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 狭小住宅でのロフトの使い方

都内の住宅の多くは、限られた敷地面積の中で、建蔽率や容積率をいっぱいに使い、できるだけ有効に床面積を増やそうと考えます。

建築家の仕事としては、ただ建蔽率から容積率を満足させるだけでは納得できる住宅にはなりません。
そこには、陽射しや風通しなどの敷地環境を生かし、クライアントの生活スタイルを考えた間取り、デザインの提案がなければなりません。

ロフトとか小屋裏収納というものは、空間をダイナミックに見せる有効な要素で、最近の都市型住宅のなかでは、必須といえるほどのスペースとなっています。

今回、「ろじのさき」のロフトデザインが、住宅・インテリアのデザインサイト「homify」の特集「ロフトの新アイデア&デザイン Best5!」にピックアップされました。

「ろじのさき」のロフトは、斜線制限いっぱいに作られた3階屋根裏部分を有効活用するために設けたもので、収納としてだけでなく、3階の天井の上昇感が、小さな家の広がりを感じられるような仕掛けになっています。
細長い住宅の真ん中あたりにあるロフトは、片側は書斎(詳細の子供たちの勉強コーナー)とつながり、反対側は寝室(子供部屋)とつながっていて、ロフトへは、寝室側から上がれるようになっています。

ロフトは、法規制では、天井高さ1.4m以内に抑えないと認められず、面積についての制限もあります。
とくに最近は、自治体によって、ロフトの作り方への規制が条例により厳しくかかるようになってきました。
残念なことですが、今ではこのように下に階から空間として連続せさるようなロフトが作れない自治体もあります。ご計画の時には、ご注意ください。

「ろじのさき」は、住宅密集地に建つ狭小住宅です。
敷地面積13.6坪ほどなので、建築面積は8.1坪しか取れません。
南に3階建ての木造住宅が建っていて陽射しが入りにくく、西が崖地の扱いづらい地盤など、厳しい条件の敷地でした。
それでも周辺環境を検討することで、陽射しを取り込み、通風を考え、縦空間や視線の抜けを生かした広がり感、小さいながらも地下収納も用意した住宅です。

「ろじのさき」の竣工写真はこちらから
works>ろじのさき

「ろじのさき」の現場の様子やその後の様子は、こちらから
bleg>ろじのさき

website「houzz」や「homify」からもご覧になれます。

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 解体中

「中庭を造る減築リフォーム」の現場では、雨漏りが激しく傷みのひどい西壁の解体が一段落し、ようやく屋根が解体され中庭になるエリアが見えてきました 。

この住宅は、15年程前に増築改装することで、1階の床面積はとても広がったのですが、建物の中心にあるキッチンやダイニングが暗く、風の流れも良くないようになっていました。
少し広すぎる1階の床面積を見直して、屋根を壊して中庭を造ることで、ダイニングキッチンに自然光やさわやかな通風を届けようという計画です。

この日は、クライアントにも来てもらい遅れている工事に対して、改めて組み直した工程を説明したあと、造園屋さんに現地確認をしてもらい、この中庭に適した樹種や中庭デッキ下の土場についての助言をもらいました。

既存外壁での雨漏り箇所が、外壁のひび割れた部分だけでなく、サッシ廻りの収まりの悪さにもあるということが見つかりました。
雨仕舞が悪く、ほとんど外部にさらされていたような鉄骨柱の足下は、錆のために グズグズになっていました。
外壁解体し復旧したの後、柱の入れ替えをするのですが、外壁ができ上がるまで、垂直荷重を受けるように、かなりな仮止め鋼ですが、とりあえず2階床を支えています。