09
25
 ドイツ本漆喰

ここのところ、壁天井の仕上げ材として、プラネット・ジャパン(株)のドイツ本漆喰「プラネットウォール」というものを使うことが多くなっています。
営業担当の方が変わったというので、挨拶がてら商品説明に来てくださいました。

ペンキ仕上げも好きですが、自然素材としての漆喰や珪藻土は魅力的です。
最近の内装左官材は、どれも薄塗りになっていて、以前のような下塗りのプラスター工程などがなくなり、 工事費用も下がっていましたが、それでも広い面積を塗っていくと工事費全体への影響があり、なかなか使えません。
この「プラネットウォール」には、左官屋さんではなく、ペンキ屋さんが仕上げるローラー塗り工法があり、工事単価はリーズナブルです。
ローラー仕上げでも、フラットに仕上がり、なかなかいい感じなのですが、当然、厚みは薄くなりますから、調湿性能などは、かつての左官仕上げのものと比べれば、低いことと思います。
ただ、出来上がった室内は、少し気持ちが良いように思います。
「プラネットウォール」には、もちろん、左官仕上げの工法もあって、厚く塗れば、素材感も表現できて、別の魅力が出てきます。

営業の方から、木部への自然塗装材の紹介も受けました。
フローリングなどへの自然塗料としては、オスモやリボスなどを使うことが多かったのですが、発色や色ののり方が良さそうな印象です。
今度、使ってみたいと思っています。

 
 
 

09
22
 「天ぷら天ふじ_7坪の家」が、fevecasaにピックアップされています。

9年ほど前にお引き渡しした店舗併用住宅「天ぷら天ふじ_7坪の家」が、デザインを選ぶ住宅のWebカタログ「 feve casa 」の特集記事「まとめ」で取り上げられています。

お題は「可能性は無限大!狭小住宅で広々・快適に暮らす4のヒント」です。
この狭小住宅にはぴったりのテーマです。
4つのヒントのうち2つが、「天ぷら天ふじ_7坪の家」からのもので、
ヒント2の、「吹き抜けで、とにかく光を取り入れる」 、
ヒント3の、「お風呂やキッチンにはスペースを割く」、です。
ちょっと、文章に間違いがあって、記事には、敷地7坪と書いてありますが、「天ぷら天ふじ_7坪の家」は敷地は9坪で、建築面積が7坪の家です。
どちらにしても、極小の敷地には違いないですが。
1階に建主ご夫婦が営む揚げたててんぷら販売のお店「天ふじ」があり、1階奥と2、3階が生活スペースです。
下町商店街の密集地、9坪の敷地でも、明るく広さを感じながら住んでいただけるように、建主さんと、住まい方を相談しながら作り上げた木造3階建ての住まいです。
「 feve casa 」の特集記事「まとめ」とともに、ギルドデザイン works で、
「天ぷら天ふじ_7坪の家」の竣工写真をごらんください。
ちなみに、現在、敷地7坪の家を新たに計画中です。
こちらもブログに、不定期ながら計画の様子を、アップしていますので、ごらんください。

09
19
 スイッチ、コンセント、照明、電気の確認


「茶の間のある家_リフォーム」の現場では、外壁下地の構造用合板が貼られて、スペースが確認できるようになりました。
新築でもそうですが、上棟して落ち着いた頃に、現場に建主さんに来てもらって、スイッチやコンセント、照明器具、インターホン、給湯リモコン、テレビや電話などなど、それぞれの位置を確認してもらっています。
玄関入って、照明スイッチがここにあるので、 このスイッチでファミリールームの照明がついて、これで切れます。といった具合に、使い勝手の確認です。
実施図面の時にご説明して、確認、決定しているのですが、図面だけでは、一般の方には、わかりにくいのではと思い、現場での確認です。
外壁が囲まれたこの頃になると、建物の大きさや間取りが、建主さんにもわかりやすくなるので、最後の変更チャンスですよっていって、立ち合ってもらっています。
たいていあまり変更もないのですが、住まいの様子もわかってもらえる時期でもあるので、いろいろ安心してもらえるのではないかと思っています。

09
16
 二子玉S.C.「住まいと暮らしのコンシェルジュ」で相談会

東急電鉄さんが沿線に展開してる「住まいと暮らしのコンシェルジュ」と、「建築家31会」は、より良い住宅環境をつくるための協力関係を組み上げようとしています。
その一つの先駆けとして、二子玉川ライS.C.店内に31会のコーナを用意していただき、有志メンバーによる模型と作品集を展示させてもらっています。

