ここ数年、リフォームのお話が多くなっています。特に木造のスケルトンリフォーム、耐震補強に、断熱などの住宅性能を高めながら、生活スタイルの変化に対応して、ある程度間取りも変えたいというお考えの方が多いようです。
「耐震+省エネリフォームの家」の現場も生活スタイルの変化に伴いリフォームを計画された現場で、本格的に内部の解体が始まりました。
ある程度解体が進んだところで、構造材の状況の確認に行ってきました。
設計を進める前には、柱の位置や床を支える梁の位置や大きさなど構造の組み方を知りたいので、解体前のお住まいのうちから、床や天井の一部を壊させていただき、少しは確認しているのですが、全体を見られるのは解体まで待たないといけません。
特に2階の床の様子は確認しにくいところなので、解体することで、初めて床を支える部材(梁)の様子がわかりました。
柱も、いただいた図面とは違って、あるべきところになかったりしています。2階床梁のかけ方も想定とは違っていました。
確認できなかったところでは違っていてもしょうがありません。現場で、大工さんと打ち合わせて、どう変更するのが有利なのかを決めていかないといけません。
水回り、お風呂や洗面所、台所まわりの土台や柱などの木構造部分は、傷みやすいものですが、 特に湿気が多く、温度も高くなるお風呂まわりは危ないものです。
浴室では、腰の高さくらいまではブロック積みの壁を造ることで、床近くには木材を使わない現場も多いと思いますが、この現場はそれもしていなかったので、浴室の水が、随分と土台や柱に浸み込んできていたようです。かなりひどい状態でした。
写真は、柱が土台にのっている部分のものですが、ほとんど溶けてなくなっているような状態で、太さは1/5くらいになっているでしょうか。ほとんと構造的には役に立っていない状態です。
木材腐朽菌によるためですが、土台も柱も腐り溶けています。
この腐り具合は想定外で、土台、柱の取り換えをしてもらわないといけません。
工期にも影響出てきますし、クライアントにも費用の負担が発生してしまいます。
浴室まわりでは、増築された跡も見られました。コンクリート基礎が削り採られて、浴室が広げられ、ブロックによる基礎が造られています。
今回は、この部分の壁を撤去し、基礎から新設してもらうようにお願いしてあります。
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10 解体工事、木材腐朽菌
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