。

1階のLDK周りは、床暖対応ということで、ウォールナット厚板ばりの複合フローリングを選びました。
複合フローリングとは、無垢ではなく、いわゆる合板です。フローリングは床暖房の熱や乾燥によって収縮して、狂いやすいものです。特に無垢材は。
その点、複合フローリングは、木の持つ歪む癖を抑えてくれますから、床暖にはむいています。
その合板下地に、厚みの十分あるウォールナットの表面材を貼ったものを選びました。厚みが5ミリもあると、素材感は無垢材と変わらないと思います。
2階のプライベートなスペースには、お風呂上りに足触りが良さそうな無垢のオーク材をスプーンカット仕上げしたフローリングを選びました。
2階にも床暖房を入れたいという話もありましたが、今度のリフォームで、とても暖かな住宅に変貌するので、2階に床暖房までは必要はないということをご理解いただき、無垢材を使うこととしました。
これは、ご主人にとても気に入っていただきました。
この計画は、まだ少し時間がかかりそうですが、少しづつでも進んでいます。

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 ショールーム巡り

昨年から始まった「型式住宅のリフォーム」の計画は、ゆっくりと進んでいます。
今回の計画では、エレベーターの設置と2階部分に一部増築をします。
築30年を超える型式住宅ですので、計画が成立するのかは、元々のハウスメーカーに構造計算をしてもらう必要がありました。
基本的なプランニングを整理するところから、地盤調査と敷地の再測量、構造再計算による安全確認が取れるまでに、随分と時間がかかりましたが、これからは、少しスピードアップです。
その間に、色々とショールームをまわっています。
クライアントは、今の住まいを作った時には、よくわからずに作ってしまったという思いがあるようで、今回のリフォームでは、できるだけ多くのものを見知って、良いもの、好みなものを、我々のアドバイスを受けて、選んでいきたいと考えていらっしゃいます。
オーダーキッチンのショールームや家具屋さんで、お好みのイメージを確認させてもらったりしましたが、ここのところは水回りの器具のショールームを幾つか回ってきました。

浴槽のメーカーも色々ありますが、こちらは、琺瑯浴槽の大和重工さん
ここの琺瑯の良さは、高級感のある表面仕上がりだけでなく、汚れにくさ、掃除のしやすさ、そして、地金が鋳物ベースであることによる遠赤外線効果。遠赤外線によって、体の芯まで温まるそうで、入浴後の暖かさが、ずっと長く続くようです。
下はセラドレーディングさん。
セラさんは、基本的には輸入販売の衛生機器類の会社で、キッチンや浴室、洗面、トイレの陶器や水栓にアクセサリーなどを扱っていて、デザインの良いものが揃っています。
水栓を選ぶにしても、機能性能、素材、デザイン、サイズ、様々であり悩んでしまいがちですが、オススメしたいものは大体決まっています。

洗面器もたくさんあります。これはちょっと気になったとても浅い洗面器。
水は溜められませんが、案外、水跳ねしなくて使いやすいようです。

セラさんには、浴槽もたくさんあるのですが、これは素材が人工大理石で、珍しくセラオリジナル。
奥様がデザインをとても気に入られたのですが、ちょっと大きくて、このデザインを生かすには計画中の浴室では、少し狭そうです。

上の写真から T-formさんの様子。
こちらも輸入機器のショールームです。
クライアントのご要望で、便器は床の掃除がしやすいように、壁から持ち出しの便器を希望されていました。
日本の住宅ではまだ珍しい壁持ち出しですが、ヨーロッパではこちらが標準的なのだそうです。ただ、ウォシュレットとセットになった物となるとヨーロッパには、まだ良い物がないようです。
その中で、TOTOのウォシュレットと相性の良いスタイルのものと、ヨーロッパで開発されたウォシュレットと一体になったデュラビットの便器を見せていただきました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

洗面器も多数あって、お気に入りも見つけられました。


こちらにも琺瑯の浴槽があり、入りやすさ、入浴時の落ち着き具合などを確認させてもらいました。大和重工とセラでも実際に入ってみて、試していただきました。
こちらの浴槽は、同じ琺瑯でも鋼板下地で、大和さんの鋳物下地と違い、軽さによる施工性の良さがメリットですが、遠赤外線は出にくいのかもしれませんね。
忙しくショールームを廻っていただいていますが、クライアントが楽しんでいただいているのが何よりです。

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 家具の確認 クライアントのイメージとは

「型式住宅のリフォーム」のクライアントは、今でもとても綺麗なお住まいで、水回り設備の老朽化による更新やEV設置の必要性がなければ、リフォームしなくてもいいのではと思えるほどです。
家具類や小物、食器に至るまで、質の良いものをお持ちで、リフォームされても、やはりそれらの家具は、お使いになりたいとのことでしたので、それらの印象から、少しクラシカルなお好みが強いかと思って打合せを始めていました。

そんなクライアントとのデザイン打ち合わせの中で、家具と出会うことで、デザインの検討方向が修正されるということがありました。
気に入った家具があるので、見て欲しいと言われ、アルフレックスの河口湖ショールーム「カーサミア河口湖」へ行ってきました。

そこで見せてもらった気に入った家具というのは、ジオ・ポンティの家具でした。

設計をさせていただく時には、お住まいにお邪魔したり、趣味や好きなデザインの写真を見せていただくことが多いです。その上で、我々のデザイン提案をさせていただいています。
空間構成はともかくとして、インテリアデザインの方向性を考える時、現在のお住まいとお使いの家具を見て、お話を伺っていただけでは、間違ったまとめ方をしてしまったかもしれません。
人の好みは変わるものですね。言葉で嗜好を伝えることの難しさを感じました。
 

カーサミアで展示されていたマレンコ。憧れのソファーですが、かなり違う印象になりますね。

カーサミアでは、ゆったりと家具を楽しんで選んでこれます。
一度お訪ねてみると良いところです。

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 型式住宅のリフォームを検討中

「型式住宅のリフォーム」は、大手住宅メーカーで30年ほど前に建てた住宅のスケルトンリフォームの計画が始まっています。

鉄骨ラーメン構造のボックス型ユニットを工場で製作し、現場で組み上げるという工業化されたこの工法は、高精度で安定的で堅牢な構造体であり、高い耐震性能を持ち合わせている住宅でしたが、30年の経過とともに設備等の更新が必要となりました。
クライアントは、この機会に30年前とは違った今日的な住まい方や、今後の生活を考え、エレベーターの新設や増築、さまざまな可能性を住宅メーカーに望まれていたようですが、なかなか思いにかなった提案がなされず、建築家を探すということに思い至ったそうです。
我々も、型式住宅のスケルトンリフォーム、増築という経験が少なく、困難なことが続いて起こってきていますが、クライアントには、プラン提案を気に入っていただき、住宅メーカーの担当さんと少しづつ可能性を探し、計画を進めています。
型式住宅とは、その会社独自の仕様で大臣認定をとって、建築の許可(確認)を得ている住宅です。それゆえに少し変更することがとてもむずかしい。とりわけ構造部分については、こちらが勝手に手を加えることができません。
住宅は、生活の変化に応じて、増築や減築、間取り変更したりするものです。将来の変更などを考えると、不自由な工法だと言わざるをえませんが、とても素敵なご夫婦が、とても素敵な家具とともの、綺麗に生活されているお住まいです。
建築家として、クライアントのご希望を超える提案により、住まい造りのお手伝いをしていこうと思っています。