ギルドデザインも、2週間前から担当で、展示しいたことはお伝えしましたが、それも今日でバトンタッチです。
ですが、今週末は、建築家がお店に詰めて、無料相談を行っています。
明日の相談会担当が、ギルドデザインです。
磯村が午後から詰めています。
お近くにいらしたら、どうぞお声掛けください。

 

09
14
 鉄骨階段打合せ


「茶の間のある家_リフォーム」は、コンパクトな住宅です。
ここまでの工事でも、コンパクトだからできたことがいくつもありました。
コンパクト、シンプルっていいですね。
コンパクトでシンプルなのは良いのですが、別な言い方をすれば、小さい、狭小ということです。
そこをなんとか、広々と感じて住んでいただきたいので、建築家側もいろいろ考えます。
室内にあまり重々しいものを作らない、重量感を感じないような造作も、その一つの方法で、「茶の間のある家_リフォーム」では、階段を鉄骨造にして線を細く軽やかに、いわゆるストリップ階段にして抜け・透けを作るなどしています。
この日は、現場の進捗状況の確認と、鉄骨屋さんとの打合せでした。

狭い道路の住まい、小さな住宅のリフォームでは、鉄骨を運ぶのが大変です。
階段全体を組んでからでは、思い鉄骨は、搬入がままなりません。
デザイン主旨を実現するために、鉄骨屋さんとできること、難しいこと、どう搬入するかなどを打合せしました。
実は、まだ後の工事ですが、階段よりは、バルコニーの庇と物干しの加工、取り付けの方が、大変そうでした。こちらは、少し時間があるので、再検討です。
現場は順調です。外壁の構造用合板が付きました。
これで、全体が固まりました。
これまでの現場の様子は、こちらから
「茶の間のある家_リフォーム」

09
12
 ミャンマーから透かし彫り届きました。

先月からはじまったマンションリフォームは、下町の人情味溢れる地域で、中層階の窓前には高い建物がなく、桜並木やお寺の境内が広がり、スカイツリーも遠望できるロケーションです。
生活の中心にキッチンを持ってきて、その眺めを生活に取り込めるようなプランニングで、計画が進行中です。
そのクライアントから、リフォームで使いたいという透かし彫りが届きました。
クライアントがミャンマーで購入した長さ1.8mの細工物で、チークの厚板から透かし模様を彫り出したものです。

板は結構厚く、透かし彫りは、 板の両面から掘られ、中間部分は空洞になっています。
框ものに、透かし彫り部分を両面からはめ込むというのなら、大変とはいえ作ることが想像できますが、板の裏表の両面から違う模様が彫り出されて、中間部分は空洞(一部繋いでる)に彫るってことができるものなのかと驚かされました。
ミャンマーの職人が細工したものですが、大変な作業だったろうと思います。

この長さ1.8mの透かし彫りが3枚届きました。
工事が始まるまでの数ヶ月の保管が心配ですが、どう使うかお楽しみに。
このマンションのスケルトンリフォーム計画ですが、「眺めの良い生活リフォーム」、「サクラを見降ろすリフォーム」、「アジアンテイストリフォーム」、、、、、と、名前を検討中です。

09
9
 お風呂場は問題だらけでした。

「茶の間のある家_リフォーム」では、解体工事によって見つかった構造体の問題への対策工事が進み、内部の仕上げに向けての現場打ち合わせが、再開されています。
どうにかユニットバスの設置も予定通りにおさまりそうです。

これも解体していく中で、見つかったことですが、既存のユニットバスの床下には、排水管となぜかガスの引込み立ち上がり管、そしてとても厄介だったのが、水道の引込み管が隣地からこの床下を通って、また隣地へと繋がってそうだったりと、古い建物にはよくある権利関係が無茶苦茶になってる問題が、ありました。
しかもここだけ土間がコンクリートで、それぞれの配管の様子を探るのに、土間を壊さないといけないのですが、壊す時に古い管を痛めてしまいそうで、手を出しにくい。
水道屋さんやガス屋さんに何度か足を運んでもらって、周辺を掘りながら状況の確認をしていくと、どうも水道局の図面と水道管の様子が違うようで、水道管の引込み位置が変わっていることがわかってきました。
ユニットバスの設置についても、既存のガス管等の影響、既存基礎や断熱材の関係で、設置高さが、なかなか決められなかったのですが、基礎の打ち直しの時に、少し修正することで、納まるようにセットできました。
この日の打ち合わせが、ユニットバス屋さんによる墨だしで、無事納まることが確認できました。

ひと月半ほど、現場が遅れてしまいましたが、大工さんとの内装へ向けての打ち合わせも始まっています。

これまでの現場の様子はこちらからどうぞ
「茶の間のある家_リフォーム」 

09
5
 構造補強

「茶の間のある家_リフォーム」では、基礎の打ち直しが完了して、木造本体の補強工事に移りました。
腐っていた柱や白アリにやられていた土台などの取り替えを終え、新規土台、新規柱、つないだ部分などの構造的な補強が始まりました。

基本的には、構造用の金物で接合部を補強していきますが、柱や梁に添え木をし、外周部を構造用合板によって、面的に固めることで強度を増していきます。
 
 
 
 
傷んでしまっていた既存構造体の取り替え補強に加えて、改めて構造計算をしなおしたことで、必要とされつ耐震構造のための金物も追加されていきます。
上右の基礎と柱をつなぐホールダウン金物は、地震力を受ける壁から伝わる力を柱と基礎で支えるためのものです。

外壁部分は、構造用合板で包み込んで、耐震補強するのですが、部分的にはこの写真のように、筋違(斜めの木材)も加えて補強しています。
今回のリフォームでは、間取りも変えています。
部分的に、柱を抜いている部分もあり、新たに柱を加えたり、梁という部材を追加して、構造的な強度を増していきます。


既存の構造体に新しい梁(床を支える構造部材)を加えるにも、構造用の金物を利用していきます。

写真は、床を支える梁の上に打ち付ける合板です。
構造用の合板の厚いものを、基準の釘とピッチで打固めることで、床が地震の時にも地震の力を抑え、地震の力が分散するようにします。水平剛性を作るといいます。
2階でも、一部間取りを変えています。
やはり、既存を補強しながら、新しい構造材を追加していきます。

構造体は、随分と固まってきましたが、まだ外周部に構造用合板を打ち付けなければなりません。
構造用合板の止め方について、現場に確認して、新たな指示も出し、構造の確認をしてきました。
これまでの「茶の間のある家_リフォーム」の現場の様子はこちらから
 
 
 
 

09
2
 「住まいと暮らしのコンシェルジュ」に展示中

ギルドデザインが参加してる「建築家31会」では、東急電鉄「住まいと暮らしのコンシェルジュ」さんと協同して、住宅づくりの裾野を広げようとしています。
その先行検証として、二子玉川ライズ S.C.店のお店の一部に、建築家31会の展示スペースをお借りしています。
建築家31会のメンバーのうち都合のつくものが順番に、その展示スペースに模型や作品集、写真パネルを置いています。
この週末からが、ギルド・デザインの当番ということで、模型展示をしてきました。
2週間ほど展示しています。

これまで コンシェルジュさんでは、建築家との家造りという選択肢がありませんでしたので、新たな試みということで期待を持たれている企画です。
小さなスペースですが、お近くにおいででしたら、覗いてみてください。コンシェルジュさんも丁寧に対応してくださいます。
17日、18日には建築家との相談会の予定で、ギルドが担当です。

09
1
 蓄熱薪ストーブ勉強会の2

蓄熱ストーブの勉強会で、遠赤外線についても教えてもらいました。
室内温熱環境を考えるにあたって、 最近話題になっている輻射熱の話でもあります。

蓄熱薪ストーブは、内部に蓄熱材を蓄えているのですが、クラッディング(外装材)も蓄熱材で覆われています。
蓄熱材として使われるのは、天然石やセラミックです。
天然石やセラミックには、その構成物に酸化化合物、 酸化鉱物が多く含まれていて、その酸化物の働きにより、天然石やセラミックは、遠赤外線の良い吸収体であるとともに、良い放射体ともなるのだそうです。
蓄熱ストーブも鋳物ストーブもどちらも遠赤外線は出しています。ただ、燃焼時の表面温度が違うために、放射する遠赤外線の波長が違います。
遠赤外線は、3μm〜1000μmの長さの波長を持つ電磁波で、波長には、幅があります。
このうち、人にとって心地よい温度と感ずる波長というのは、8μm〜14μmで、この波長を出す表面温度というのが、90度以下なのだそうです。
蓄熱ストーブというのは、ガラス表面こそ250度くらいにあがるものの、多量の天然石やセラミックを蓄熱体として使うことで、外装部を90度程度の温度となるように、薪の燃焼から発生する熱量を閉じ込め、ゆっくりと放熱するストーブということです。
その熱は、空気を温めるのではなく、直接人に届くような熱エネルギー(遠赤外線)にもなるということです。
表面が高温となるストーブは、遠赤外線を輻射熱として飛ばしつつも、多くの熱エネルギーは、対流熱として空気を温めるのに使われ、薪が燃焼している間は熱いのですが、燃焼が終わると、急激に冷えていくことになります。
どのストーブが良いかということとなると、使う環境、条件によるのですが、すくなくとも、1回の燃焼で、長く適温を保つことができる蓄熱薪ストーブの省エネルギー性は、かなり高いということです。
下の写真は、勉強会で体験させてもらった遠赤外線の実験の様子です。

ガスコンロと、コンロによって熱せられた天然石が置いてあり、その右にファンがあり、横から風邪が送れるようになっています。
火のついてコンロも熱せられた石も、その上に手をかざすと熱く感じます。
どちらも熱が上昇してきているのですが、横から風を送ると、コンロからの熱は、吹き飛ばされて、かざした手に熱気が感じられなくなります。
それに対して、石の上にかざした手には、熱気が感じられます。
コンロの炎からの熱が、空気の対流熱であり空気が飛ばされれば、熱を感じなくなるのに対して、石からの熱は、遠赤外線の輻射熱(電磁波)で、輻射熱が空気を介在しないで熱を伝えているということないなります。
薪エネルギーの多くを蓄熱して、遠赤外線として利用する蓄熱ストーブは、省エネにおいては、とても有効そうです。
しかし、この勉強会では話が出ませんでしたが、少し勉強してみると、輻射熱、遠赤外線というのは、扱いの難しいエネルギーでもあるようです。
まだまだ、勉強することはたくさんありそうです。

08
30
 住宅展に参加します

今週末となりますが、アーキテクトスタジオジャパンの住宅展「未来をのぞく住宅展」に参加します。
今回は東京北スタジオ主催によるイベントで、4日の15時からはセミナーと担当します。
セミナーテーマは「中庭を造る減築リフォーム」です。
建物の面積を減らしながらも、中庭をつくった戸建住宅のリフォームの話です。
中庭によって生まれた豊かな空間について、計画、工事、竣工の様子を、写真と図面を見ていただきながらお話しする予定です。
会場:北とぴあ B1展示ホール
北区王子 1-11-1
時間:9月3日 10時半〜18時
9月4日 10時半〜17時

08
29
 蓄熱薪ストーブの勉強会の1


ギルドデザインでも薪ストーブや暖炉のある家を何軒が造っていますが、環境先進国であるヨーローッパの国々では、薪ストーブについても新たな基準が作られ、よりエナルギー効率が高く省エネで、安全な製品が普及しようとしています。
先日、「薪ストーブライフ」を出版している沐日社さんで、蓄熱薪ストーブの勉強会があったので、参加してきました。
講師は、スイスの薪ストーブ会社「TONWERK LAUSEN社」の日本代理店である「青い空」の小川さんが、愛知県より来てくださっていました。

日本は、「暖房」という考え方において、かなり後進国のようです。
いまだに室内で暖房機器を燃焼させて、ポイントで温めるような採暖という考え方が、大半です。
室内で燃焼させれば、空気が汚れ、新鮮空気の取り込みが必要になります。それは、外気=冷気を室内に入れなければならないということです。
韓国では、オンドルという床暖房がありますが、これは室外で燃焼させた暖気が床を巡るものです。暖房による室内換気の必要性はないことになります。
薪ストーブ同じようなもので、室内燃焼型で、日本では、鋳物製の薪ストーブが大半です。
鋳物製の薪ストーブといっても、ヨーロッパや北アメリカからの輸入品で、燃焼効率や操作のしやすさなどは、かなり良いものだと思っていました。(確かに、古いものとは比べられないほどの高性能でしたから。)
これからの新しい基準のなかでは、単なる鋳物性は時代遅れになりそうです。
住宅の高気密高断熱化、エネルギー利用効率強化が進むなか、薪ストーブも開放型から気密性を高めて、給気をどれだけコントロールするかへ移り、さらなる省エネ化が求められているようです。
そのなかで注目されているのが、蓄熱薪ストーブということです。

これまでの薪ストーブは、外装の表面温度が上がり、対流熱によって室温を上げるような作りになっていました。
表面温度は、燃えている間、必要以上に熱くなるのですが、消えてしまうと暖かさもなくなっていくので、薪を連続的に焼べる必要がありました。
対して、蓄熱型は燃焼による熱を、ストーブ内部の蓄熱材の蓄え、ゆっくりと放熱する仕組みを持っています。1回の薪の燃焼で、短いもので4時間、長いもので24時間も放熱するのだそうです。
ストーブ表面温度は、燃やしたときには上がるものの、90度前後に抑えることで、人体にとって快適となる遠赤外線を放出するということです。
 

 
蓄熱型と限ったわけではないと思いますが、薪ストーブの扉周りの機密性を高めるためのパッキン部分の詳細です。
専用ダクトから給気をおこない、空気のコントロールをしないと燃焼効率に問題が出てしまいます。
小川さんは10年も使っていても、このパッキンは痛んでいないとのことです。